談話室B「男色のめぐり逢い」

Q.1 貴方の男色への切っ掛けをお教えてください。
秋が深まり休日の夕方の散歩で出会った彼、会釈程度で話をしたことは無かったけれどその日は私の散歩にお付き合いしてくれて道端で群に咲いている小菊をこれ嫁菜と言うんだよと教えてくれた。
野菊じゃないんですか、通称野菊だけど春の芽をお浸しで食べると美味しいんです、嫁が喜んで摘んでくるから嫁菜なんです。
四十半ばバツイチ、子も出来なかったからしがらみも無し。
物知り博学オヤジは六十前後、その散歩の出会いが縁となって師走の半ばには同じ褥で眠る仲。
女にされた身体はオヤジ恋しさに暗い夜道を通う日々、オヤジの胸で甘え教え込まれる男の性、別れた女房との味気ない交わりと違い男に抱かれて男の精を注ぎ込まれて男の厚い手のひらを汚してしまう。
まだ若いのだからと二度三度いかされ口で受けたものを口移しで飲まされ私の漏らしたものを塗れさせて犯される、男のものを咥えて男をその気にさせる、男に媚びる喘ぎと善がり声、男を受ける瞬間の苦痛が待ち遠しく思えて早く来てとお願いをしている。

男色の淵は深い。
知り染し者は淵辺を彷徨いながら足先をつけて二度三度ためらう。
気づけば腰まで嵌っていて弄る指先に身を反らし鎌首をもたげた大蛇に身を巻かれ赤い舌先に花芯を開かされてしまう。

オヤジが体内に入り込む苦痛、声も出ない。
苦痛が癒えるまでの長い時間、そして気づかうよに微笑んでくれた
顔が上にあって私も弱々しく微笑み返しました。
ゆっくり腰を使いながら怯えて縮こまった私のものを摘みだして握り愛撫している。
やがて私の背に歓喜の渦が湧き上がり私はそれに応えてしまう。
私のもので汚れた指を口に入れられそれをしゃぶりながらオヤジの律動に身を任せオヤジの腰に爪を立ててしまう。
そして激しい高まりがあって咆哮、出すぞの言葉が耳に鳴り響く。
静寂、動きがとまりオヤジの重みが被さり強く抱き締められる。
言葉もない深淵の深い喜び、男の体に埋もれ男色の淵に沈んだ夜に街のざわめきが遠く聞こえて私を充たしたものが萎えぬ間にオヤジの指が始めた悪戯に私の身体は反応してしまい二度目の頂に駆け登らされていました。

嫁菜、野菊です。
薄紫の小さな菊を咲かせる野の花です。
この歳で野菊を名乗るのはおこがましいのですがこの花を知ってるかいの問いが私たちの始まりです。
菊と言ってももう雑草、道端に咲いている花です。
男色って何色なの、愚門ですが私は即座に薄紫と答えれます。

菊は男色の花のようです。
私には菊が刻まれていてその菊を手折られて今の私になりました。
これは菊散らしの道具なんだね。
そう言って口に含むとオヤジが心地よげに目をつむります。



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