談話室B「男色のめぐり逢い」

Q.1 貴方の男色への切っ掛けをお教えてください。
60を前にして男を知りました。
親しくしていた方に軽い山歩きを誘われまして当日少し体調を崩したのか遅れ気味になりました。
3歳年上の彼が気づかって手を差し伸べてくれてその手にすがった時その手の温かさと厚みにビビッときました。
そのまま手を放し損ねていましたら向こうも離さずにいてくれて暫くそういう状態になりました。
なにやら動悸めいたものもありありがとうの言葉が上ずりました。
下山で少し傾斜のきつい場所でまた手を差し伸べてくれためらい無く手を借りました。
帰ったらラインが入ってて今日は楽しかったの後に体調の気遣いの添えて手をお貸した時に恋人繋ぎをした気分になったと冗談めかしての文言がありました。
それから3月後、恋人繋ぎで指を絡め私は彼のものになりました。
初めて知った男、もうこの歳ですから身体の柔軟性は失せて想像を超えた試練となりましたが怯えてしまう程の巨根を挿入されてしまい、その苦痛を絡めた指先を強張らせ耐え抜きました。
男に抱かれた男の性の営みは肉体的な快感には程遠いものでしたが身体の中に放たれたものになんとも言い難い感動があって、終えた男の重みと汗ばんだ体の熱さ、なにより男のものを受け入れている充足感というか不思議な心地よさに包まれていました。
自分も男ですから男の生理はわかります。
でも他の男の性を見たことはありません。
血管を浮き立たせて勃起した性器、目の前にしてその大きさに驚き怯えて、それが私の中に放ったもの、そしてそれを充満させて男の厚い胸に頬を寄せて満足げに唇を寄せられ厚い舌と甘い唾液を吸い返しながら形を失った男のものを握り締める、そうして私は彼の手に縋り男色の世界への扉の向こうに足を踏み入れてしまいました。
男色の行為は奥深い。
最初に得たのは安らぎ感と安堵感、性行為を繋ぎとして行為で満ち溢れたものが気持ちを安らがせてくれて私の胎内に放たれたものがその粘着力を残し離れ難い思いを募らせる。
彼の思いを確かめるように求めて充たされて更に思いを募らせる。
半年も経たずに半ば同棲になり翌年には同居になりました。
変化と言えば私が男を失ってきたことですね。
身体よりも気持ちが女性化しました。
相対しての会話、男言葉を忘れ始めています。
仕草や動作、二人だけの空間では男になれない、ふいにお尻を撫でられて出た言葉が嬌声、キャッと叫んでいました。
服装も女装ではありませんが明らかに変わりました。
明るい色の服、身体にフィットする服、下着は女性物に変えました。
も2年、3回目の春です。


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