談話室B「男色のめぐり逢い」

Q.1 貴方の男色への切っ掛けをお教えてください。
真正爺と爺なりかけ、ふたりで夕日を眺めている光景はたそかれ感があって物寂しいけれど誰も目にとめない。
そんな二人がひとつ褥で暖をとりあい真正爺が回した手にはなりかけ爺の小ぶりなものがあってなりかけ爺は自分の手を乳に添えて薄く唇を開き吐息を漏らし始めている。
夕日が長い影を落とし枯れ葉がかさこそと転がる風景は秋の深まりを絵にしているが爺と爺が睦会う様子は誰の関心も引かないこと思いもよらないこと、しかし当人同士には愉悦の交わり。
真正爺が節くれだった赤黒いものを扱き巻く枕元の盆に揃えられたお道具と始末用具のひとつに手を伸ばし蓋を開け指先に摺ったものを己が逸物に塗り込め愛方の尻を割り塗り込める。
うつ伏せにさせ包み込むように背に乗った体が白さの際立つ一回り小さな身体を覆い、その腰が的を探り宛がうように浮かせた腰に的を絞り体重をかけていく。
苦し気な悶えがあって治まるものが治まり落ち着くのを待つ、外れかけた掛け蒲団を引き上げふたつの重なりを隠す。
馬乗りになり体を立てて腰をふる真正爺。
絶え絶えの息を漏らしそれに耐える小柄な白い身体にほのかな紅がさし始め夜具を噛んで吐息を隠す様子、差し込まれたまま返されて上下が入れ替わる。
大きな体に乗せられ腰を上下させ始める白い体躯、くるりと回されて顔を見合わせ下から愛方の様子を凝視する真正爺。
身を起こし性上位に直したまぐあいに深々と強直を埋め込み更に奥を探り抜き差しつつふくよかに張った胸に手を置き乳房のように絞りあげらしからぬまでに発達させた乳首を捩じり上げる。
悲鳴のような喘ぎを漏らし身を捩り身を反らせる身体に薄く汗が滲み小ぶりな股間に愛液を滲ませている。
今夜は出したい、出してくださいの声が重なる。

夕焼けが黄昏に変わりとうに宵闇が深く垂れこめている。
道行く人に溶け込んで夕日を眺めていたふたりはまだ収まらぬ荒い息と鼓動に汗ばんだ肌の冷え込みに夜具をかき揚げ寄り添う。
誰もしらないこと、しられたくないこと、されど息の合った様子は微笑みを受ける、老爺が寄り添い言葉のいらない時を過ごす。
明日、栗ご飯を炊きましょうか。
いいね、秋だねぇ。
とりとめの無い会話があって寝息に変わる。
男色の色は夕日の色、そして漆黒の暗闇の色。


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