談話室B「男色のめぐり逢い」

Q.1 貴方の男色への切っ掛けをお教えてください。
男色というのはただの色遊びじゃない。
バツイチになって女には懲りた、こちらにも言いたいことは山ほどあるがこれ以上揉めたくないし子供はいないから手切れ金と思って貯金をはたいた。
すっきりして出直し、仕事一途と言えばカッコ良いけれど仕事と仲間とお酒しか無かった。
そんなで気づけば40の坂の入り口、そんな時知り合ったのが彼、休日公園で描いていた絵に感心して見ていたら声を掛けられた。
それがその翌月には彼の腕の中で愛を誓っていた。
初老の紳士、痩身に綺麗な白髪、口髭なんか蓄えていては博識蘊蓄の人、話が面白いから引き込まれてラウンドを別にして挙句はお宅に誘われて、相手は絵が趣味の人、ご多分にもれず君を描きたいから脱いで欲しいになってポーズをつける指先が意味深になって・・・。
こういう世界のあることは知っていたし興味がないわけじゃなかったけれどいざとなると、動悸で過呼吸気味になっていた。
後ろ姿でいいからと口説かれたけれど全裸だから、指が触れて動悸が止まらなくなったらあろうことか勃起してしまって。
焦ってしゃがみ込んだけどもう思考能力がしどろもどろ。
後で彼がごそごそ、なんと彼も全裸になっていて股間の巨大な逸物を扱いている。
で、そのままソファに倒れ込んで彼の腕の中。
それが男色の出会いで男色の世界を知ってしまった日になった。
親子みたいだけれどしていることは夫婦。
女房とはうまくいかなかったけれど自分が女房になればしなくてはいけないことがわかる。
男らしさは無いけれど男だったから男のことはわかる、男色の世界での男が男に求めるものはわからないけれど女の気持ちになってみて気づけたものがある、それは慕うこと。
私の体は彼の肩までしか無い、ヤセのチビで貧相な体、痩身だけど逞しい体に抱かれると男を失ってしまう。
体の中に精液を残される生々しさに自分の性を見失ってしまう。
苦痛に耐えた代償が男の射精、それをさせたことの満足感、それに酔っていることが男を失っていることの証拠、そんな気持ちです。
男を捨てた翌日、疼痛の残る体は節々に彼を思い出させ彼とのことを蘇らせます。
その度に湧かせてしまう思い、それが重なって色濃くしてしまう。
その夜、私は再び彼の住まいを訪れていました。
昨日と同じ、疼痛の残る体は何故でいっぱい、でも疼痛が消えてからが違った、私は甘えながら彼を迎えていた。
流石にこの歳で二晩連続はキツいよ、そう言いながら乳首を甘噛みされる私は痛さに身悶えしながら彼の股間を握りしめていた。
食事の支度をする、いつもの会話だけど以前とは違う、自然に触れ合って触れ合いながら会話をしている。
横顔をじっと見る、どうしたのと言われて何でもないと答える。
じわっと込み上げてくるものがあってこの人が好きなんだと思って言うのは気恥ずかしいから立ちあがって片付けを始める。
ベッドは一つしか無いから新調した布団を並べて敷く。
布団の中で貴方が欲しいと囁く。
貴方が好きだから貴方が欲しい、なんでもさせるししてあげれる。
やがて来る苦痛に耐えることを思うと勃起させてしまう、もっともその時はシュンとなってしまうけれどそれが待ち遠しい。
男色の色の道、男色を知ってしまったら自分がわかりました。
私は女を幸せにできる男じゃなかった。
女になって男を幸せにすることが私の道だったことがわかった。


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