Q.1 貴方の男色への切っ掛けをお教えてください。 |
春になると心が浮き立ちます。 春を待ちわびた気持ちだけじゃなくて春を知った感慨、男色の色恋を知ったことの感慨です。 彼はまだ50代、私はようやく30を迎えたばかり、30を超えて春を知ったなんて恥ずかしいのですが人付き合いや表にでるのが苦手の私には大変なこと。 彼は体も大きい声も大きい、ずばずばと言える人である意味強すぎて浮いてしまう人、苦手にしてる人も多かった。 そんな二人が仲良し、不思議ですね、鈍い私だから何を言われてもピンときてない、逆にはっきり言われてああしろこうしろを言われる方が楽、鈍なのは自覚してるから怒られても気にしてない、と言うよりわかってないが正しいのかも。 並んで歩いたら彼の肩まで、もう子供と大人、凸凹コンビ、それは今でも同じ、大凸に小凹のまま。 彼の家に誘われて、と言うより呼びつけられて男鰥夫の殺風景な部屋、散らかってはいないけれど殺風景、ベッドは起きた時のままでソファは寝転がっていた痕がくっきり、CDが積み上がっていて後でわかったけれどNH物がいっぱい、そう彼はNHファンでした。 部屋に呼ばれたきっかけは軽い山歩きの誘い、私の作ったお弁当が気に入って家庭料理を作ってくれよ。 鈍い私でもわかる、そんな予感はしてた、不思議と嫌じゃ無くて心待ち気分、家に来てくれよに少し胸がざわついた。 で、料理を堪能してくれてご満悦、お酒も入ってご機嫌、ご機嫌の先に手を掴まれてグイッ、勢いよく胸に飛び込む形で後は一行的にあれは場合によったら話題の芸人騒動、抗ったら強姦になりそうで言った言葉も同じ、俺の子を産め。 即後のデザートだったのか、それが本命だったのか深夜を回った時刻、とろとろと短い眠りを繰り返す私は厚い胸に顔を埋めていた。 知識として知ってはいたけれど男色の色に染まるのがこんなに凄まじいこととは思わなかった。 言われた通りに支度を済ませ身体を委ねたけれど彼の男のものはあまりに大きく固くて怯えた私はますます殻を閉じてしまう。 深夜私は声にならない絶叫をあげて必死に藻掻いていた。 圧倒的に体格に劣るから逃れきれない、藻掻けば藻掻くほど喰い込んでくるメリ込んでくる、悪夢のような時間でした。 彼の鼾がやむ、手を伸ばすと私をあんなに苦しめたものがダランと横たわっている、握ると厚い弾力があってまた暴れ出しそう。 翌朝、先に起きて朝食の支度をしました。 起しにいって部屋のカーテンを開けると布団の周囲に片付け残したティッシュが丸まったまま、起こしに布団をめくると彼の籠った体臭に昨夜の性の匂いも混じっているような、思わず頬を赤らめてしまう瞬間でした。 男に抱かれる喜びと男のものを身体に残される喜び、男に破瓜されて男を身に受けたばかりの頃は抱かれるときめきはあっても抱かれる快感なんてわからない、でも男のものを残されたという気持ちの喜びはあった、不思議な充足感、愛されたという満足感。 男色の淵に沈む感触は身体ではありませんね、気持ちを囚われる。 男色の色は白、乳白の白、身体を紅く染め上げたところに純白の白い釉薬を掛けられて焼かれる、それが男色に染まるということ。 ようやく身体の喜びがわかりだすのに何年もかかりました。 今の私は唇を紅く染めて彼の褥に身を侍らす身体です。 |