(3)

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翌朝、父と顔を合わせるのは、なんとなく気恥ずかしかった。
昨夜はつい興奮しすぎて、激しくやり過ぎた。それに征さんも、いつになく燃え上がって、大きな声を出していた。
しかし父は、拍子抜けするほどあっけらかんとして、話しかけてきた。
「どうだ、ぐっすり眠れたか。――ところで今日は昇と一緒に、二日市の姉さんのところに行ってくれ。梅干と湯の花をもらうことになっている。お前もせっかく九州に来たんだから、挨拶してきたらいい」
二日市には伯母が住んでいる。
わたしがうなずくと、父は征さんのほうを見て言った。
「征さんは、わたしの手伝いをして下さい。庭の手入れをするんだ」

車で行っても良かったが、伯母の家に行くと酒を飲まされそうだったので、結局、電車で行くことにした。
二日市は古い温泉町で、福岡市街から電車で30分とかからない。
わたしの心はときめいていた。向かいの席に、可愛らしい昇さんがいるからだ。
昇さんは71歳になると言うが、つややかな顔は、おっとりとした品位をもって、老いを感じさせない。艶のある丸っこいおでこ、薄墨で刷いたような眉毛、二重瞼からのぞく色素の薄い澄んだ瞳、上品な口と鼻――なめらかな頬から二重になりかけた顎の線に、そこはかとない男の色気が漂っていた。

わたしは老人に、のんびりと話しかけた。
「わたしの父とは、どんな縁で知り合ったのですか」
「同じ会社でした。そのう――」
昇さんは、言葉を選びながら慎重に答えた。「わたしが部下のとき、あなたのお父さんに大変お世話になりました」
父のことだ、別のお世話をしたんじゃないかと思ったが、そのことには触れなかった。
「父は我儘ですから、一緒に暮らして、ご迷惑をおかけしているんじゃないですか」
「とんでもございません」
心外だと言うように、老人は目を丸めた。「旦那さまはとてもお優しい方ですから」
そう言って、頬を赤らめた。
昇さんのウブっぽいしぐさを見て、思わず抱きしめたくなった。
「父はわたしのことを、何か言っていましたか」
「あまり多くはお聞きしていませんが――話されているときのご様子から、ご自慢の息子さんだと想像がつきました」
老人はふたたび顔を赤らめた。それからそっとわたしの股間を、窺うように見た。
(知ってるんだ――わたしと父の関係を)
おそらく父が、寝物語に話したのだろう。



老人の艶やかな唇を見ていると、さぞかし口淫もうまいのだろうと思った。やや小さめだが、妙に惹かれる唇だった。
(あの可愛らしい口が、親父の勃起したものを咥えて――)
老人の上品な顔を見ながら、その光景を想像していると、昨夜、征さんの体にたっぷりと注ぎ込んだにもかかわらず、股間がむずむずしてきた。
「それで――実物のわたしに会って、どう思われていますか」
「それはもう、想像通りの――」
昇さんは言葉を途切らせた。どうやら、わたしの股間の変化に気づいたようだ。
わたしは、老人の視線を充分に意識しながら、容積を増したズボンの前の膨らみに、手を滑らせた。膨らみに沿って指先でなぞりながら、老人に誘いをかけた。
「どうですか、伯母の家に寄った後、温泉にでも入りますか」
老人は喉が渇くのか、唾を飲み込み、そっとうなずいた。その目は魅せられたように、わたしの股間から離れない。
わたしは念を押すように言った。
「ふたりで、ゆっくりと過ごせる温泉がいいですね」

伯母の家を訪問して、賑やかな歓迎を受けた。彼女はわたしの父より二つ年上で、コロコロと太った明るい性格の女性だ。
早々に退散して、昇さんと温泉に行きたかったが、伯母のおしゃべりに付き合った。
結局、昼過ぎまで家に引き止められた。
ようやく伯母から開放されたときは、わたしも昇さんもホッとする思いだった。

昇さんの案内した温泉宿は、入ったとたん、どんな種類の宿かすぐに分かった。男好きの男たちが楽しむところだった。おそらく、わたしの父と来たことがあるのだろう。
さっそく脱衣室で服を脱いで、温泉に入った。浴室は薄暗く、先客が5人ほどいた。年配者ばかりで、湯の中でひっそりと寄り添っている二人組もいる。
まず洗い場で、石鹸を使って身体を洗った。
先に洗い終わったわたしは、岩を組んだ広い浴槽に入った。湯は透明で、すこし温めだ。
湯の中から洗い場にいる昇さんを、じっくりと眺めた。70代とは思えない色白のきれいな肌をしている。形良くふくらんだ腹、腰から尻にかけての柔らかな起伏、プラスチックの腰掛からはみ出た、丸っこい双丘の膨らみ――。
身体を洗い終わった昇さんが立ち上がった。妙に幼さを感じさせる、薄い陰毛で覆われた恥丘、小振りだが形の良い性器が垣間見えた。
昇さんは、洗い場の端のほうに歩いた。隔て板の横に洋便器があり、そこでホースを手に取った。見ていると、老人はその
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