イザナキ「おまえの身体はどうなっている」
イザナミ「ほぼ出来上がっていますが、ひとつだけ欠けたところがあります」
イザナキ「私の身体もほぼ出来上がっているが、ひとつだけ余分なものがある。これでお前の欠けている部分をふさぎ、国土を生み出そうと思うが、どうだ」
イザナミ「いいですわ」
古事記にある、男神イザナキと女神イザナミの会話である。
かくして男女は凹凸、互いの過不足分を補って和合することになったが、男同士の場合はどうであろうか。
これは皆さんよくご存じのように、男には凹凸両方備わっている。だから男役、女役、本人の希望次第でどちらにもなれる。
じつは、この小説を書くにあたって、人生の峠を過ぎた熟年男性二人のせつない心象風景――という文学的な描写にするつもりだった。
それがいつの間にか私の地が出て、アチラ方面の話になってしまった。
70歳で精力絶倫――75歳の私には比べるべきもないが、可愛らしい男を抱きたいという欲望だけはまだ持っている。
で、主人公のひとりになったつもりで、妄想しながら書き綴った。
清貧の中で愛を育む熟年男性二人――と設定したつもりが、これもいつの間にか金満な内容となってしまった。でも妄想の世界だから仕方がない。
主人公二人のように、女房はいるけど好きな相方もいる、そんな人は、結構いるのではないだろうか。現に私がそうだった。
山の神の目を盗んで、相方としっぽり濡れる――男の願望である。
今の世の中、物語のようにうまくいかないのが現実だが、まあ世知辛い現実など忘れて、自分の思いのままに夢を見たいものである。 神亀
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