廉はその日に備えて、毎晩入念な準備作業をした。
風呂に入ったとき直腸を洗浄し、家族が寝静まってから、ベッドの中でディルドにラブオイルを塗りつけ、アナルアップの行為をした。幸い、結婚して家を出た長男の部屋を廉の寝室に充てていたので、女房に気づかれず、行為に集中することが出来た。
そしていよいよ金曜日、廉は、新橋のゲイバーに出向いた。早く来すぎたのか、キーさんの姿はなかった。
待つこと30分、少し不安になったところでキーさんが現れた。俄かに胸の鼓動が速くなった。
キーさんは廉の顔を認め、「よお!」と言って片手をあげた。
カウンターの前で飲んでいても、廉の頭の中は、早くキーさんに抱いてもらいたくて、じりじりしていた。
そんな廉の気持ちも露知らず、キーさんはのんびりと会話する。
「世の中には2種類の男がいる。女好きの男と男好きの男だ」
「――そうですか」
「ああ、そうだ。で、今のおれは男好きの男だ」
言ったあと、キーさんは廉の顔を見て、いたずらっぽく笑う。「レンちゃんも男好きなのは分かるが、タチとウケ、どっちなんだ?」
何のことを言ってるのか理解したが、すぐ答えるのは、いかにも遊び慣れているように聞こえると思って、廉はとぼけることにした。
「あのう、何のことでしょう?」
一瞬、キーさんは黙り込んで、次いで独り言のようにつぶやいた。
「ほう、ずいぶん役者じゃないか。カマトトの極致だな」
そこで廉の顔を真っ直ぐに見て、ドスの利いた声で言った。「タチとウケ、どっちなんだ?」
その威圧感にフニャっとなった。廉はあわてて答えた。
「あ、ウケです。――でも、経験はありません――と言うか、男の人と経験したのは、この前キーさんと――」
キーさんはフッと笑顔を見せた。
「あれが初めてだったのか。よし、これから教えてやる」
廉が連れて行かれたのは、麻布にあるワンルームのマンションだった。
元々は、社用で夜遅くなることの多かったキーさんが、プライベートなセカンドハウスとして使っているものだ。いわば男の隠れ家的存在だった。
部屋に入ると、時間を無駄にしなかった。
二人はしっかりと抱き合い、口づけしながらお互いの衣服を脱がせ合う。裸になると、そのままバスルームに行って、シャワーを使った。
キーさんは、廉のきれいな肌が気に入ったようだ。絹のように滑らかな肌に沿わせて手をすべらせ、胸の突起にたどり着くと、ゆるやかに指の腹で弄んだ。
「あっ」
廉はあごをのけ反らせた。
そのあとシリンジを持ってきて、廉の尻に湯を注入した。すっかりきれいになると、二人はバスルームから出た。
キーさんは廉に向かって、「うつ伏せになれ」と命令した。
全裸でベッドの上にうつぶせた廉は、命じられるままに両膝を立て、開いた尻を相手に向けて突き出した。
屈辱的な獣の姿だ。
55歳の尻は、ほどよく肉がついて張りがあり、明かりを反射して艶々と輝いていた。谷間の切れ込みは深く、縦に割る淡い影の奥に、楚々とした菊の紋様がひそんでいる。
「ほほう、これはそそられる眺めだ」
キーさんがほくそ笑んだ。
廉は言いなりだった。無防備であられもない姿を強要されると、心の中まで剥き出しにされたようで、もうどうとでもして、という気分になってくる。
そこをさらに、キーさんの手によって双丘を開かれ、廉は恥ずかしさに目を閉じた。
敏感な部分に、息がかかる。
すぼまった蕾の襞が、広げられていびつになり、いっそう卑猥に見える。
開かれた肉襞に、舌先が割り込んだ。
「ひっ、ひいいっ!」
廉があえいで腰を引いた途端、強い力でぐいと戻された。
「じっとしてろ!」
とろけるように軟らかくなった粘膜に、ぬめぬめと蠢く舌が侵入する。広げられて歪んだ肉襞がキュウっとすぼまり、ついでフワッと弛緩する。
今度は舌に代わって、指が差し向けられた。
ヌプッ、ヌプッ――指先が入口付近を浅く抽送する。
廉はもどかしさに、尻をうねらせた。
「うん、もっと奥まで入れて欲しいのか?」
言ってすぐ、指が秘肉をズグッと押し広げて、グヌヌゥーと侵入してきた。
「うわっ!あああぁ――」
自分が弄ばれているのは分かっていた。それでも抵抗できなかった。意地の悪い指のうごめきと共に、自分の身体が淫らな娼婦になっていくような気がした。
廉の心の片隅に、こんなことはいけないことだ、という道徳心が残っていた。
でも、いけないことと思うだけで、身体のほうは、もっといけないことをやって欲しくて、ズクン、ズクンと疼いていた。
「そろそろ入れてやるか」
キーさんの声が聞こえた。
熱く、硬く、生身の象徴が、獣の姿形にされた廉の背後に押し当てられる。
オイルで潤された受け入れ口に、いきり立つ男がググっと入ってくる。
「うっ、くくく――」
肛門括約筋が容赦なく押し広げられ、ふいに頭
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