あとがき

どうも私は天邪鬼らしく、善良な人物よりも、一癖も二癖もあるチョイ悪親父を主人公にする傾向にある。「サロン陶仙房」の70歳の三人も、決して善人とは言えない三者三様のワルである。
私は現在75歳、国が非人格的に決めた後期高齢者であるが、癪に障るので高貴高齢者と称している。
まあ、これだけ長く生きていると、人を見る目も経験豊富になってくる。
例えば、いかにも善良さを表に出した人間でも、裏では独りよがりで打算的だったり、逆にワルぶっている人間でも、意外に人情家で人の世話をしたりする。
人間とは、一筋縄で判別できず、面白いものである。
今回久しぶりに新作を掲載したが、舞台となった「サロン陶仙房」は、私がよく利用していた、実在の喫茶店をモデルにしている。オーナーと老従業員も然りである。
完全リタイアした老人は、サンデー毎日の生活を送っている人が多い。しかし、ここで思い切って一歩足を踏み出せば、また違った充実した毎日が送れるかも知れない。
一人より二人、二人より三人、仲間がいればそれだけ楽しく過ごせるだろう。
社交下手な人は、一人だけ見つければいい。義父に対する愛、恩師に対する愛、あるいは仲間に対する愛――。
そんな思いを込めて、本作を執筆した。 神亀



22/03/13 08:17更新 / 神亀

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