「タケ、来年は60だな。どうするつもりだ?」
「はあ、会社に残ってお世話になろうと思っています」
「なら積算部がいいな。お前が現場で培ってきたノウハウが活かせる。よし、俺から人事部に言っておく」
「ええ、ぜひともお願いします」
こうして吉井先輩との会話で、私の会社生活第2の進路が決まった。
私の名前は梅本武志、ゼネコンに勤めている。
会社に入ってすぐ、建設現場に出された。長年、現場管理の仕事をやって来て、60歳と言う年齢の節目を迎えた。
会社規則では本人の希望により、65歳まで働けた。ただしポスト職は外され、給料も何割か安くなる。
それでも働けるだけいい。私は60歳から本社積算部で働きだした。
吉井取締役は大学の2年先輩で、野球部でも一緒だった。もっとも先輩はチームを代表するスラッガー、そして私は選手よりマネージャーの役割が多かった。
この差は、会社に入っても変わらない。
先輩は現場管理の仕事からスタートして、現場所長にとどまらず、支店経営を任された。そして最後は、本社重役に抜擢されていた。
私はこの吉井先輩と、人に言えない仲になっている。
ある地方都市で、先輩が所長をやっている建設現場で働いていた頃、酔った勢いで、先輩と男色関係に陥った。
そのとき私は、尻の痛みとともに、私の中にある女の部分を知ったのだ。
先輩とは、職場が離れてからも、たまに逢瀬を重ねていた。そして私は、先輩に背後を貫かれることに、無上の悦びを覚えていた。
私は結婚して、東京のマンションには女房と二人の子供がいた。女房は農家の出だったが、大学で鍛えられたのか、世情に通じていた。それで私の男好きに気付いて、50を過ぎた頃から夜の生活を拒むようになっていた。
定年延長で働きだした5年間は、あっという間に過ぎようとしていた。時の経過を感じないのは、あまり波のない生活を送ったからだろう。
そんなある日、吉井先輩から電話があって、今夜付き合え、と言われた。声の調子から、会えば何をするのかは分かり切っていた。
上野のホテルの一室で、私たちは全裸で抱き合っていた。
「早いもんだ、もうすぐ65歳か。お前ともいよいよお別れだな」
吉井先輩は、私の性器をまさぐりながらつぶやいた。
常務取締役に昇格した先輩は、すっかり貫禄が付いて、老いてなお壮年の覇気を滲ませている。私より二歳上なのに、今もって私を背後から貫く元気がある。
それでも最近は、少し疲れているように見える。常務取締役という重責が、そうさせているのだろう。
私は先輩の身体に跨ると、上体を倒して頭をもたげかけた肉根をそっと掴んだ。
長年慣れ親しんだ男の道具――いつ見ても愛着が湧く。
そのとき、尻の狭間に息がかかるのを感じた。――後ろを見られている。それを意識しながら、先輩の性器に顔を近づけた。
かすかに懐かしい匂いがした。口を開き、先端をペロリと舐めてみた。
次いで口いっぱいに呑み込んだ。肉根が力を得て、芯が通ってくる。と同時に、容積と長さを増して、喉の奥まで潜り込んできた。
息苦しさが募ったが、その感触にうっとりとした。
先輩の手が、私の尻を愛撫しだした。尻の狭間から背筋に沿ってぞくぞくとする快感が走った。
もっと触ってもらおうと、私は尻をグッと後ろに上げ、脚を広げた。器用な指先が、双丘の分かれ目から谷間に伝わり、菊座に触れた。
「あ――」
思わず菊座をすぼめた。
指が小さな円を描きながら、優しく秘肉を押し広げながら入ってくる。
「あ――ああ」
あまりの気持ちよさに、私は指に貫かれたまま尻をくねらせた。
「どうした、口が留守になってるぞ」
先輩の声がした。
私は気を取り直して、目の前の肉根を口に含み、ゆっくりと抽送した。先端が喉の奥に当たって、思わずえずくのを我慢した。
私の菊座では、指に代わって舌が参戦した。皺のふくらみをチロチロと舐め、蟻の門渡りをえぐるように舐める――。
どこか知らない高みへ連れて行かれそうな、不安な昂ぶりを覚えた。
不意に、固くとがらせた舌先が、潜り込んできた。
「うわっ!ああっ――」
強烈な快感が全身を突き抜けた。私は肉根から口を離して声をあげた。
意識の遠くから、先輩の声が聞こえてくる。
「そろそろドッキングするか」
先輩の一物は以前の硬さがないので、挿入するのに苦労していた。それでも何度か押し込んで、ついに頭の部分が肉襞にもぐり込んできた。
あとは比較的スムーズだった。菊門を押し開き、腸壁を摩擦しながら、どこまでも侵入してくるような気がした。
ついに先輩の下腹部が密着した。結合部は溶接されたように、寸分の隙間なく繋がっているのを感じた。
「すごい――タケ、お前の筒はいつ入れても、具合が良い」
目を開けると、先輩の肉付きの良い温顔が、快感に酔いしれた表情をしている。
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