(4)発展

昌造が風呂から出てきた。暑いのか、フンドシ一張羅の姿だった。
胸も腹も腰も、色が白いのでポッと薄紅色に染まり、つるつるで美しかった。
白髪、ほどよく肉の付いた上品な顔、ぽってりとした小さな手足――川井田昌造という男を形成している総ての要素が、柔らかく滑らかに息づいている。まるであどけない小学生のような雰囲気である。
和義は見ていて、何か性別を超越した美しさを感じた。そして、自分でも驚いたことに、見ているだけでなく、触ってみたいと思う気持ちが湧いてきた。

「やあ、こんな格好で失礼しますよ」
昌造は声をかけて、フンドシ姿のまま、和義の横の椅子に腰かけた。それから、浴室で直腸を洗浄しながら練っていた、作戦にとりかかった。
「お見受けしたところ、あなたはすこぶるお元気のようだ。奥さまを亡くされてだいぶ不自由しておられるでしょう」
「――?」
和義が言われた意味を考えていると、昌造は小声で言った。
「――好きです」
和義は聞き返した。
「えっ、なんですって?」
家主は和義の顔をまっすぐに見ていた。そして思いもしないことを言った。
「あなたが好きです。奥さまにしていたように――私を可愛がってください」
和義は戸惑った。先ほどスケッチ画を見て、家主の性癖には気づいていた。
しかし、こうもあからさまに迫ってくるとは、予想外だった。
で、とりあえず、ごく普通のことを言った。
「でも――私は男ですよ」
「男と男が愛し合ったら駄目、という法はありません。――さあ、こちらに」
昌造は、和義を立ち上がらせて、腰に腕を回し、有無を言わさず横のベッドに連れて行った。

反応する間もなかった。和義は導かれるまま従順に、ベッドの端に腰掛けた。
家主がすかさず足の間に跪いて、和義の浴衣の前合わせを開き、両の太ももを掴んだ。その手が太もも伝いに、付け根のほうへとずり上がる。
(えっ、えっ、なに?!)
ついでフンドシの布越しに性器を触られ、さすがに和義は抗議した。
「あっ、なにを!やめてください!」
「しっ、しいっ、じっとして――」
昌造は客の抵抗にかまわず、フンドシの隙間に手を潜り込ませると、掴んで横から引っ張り出した。
「ほほう、やめてという割には、もう大きくしているじゃないですか」
包皮のないズル剥けの亀頭が、容積を増していた。
顔を寄せて、ペロリと舐め、湿り気をくれた。ちょっとしょっぱい、親密な味。鈴口をチロチロとくすぐり、全周に舌を這わせる。――幸せ感が膨らんだ。
「ああっ!そんなこと――」
和義は、腰をずらせて逃げる仕草をしたが、もはや本音ではなかった。禁欲していただけに、ちょっとした刺激でソノ気になっていた。

昌造は、相手がソノ気になってきたのを感じて、口で吸い付いたまま手を動かした。フンドシの結び目を解き、今や明確に勃起状態のイチモツを露わにした。
それから、本格的な尺八を始めた。
まず根元のほうを舌でからめ、唇を使って、ずるりずるりと亀頭のほうに舐めあげる。それから亀頭全体に舌を被せ、口の中で転がした。ようやく口で含まれる程の大きさだった。こんな太い亀頭は初めてだった。
亀頭のエラを集中して舐めたあと、今度は根元にむかってゆっくり舐めさげる。全長を口の中に含むことなどできないので、ハーモニカのようにくわえて、横に滑らせることになる。

そこでいったん口を離して、その全容を見た。
唾液で塗れ光って怒張した、まがまがしい形状――。紫がかった茶色に染まる頭部は、先端からグンとカーブを描いて、こぶの盛り上がったカリに至る。
全体に上反りで、仁王様のような亀頭につづく竿の部分も、見ていてドキドキするような代物だった。
陰茎を形成する、陰茎海綿体と尿道海綿体が自己主張し合ってせめぎ合い、竿に沿って溝を型取っていた。それに太い血管が縦横にからみついている。
(すごい!)
昌造は心底、驚嘆していた。ごく地味な顔つきの初老男が、こんなに立派な男の道具を持っているのだ。
昌造はごくりと唾をのみ込むと、おもむろにおしゃぶり棒にとりついた。

和義は目を閉じ、顎をのけ反らせて、柔らかい口と器用な舌のもたらす快感に、すっかり嵌っていた。こんなこと、死んだ女房でさえしてくれたことがない。
湿った温もりに包まれたまま、唇と舌によって、しごかれ、吸い付かれ、抽送される。刺激を与え続けられて、下腹部に熱いものが込み上げてくる。
ぐんぐん高みへと押し上げられていく――。
(ああ、もう――)
彼の気持ちを読み取ったように、ふいに口が離れた。
目を開けると、家主が立ち上がって、自らのフンドシを解いていた。
淡い翳りを背景に、体つきに似て色白の性器が、頭をもたげかけていた。包皮の先端から、赤い坊やが顔を覗かせている。
その裸体はどこを見ても、染みもなければ傷痕もない。うっすらと脂肪に覆
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