ネット動画の記憶を辿りながら、スケッチブックに艶めいた絵を描いていた昌造は、屋根を打つ激しい雨音に気づいた。
(案の定だ。通り雨にしては、相当激しく降ってるな)
昌造はつぶやくと鉛筆を置き、腕を上げて大きく伸びをした。お茶を入れようとコンロのほうに向かったとき、ふと窓の外に人の姿を見かけた。
見知らぬ男が、水車小屋の軒下で土砂降りの雨をしのいでいる。簡易の雨具を羽織っているが、頭にかぶった野球帽やシャツ、ズボンもずぶ濡れのようだ。
小型のリュックサックを背負っているところから見ると、ハイキングの途中で雨に降られたのだろう。
年の頃は自分と同じくらいだろうか。どこにでもいそうな小父さん顔で、古風なタイプのようだ。良く日焼けして、風雪に耐え抜いたしぶとさも窺える。
そのときハッとした。男が身動きしたとき、濡れたズボンの布地が太ももにへばりついて、もっこりとした膨らみが露わになった。大きな亀頭部の形状までも、見分けられるほどだ。
俄かに昌造の好き心が騒ぎだした。
雨の降りはいくぶん弱くなってきた。もうしばらくすれば止むだろう。それにしても、下着まで雨が沁みとおって気持ちが悪かった。
(さて、どうするか)和義は思案した。着替えは持ってきていない。気持ち悪さを我慢して、このまま帰路につくしかないだろう。
そのとき向かいの家から、年配の小柄な男が傘を差してやってきた。
「雨に濡れて、だいぶお困りのようですね。よろしければ私の家で、服を乾かされたらどうですか」
男は穏やかな声で言った。
和義は一瞬躊躇したが、温厚そうな男の様子に、申し出を受けることにした。
「そうですか。ではありがたく、お言葉に甘えさせていただきます」
男の後について引き戸の中に入ると、土間があり、一段上がって、20畳ほどの黒光りする板の間があった。
全体に薄暗かった。その理由に気づいた。部屋の照明は天井灯ではなく、ぼんぼり風スタンドなどの間接照明だったからだ。そのことが部屋の中を、古風な雰囲気にしていた。
どうやらこの一部屋らしく、隅に流し台とコンロ台があり、4人掛けの食卓、すぐ横には木造のベッドが設えられていた。窓の下に書斎机があって、小さな書棚が壁に取り付けられている。
独り住まいらしく、家の主の生活習慣がひと目で分かるような部屋だった。
「川井田昌造です。むさくるしい部屋ですが、どうぞおくつろぎください」
「あ、武藤和義です。お世話になります」
ふたりは名乗りあって、さっそく昌造が、和義を土間の奥にある脱衣場に連れて行った。
狭い空間の中に、洗面台と脱衣駕籠、それに洗濯機があった。横のガラス戸の向こうは浴室のようだ。
「ここで服を脱いでください。洗濯機で水洗いして乾かします。――浴衣を出しますから、乾くまで代わりに着ていてください」
「ありがとうございます。洗濯はじぶんでやりますから、どうぞお構いなく」
「いえいえ、暇を持て余していたところですから、私がやりましょう。あなたはゆっくりシャワーを浴びてください。さあ、服を脱いで――」
そこまで言われれば和義も仕方なく、家主の前で服を脱ぎだした。ズボンを脱いだ時、越中フンドシなのを見て、家主が嬉しそうに言った。
「越中フンドシですか、これは嬉しい」
和義が怪訝な顔をすると、家主は恥ずかしそうに言葉を足した。「あ、いや、私もフンドシ派でして。お仲間なので、つい嬉しくなって――」
言ったあと、家主は探るような目つきで和義を見た。
(カマをかけたが、どうやらこちらの世界のお仲間じゃなさそうだな)
昌造は少し気落ちしたが、そんな心のうちなど微塵も見せず、濡れたズボンを拾い上げて、ポケットの中身を確かめながら言った。
「ズボンも一緒に洗いますが、大丈夫ですか?」
「ええ、構いません。本当に何から何までお世話になって――」
和義は申し訳なさそうに言って、フンドシを解いた。
(うわっ!すごい――)
現れたモノを見て、昌造は息をのんだ。
ふてぶてしいほど肉厚のイチモツだった。カリがぐんと張っている。
裸になった和義がガラス戸を開けて浴室に入ると、昌造は後から付いていった。昌造は腰をかがめてシャワーのカランを緩めながら、和義に向かって言った。
「少し待てばお湯が出てきます。それから、湯温はここで調節して――。シャンプーは自由に使ってください」
すぐ目の高さに、カリの張ったイチモツがある。説明しながらも、昌造の視線は相手の性器に注がれていた。
ぬるま湯が気持ち良かった。和義は頭からシャワーをかぶった。ついで頭髪用のシャンプーとボディーシャンプーを使い分けて、全身を洗った。
浴室を出ると、バスタオル、それにきちんと折りたたんだ浴衣やフンドシが置かれていた。これを使えということだろう。
バスタオルは清潔そうな匂いがした。家主はよ
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