表と裏



上の絵の小父さんは、何をしているのでしょう?
「もちろん、入れてくれるのを待っているんだよ」と答えた人は、その道の経験者。
「落としたコンタクトレンズを探しているんだよ」と答えた人は、その道のカマトト。
「何でもいいから、裏も見せてくれ」と答えた人は、その道でかなり飢えている人。
最後の回答の「裏も」は「後ろも」と解釈する。
何事も表と裏があり、その言葉の使われ方もさまざまだ。
「あの人は、裏表の無い人」「9回の裏、サヨナラホームラン」「うまい話には裏がある」「コイントスで表か裏か」等々、単なる表と裏の単語でも使い方によって、良いこと悪いこと、日本語は奥深い。

では我々のいる男色世界は、表裏どちらなのか?
もちろん裏、と答える人が多いだろう。「表向きの顔と、裏の顔」「人生裏街道」のように公に出せないのが裏なら、今の日本国では男色も裏世界なのだ。
でも、男色のベテランは、表も裏もうまく使いこなしている。
上の口と後ろの口を「表玄関、裏玄関」。人体の前と後ろを「表街道、裏街道」。――今日は表街道を軽く撫で撫でして、裏玄関はじっくりと舐めてやる――なんてね。
さらに続けると――裏玄関が潤ったところで、ドアをそっと押し開ける。ヌヌッ、なにやら狭い。それを無理やりこじ開けて、抵抗をものともせず奥に押し入っていく。ああ、やめて!――ハッ、私は何をしゃべっているのだろう。

ところで、四文字熟語で「表裏一体」という言葉がある。その意を辞書で調べてみると、
@ 相反する二つのものが、大もとではひとつであること。
A 二つのものの関係が、表と裏のように密接で切り離せないこと。
と微妙に違う二つの説明がある。
一番目の意をもっと分かりやすく表現すると、「愛と憎しみは表裏一体」である。つまり、愛爺の浮気が発覚して、「死ぬほど愛してる」から一転して「手前なんか死んじまえ!」になること。
もっと複雑なのは「愛してるからこそ、いじめたい」(これってSM?)などのケース。
二番目の意はもっと分かりやすい。まさに、タチとウケの関係である。
えっ、何でだって?またまた――あなたはその道の、カ・マ・ト・ト。

以上、表裏の日本語講座でした。
21/04/29 06:07更新 / 神亀


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