(二)
新之輔は堀昌之と二人きりで、碧雲亭二階の部屋にいた。秋明の着物を身につけた堀は、湯に入ったこともあって、見た目すっきりとしていた。しかし身に受けた辱めは、深く心を傷つけているようだった。
保科肥後守と瓜二つと言っていいほどよく似た堀を前にして、新之輔は妙な気分だった。かつては肥後守と、情を交わしたことがあるからだ。
新之輔は堀の話を聞く前に、まず自分のことを話した。
「拙者は元海滑藩藩士、風間新之輔でござる」
堀はハッとした顔をした。
「堀どのは拙者のことをご存じか」
「貴殿が首藤宗顕さまを弑して脱藩したことや、後日無罪だとされて、お構いなしになったことを聞きました。それから――」
堀は眩しそうに新之輔の顔を見た。「先々代の藩主、首藤宗定さまの落し胤であることも聞きました」
「拙者が首藤宗定さまの落し胤である、と誰が申しましたか」
「保科正之さまが――それに、海滑藩の何人かも、そのことを存じているようです」
(まずいな)新之輔は思ったが、今度は堀の話を聞くことにした。
「堀どのを襲った男たちに、心当たりはありませぬか」
男たちに受けた屈辱を思い出したのか、堀は顔をしかめた。
「全く見知らぬ男たちです。なぜ襲われたのかも分からない」
「ふむ、捕らえた男たちは番屋に入れていますが、これは町方の動く範囲ではない。幕府の目付に、届けなければならないでしょう」
「お待ちください!」
堀は声を上げた。「海滑藩の恥になります。それだけはやめて――」
そこで立ち上がって、床の間に置いた脇差に手を伸ばした。
「待たれよ!何をする」
新之輔は堀の手を押さえた。
「こんな辱めを受けて、おめおめと生きていけぬ。死なせてください」
老人は悲しいほど武士の体面を保つことに、汲々としている。
新之輔は問うた。
「それは本心から言っているのか」
「さよう――」
「たわけっ!」
新之輔の手が動き、堀の頬が鳴った。
凛とした声で、新之輔は言った。
「貴公が辱めを受けたという事は、海滑藩に対する陰謀があるからだ。お家の大事な時に自ら命を絶って逃れるのかっ!そんなことで殿の側用人が務まるかっ!」
新之輔は堀の襟をつかみ、衣類を引き剥いでいった。「そんなに恥と思うのなら、おれがもっと辱めてやる」
堀昌之は無抵抗に褥へと引きずり込まれ、裸に剥かれた。ついで、両手両膝をつき、尻を突き出した格好にされた。
新之輔は着物を脱いで、下帯を解いた。筋肉が浮き出て締まった肉体、そして股間では張り形のようなマラが禍々しく屹立していた。
「ひっ!」
菊座に灼熱の先端が触れるのを感じ、堀は息をすくませた。
敏感な肉襞の中心部を、ヘノコの先端からあふれ出す淫水が、ヌメヌメとなぞりだす。
皺を集めて絞られた肉襞が、淫水でなめらかにこねられて、淫らに弛みだす。
その動きに、突きが加わった。
「あ――ああっ!」
新之輔が腰を進め、マラの先端に押し込まれて、菊の華がじんわりと開いていく。
容赦なく、硬い男の茎が、奥へと入っていった。関門を通り抜けたとたん、強い締め付けが待っていた。
「むっ!」
新之輔は呻き声を洩らした。
堀の内部は、蠕動する生き物となって、引きずり込むような動きをしだした。腰を進めると、内部が押し戻そうと抵抗し、退けば放すまいと肉襞がからみついてくる。
本人の意思に関係なく、勝手に身体が反応しているようだ。
新之輔は気を取り直して、折檻するように腰を打ちつけた。
「ああっ――もう」
苦痛と快楽の狭間で、堀は翻弄され、意識が遠のいていった。
翌朝、堀昌之は身繕いを整えると、新之輔に挨拶した。
「昨夜は見苦しいところをお見せしました。それに助けていただいた風間どのに、お礼も申していません。大変失礼いたしました」
堀は、畳に平伏したまま続けた。「昨夜、風間どのに叱咤されたこと、骨身に染みて分かり申した。自分の小さな屈辱より、お家が大事です。これからは、裏に隠された陰謀を付きとめて参ろうと存じます」
新之輔はあえて冷淡に言った。
「貴殿の気持ちは分かった。しかし軽率に動くのも、どうかと思う。しばらくここにとどまるがよかろう」
「しかし、警固の者たちが斬られ、拙者も行方不明となると、藩が心配します」
「死者のことは、町方のほうで海滑藩に届けるようにした。昨夜、拙者と一緒にいたのは岡っ引きの親分だ。それに貴殿が行方をくらませておれば、敵方も馬脚を露わすやも知れん」
新之輔の脳裏には、謎の剣士の姿が焼き付いていた。あの男が、三人の家士たちを斬ったのであろう。凄まじい切り口だった。男が、人を斬ることに迷いがないのを感じた。
それに新之輔が、新陰流か、と問うたとき、男は否定しなかった。徳川家指南の剣法を使う男が、なぜ――。
――*――
保科正之は、柴田藤兵衛や小柴秋明、それに小
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