「まあ、いやらしい」
日曜日、縁側から妻の声が聞こえてきた。
何事かと行ってみると、義父が日向ぼっこをしながら耽(ふけ)っている。
白い褌を外して露出した肉太の逸物。それを義父は、気持ちよさそうにしごいているのだ。
いくら実の娘だと言っても、状況が状況だけに妻からはどうしようもない。そこで私を振り返って、お願いというように目で訴える。
私はおずおずと義父に近づいて、声を掛ける。「お父さん」
義父は「ああ?」と言うように私を見上げる。手は相変わらず上下している。
どうやったら義父の行為を止められるのか。口で言っても理解しないだろう。また強引に義父の手をのけようとしても、騒ぎ立てるだろう。で、仕方なしに義父の身体を引き上げて、彼の部屋に連れていくことにした。
義父は、立ち上がらせるとき少し身もだえしたが、あとは素直に歩き出した。
それを見て、妻は安心して台所作業に戻っていった。
義父を部屋に連れていくと、ベッドの縁に腰掛けさせた。義父はなおも、自分の性器を弄っている。
私は義父の前にかがみこんで、声を掛けた。
「お父さん、気持ちいいですか?」
「ああ――気持ちいい」
珍しくまともな返事が返ってきた。
70歳の老いた持ち物だが、張りのある艶やかな男根だ。指の動きによって見え隠れする亀頭は、赤く染まって、テラテラと輝いている。微かに恥垢の匂いがした。秘密めいた、懐かしい匂いだ。
これ以上いると、妻が不審に思いかねない。私は立ち上がって、自慰をつづける義父を残して部屋を出た。
義父は、義母が死んだ60代の半ば頃から、おかしくなった。最愛の妻を亡くしたショックが大きかったのだろう。いつも手をつないで歩いていた、義父と義母の姿が思い出される。
認知症になるには早い年齢だが、症状は年々ひどくなり、今や正常な判断が出来なくなっている。特に義母を思い出してなのか、自分の性器を弄ることが多くなった。それも人前構わずだ。
家には20歳の娘がいる。今のところ娘がいるところで、義父の痴態は起こっていないが、この先、いつ娘がお爺ちゃんの卑猥な姿を目にするか分からない。
妻はそのことを一番心配していた。
一体、義父の自慰行為をどうやったら直せるか。私と妻はいつもそのことで議論した。
70歳と言っても、身体は健康体だ。義父だって精子の放出欲は、まだまだ続くだろう。それにペットでもあるまいし、玉を取り除くわけにもいかない。
そこで私は、かねてから考えていた奇策を、妻に提案した。私が定期的に義父の部屋に行って、義父の射精を促すのだ。
「お父さんの年齢からみて、月に一回でいいと思うんだ。そうすれば、部屋の外で自慰をするなんてことがなくなるよ」
「でもあなた、どうやって――」
妻はあとの言葉を飲み込んだ。彼女が言いたいのはよく分かる。どうやって義父に射精させるのかを聞きたかったのだ。それで私は言った。
「おれだって男だ。どうやれば射精するのかなんて、考えなくても分かるよ」
そこで肝心なことを付け加えた。「だけど、部屋を覗くのだけはやめておくれ。男同士が、へんなことをしてる姿を見られるなんて、考えただけでぞっとする」
「いやだ!頼まれたって覗かないわよ」
妻の言葉に、私は内心にんまりした。
実のところ、私は義父に対してホの字である。義父は穏やかな童顔で、男の甘い色気がある。ロマンスグレーの頭髪も魅力的だ。それに中肉中背、すこし太目の体型とぽっちゃりとしたお尻――。
義父の姿はいつ見ても、私の生殖細胞を刺激する。
そして今や、義父の部屋に行って二人きりで閉じこもっていても、妻に妙な目で見られない。しかも義父は、私が嫌らしいことをやっても認知しないだろう。まさに私にとって、『災い転じて福』である。
その夜、義父を風呂に入れたあと、私は彼の寝室を訪れた。
義父をベッドの縁に腰掛けさせ、私も並んで腰を落とした。
「お父さん、ここの調子はどうですか」
話しかけながら浴衣の前を開け、褌のふくらみをまさぐった。
義父は声を出さず、私のなすままにしている。
白い布地のふくらみを軽く揉むようにしていると、少し芯が入ってきたように感じる。そこで褌の前垂れを外して、性器を露出させた。渋茶色をした亀頭が少し赤く色づいている。昔これがいきり立って、義母のアソコに湯気を立てて出没していたかと思うと、淫らな想念が湧いてくる。
指を使いながら義父の顔を注意深く見守っていると、無表情だった顔がわずかに気持ちよさそうな表情に変わっていた。
そこで私は声を掛けた。
「お父さん、横になってください。そのほうが楽ですから」
私は義父の身体を仰向けに、ベッドの上に横たわらせた。
私はベッドに上がり込んで、ひと言断った。
「咥えますよ」
もとより義父の返事は期待していなかった。
顔を寄せると、微かに親
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