翌朝、仕事に出かけるため身繕いをしていると、義父が部屋に入ってきた。手にはデジタルカメラを持っている。
「記念に、お前のすてきな裸を撮らせておくれ。お前が東京に戻っても、寂しくならないために――」
ぼくは身に着けたばかりの服を脱いで、義父の指示するとおりのポーズをとった。
ぼくも義父の記念写真が欲しかったが、どうせ今晩戻ってくるんだと思って、言いそびれた。
家を出るとき、義父がハグをしてくれた。
「昌輔、今夜も泊まってくれ」
「ええ――」
一晩過ごして、義父はすっかりぼくを、実の息子のように扱っていた。そしてもはや、二人の間で秘密にするものは何もない。
ぼくたちはひしと抱き合って、濃密な口づけをした。
そしてもちろん、仕事が終わると、ぼくは義父の家にまっすぐ戻った。あのめくるめく夜の再現に、胸躍らせて――。
ところが家に着くと、思いがけない人物が、義父の横にいた。
部長!
驚くぼくに対して、義父は部長の腰に腕を回して言った。
「お前に言ってなかったかな。わたしたちは同じ村の出身でね。小中学校は10年離れた同窓生だ。一昨年、創立70周年記念の中学同窓会で意気投合して以来のつきあいだ」
72歳と62歳――二人の様子を見ていると、単なる同窓生の関係だけではなさそうだ。二人の間には、いかにも親密そうな雰囲気がただよっている。
ぼくの心は千々に乱れた。念願かなって情を交わした義父の家で、もうひとりの意中の人に出会うとは。その上、その人が義父と親密な仲だとは。
年配者ふたりは、ぼくのほうを面白そうに見ていた。
部長が口を開いた。
「たまたま先輩の家に立ち寄ってね。そうしたらきみがお世話になっていると聞いて、びっくりしていたところだ」
そこで部長はウインクして、思いがけないことを言った。「さっき、きみのすてきな写真を見せてもらった――今夜はわたしも仲間に入れてくれ。きっと楽しい夜になるぞ」
おしまい
(あとがき)
ハイ、ウケの立場になって本作を楽しんでいただけたでしょうか。
身体は小さいが、きりっとして一本筋が通った年配の男性って、たまに見かけることがあるでしょう?
以前の私なら、こういったお年寄りを裸に剥いて、その可愛らしいお尻を賞味することを考えたでしょうが、今は違います。
そのお年寄りの元気な男根を口で味わったり、状況が許せば――お尻で咥えてみたりする気分になります。
ま、人それぞれ。男色の世界は森羅万象、さまざまな好みがあるものです。作者
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