(2)

「これでおしまい。主任、チンポがおっ立ったでしょう」
ビデオが終わると、ノッポの男が振り返って老人に言った。興奮から声がくぐもっている。
小太りの男は黙っていたが、興味深そうに老人を見ていた。
男たちの視線が自分に向けられているのを意識して、老人は顔を赤らめた。
そんな老人のほうを見て、ノッポの男が小太りの男に目配せした。
「このままじゃあ不完全燃焼だな。穴があったら突っ込みたい気分だよ」
言いながらノッポの男は、老人のほうを真っ直ぐに見た。「年をとってくると尻の穴が弛んできて、ちょうどいい締まり具合になるらしいよ。ねえ、主任」
老人は身じろぎした。男の顔は、冗談を言っているとも思えなかった。目つきが熱っぽく真剣みをおびている。老人は、密室で男たちといることを意識した。

老人の見ている前で、ノッポの男がゆっくりと立ちあがった。ズボンの前が大きく膨らんでいる。
「主任、お尻を貸してください。ビデオのように、気持ちいいことをやりましょうや」
ノッポの男の言葉に、老人はあわてて立ち上がろうとした。
しかし、男の動きのほうが早かった。ノッポは老人にとびかかり、その肥った身体をベッドの上に押し倒した。
「やめて!悪い冗談はやめてくれ!」
老人は手足をばたつかせて、叫んだ。
「いいじゃないですか、減るもんじゃないし。ちょっと楽しみましょうよ」
ノッポの男が息をあらげ、老人のベルトを弛めながら言った。
その間、小太りの男は茫然として眺めているだけだった。

老人はなすすべもなく、裸にひんむかれた。
柔らかい体の感触が、男の興奮をますます高めた。ノッポは老人を押さえつけ、身悶えする太った体を鑑賞した。
大きく起伏する白い腹、灰色の陰毛で覆われた恥丘、ボリュームたっぷりの性器や体毛のないぽってりとした太もも――。
「きれいだ。しゃぶりつきたいくらい」
ノッポの男が、興奮からくぐもった声で言った。
「やわらかいけど、でっかいチンポ」
手を伸ばして、老人の男根をつかんだ。
老人が息をつめ、喘いだ。怒りに顔が赤らんでいる。
ノッポが手にしたものを、ゆっくりとしごいた。それはグンニャリとして、いっこうに硬くなる気配がない。

「さあて、そろそろ、爺ちゃんの味見をするか」
ノッポが言って、抵抗する老人の体を強引にひっくり返して、押さえつけた。
男は手回し良く、ズボンのポケットからオイルの容器を取り出すと、秘めやかな谷間に中身を塗りつけだした。指先が狭間に息づく軟らかいつぼみに触れ、老人がひるんで腰を引いた。
ノッポの男は、押し黙って作業を続けた。

小太りの男は、老人が可哀そうになって、相棒の乱暴を止めようと思った。老人は、彼が中学校時代に大好きだった、校長先生に似ていた。
しかし、思っただけで実行に移せなかった。
小太りの男が固唾をのんで見守る中、相棒の指がぽってりしたしわの集合体を押し開き、吸いつくようなぬめりをもつ括約筋をひろげながら、内部にもぐりこんでいく――。
老人がすすり泣くような声を上げた。
ノッポの指がツルリツルリと抽送していると、開口部がやわらかく弛んできた。

現実のこととは思えなかった。あれほど真面目そうに見えた男が、ケダモノに豹変したのだ。
それでも老人は、熟年男の良識を信じたかった。あのビデオがいけないのだ。
50代といっても、まだまだ性欲は旺盛だ。ビデオに刺激されて興奮し、前後の見境がつかなくなったのだ。
老人は身体を押さえつけられたまま、男の気を鎮めようとして、つとめて穏やかに話しかけた。
「きみ、このへんで冗談はよしてくれ。私はそんな趣味はないんだよ」
ノッポがせせら笑った。
「主任、食わず嫌いはだめですよ。いちど味わえば、病み付きになりますよ」
衣擦れの音がした。
老人が首を捻じ曲げて見ると、男がズボンとパンツを下ろしていた。
すでに勃起させている。先端部が奇妙な角度にねじれて、まるで釜首を持ち上げた蛇のようだ。

老人の背後に、男の体がのしかかってきた。生きた心地がしなかった。男の筋肉の震えが、腰や尻にじかに伝わってくる。
しかし、なによりも老人を縮み上がらせたのは、尻の狭間に押しつけられたもの、熱を帯びて固くなった陰茎の感触だった。
老人は悲鳴を上げた。
「よしてくれ!だめだ、それだけはやめてくれ!」
やめなかった。熱くて硬いものが、菊座にあてがわれた。
老人は恐怖の悲鳴を上げた。
「よせ!わたしは――そんな――」
老人は喘ぎ、尻を振って逃れようとした。すかさず手が伸びて、肩と腕を押さえつけられた。
老人の抵抗は短かった。尻が高く引きあげられた。
怒りと屈辱にもうろうとした老人は、男の手が自分の尻を左右に開き、身体を押しつけてくるのを感じた。

熱い何かを感じた途端、鋭い痛みが裏門を襲った。
「はあっ!い、痛い
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