その1 轟先生の場合
元大学教授の轟先生は、優雅な独身生活を送っています。
自宅の書斎で好きなブランデーを味わいながら好きな本を読む――誰にも束縛されない至福のひとときです。
先生は家庭を持つことの煩わしさを嫌い、生涯独身を押し通すつもりです。
べつに性的欠陥があるわけではありません。いやむしろ、先生の裸を見れば、思わず目が点になるような、立派なオスのお道具をもっているのです。
そんな轟先生も、古希を目前にして、すこし人恋しさを覚えていました。毎日の家事も煩わしくなっています。
そこで、家事手伝いを雇うことにしたのです。
やって来たのは玄さんと名乗る70歳の老人でした。背は轟先生より10センチほど低く、悪戯っ子のように輝く目をしています。
先生は一目でこのひとつ年上の使用人が気に入りましたが、実はこのじいさん、可愛らしい見た目に反して、独り住まいの熟年男性を堕落させる、とても悪い人だったのです。
しばらくは、熟年男性ふたりの穏やかな生活が続いていました。
ある晩、風呂上がりの轟先生に対して、玄さんは「マッサージをしてさしあげましょう」と申し出ます。
先生は、越中ふんどしに浴衣姿で、ベッドに横たわります。
玄さんは慣れた手つきで、先生の肩から腰、お尻へとマッサージを始めました。
老人にしては力強く、そして心地よいマッサージのリズムに、いつしか先生はウトウトしていました。
ふと何か、血の沸き立つような思いに、目を覚ました先生は仰天します。なんと玄さんが先生の太い肉根を咥えているのです。
「あっ、玄さん、何をするのっ!」
「フフ、いいじゃないですか。老いの慰めですよ」
チュブッ、ズルル、ズグッ――んぐんぐ――ズルルンッ。
「あ、ひっ!ダメ――ああぁ――いいいいぃ」
これが堕落に通じるいけないことだとは分かっているのです。でも、すっかり男色の味を覚えた轟先生は、もはや歯止めが効きません。そのまま玄さんの淫らな行為を、従順に受け入れています。
股を広げるだけ広げさせられ、先生の恥ずかしい部分は、すっかり玄さんの目の前にさらけ出されています。
「ほほう、きれいなピンク色をして。先生、おぼこ娘のような菊の門ですね。どれどれ――」
サワッ、ヌリヌリ――。
「ああっ!いやっ、恥ずかしい――あっ!そこ駄目っ!」
ヌプヌプ、ヌンッ!ズヌヌヌ――ズニューッ。
「ひっ、指なんか入れて――ああ、駄目っ――ああ、もう」
玄さんのいやらしい指使いに、先生はすっかり翻弄されていました。そのうち妙な気分になってきて、いつしか自ら尻をうねらせています。
玄さんの声が意識の遠くから聞こえてきます。
「ふむ、充分ほぐれたようだな。じゃあ先生、嵌めますよ」
「えっ、何を嵌めるの?」
先生が疑問に思う間もなく、なにか温かいものが秘門にあてがわれ、傍若無人にズググッと入ってきます。
「ひっ!んにゃあーっ!」
体の中心部に男の太い芯を通された轟先生は、その感触が忘れられません。
女が男を受け入れるのは、こんな感じなのかなあ?なんて考えていると、よけいにお尻が疼いてくるのです。
そんな先生を、玄さんは、70歳とは思えない逞しい性棒で、調教していきます。ときにほかのお仲間を呼んで、ふたりがかりで先生の身体を責め立てることもあります。
「そこでククッと締めつけてごらん。あっ、いい――。よしっ、こんどは奥の方を広げるよ」
「あふっ、そんなこと――ひっ、ひいいーっ!」
外ではしとしとと梅雨の雨が降り続いています。庭のアジサイが、色鮮やかに息づいています。
閑静な住宅地の中、轟先生の家では落花狼藉が繰り返されているのです。
可愛らしい顔と憎たらしいほど上手な愛の手管――玄さんの熟練の性技に、先生はまさに、触れなば落ちんの状態です。
そして可哀そうにも轟先生は、もう男無しでは生きていけない身体にされていました。
このお話はここでおしまいです。
えっ、憎たらしい玄じいさんを懲らしめるシーンは無いのかって。
世の中、そんなに甘くはありません。悪がはびこっているのです。
おそらく玄じいさんは、その後も寂しい熟年男性たちを毒牙にかけて、淫らな男色道に落とし続けていくことでありましょう。
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