性転換



男か、女か――ヒトの性は、卵子が受精した瞬間に決まる。
射精時に、X精子とY精子が競争して、オールXの卵子に突入する。そこで文字通り、雌雄を決するのだ。遺伝子の性染色体が、XY型であれば男、XX型であれば女である。
問題は男のXY型である。通常、遺伝子は、女のXX型のように対を成していて、いっぽうに情報の劣化があっても、それを補うように出来ている。ところが男のY染色体は対を成さない。
従って、父親から息子に、劣化コピーされ続けていく恐れがある。
深刻に考えれば、遠い将来、ヒトは種として存続できなくなるのではないか、と言われている。
もともとY染色体は、X染色体が退化して出来たというのが、現在の定説。つまり元は女ありきだったのである。(こんなことを言えば、神は最初に男を創り給う、と言うキリスト教信者に猛反対されそうだが)
精子が卵子と結合して性別が決まると述べたが、胎児発生の途中までは、男女の区別は無い。それまでの形状は、すべて女ということらしい。
つまり、まずは女の体を形作っていき、男の遺伝子情報(Y染色体)があったら、途中で軌道修正して男の体を作り始める。

ここから先は、私の独断的見解である。
Xは女の要因染色体、そしてYは男の要因染色体、と考えるとXY型である男は、もともと女の要素も持っているということである。
(これは今回のタイトル『性転換』の伏線ともなっている)
そしてまた、ヒトの絶滅を防ぐには、一夫一婦制ではなく、女王蜂のような多夫一婦制、あるいはサル社会のような一夫多婦制が必要ではないか。そうやって、健全なY染色体を絶えず補給していく必要があるのでは――。

優秀なY染色体を持った人は、幸せである。当然、オトコの機能も優秀であろうから。
こんこんと湧き出る泉の如き、旺盛な精力でもって女に嵌めまくり(失礼!下品な表現でした)、幾多の女体に揉まれて、もともと立派だったナニに、益々磨きがかかる。
やがて、50歳を過ぎた頃から女にも飽きて、男に走る。
この頃には、剛速球に変化球を交え、ハードタッチからソフトタッチまで、身に付いたセックスのテクニックは変幻自在。男色の世界に於いても、あまたのウケを善がり狂わせること幾星霜――。
やがて70の峠に差しかかる。
さすがの精力も減退し、鍛え抜かれた自慢のナニも、観賞用の役割でしか無い。この上なおセックスを楽しむためには、攻守処を変える必要に迫られる。

そして、一大決心したフケは、古希の齢で新たな世界に入っていく。
――この世界もいい!
男に組み伏せられ、自分が失った逞しさに翻弄されながら、フケは受身の悦びを覚えていく――。

ここでようやく、性転換の話である。
性転換手術で女になった男のことではない。ここで言うのは、自然発生の性転換のことである。
自然発生の性転換とは、動物個体の性が、発生あるいは生育の途上で逆転することである。ベラなどの魚類では、性転換が通常の生理的過程である――と百科事典には書かれている。
ここでまた、私の独断的解釈。
「性転換はXY型の遺伝子を持つ、ヒトのオスにも起こりうる」ということ。
すなわち、加齢要因による性転換である。
これは男因子と女因子の両方の染色体を持つ、男性だけが可能なこと。齢を取るに連れ、男性ホルモンの衰退に対して、個体保持能力の高い女性ホルモンは、なお健在だ。こうなると力を失った凸機能を捨てて、凹機能に目覚めるのは自然の摂理であろう。
かくして男のフケは、女への道に転換していくのである。
以上、一見アカデミック風、超強引なお話でした。
18/09/10 07:41更新 / 神亀


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