次の日から和之は、顧客のところに、植田支店長を連れていくことにした。彼を一人にしておくと、また悪い考えに取りつかれそうだったからだ。
植田支店長は、いつもの飄々とした態度を取り戻して、客先での会話も持ち味を発揮しだした。
そんな支店長に、和之はますます思慕の念を深めていった。肉体の交わりはなかったが、支店長がそばにいて、その体温と息遣いを感じているだけで、幸せな気分になれた。
夜、社宅の寝室でベッドに入ったとき、階下にいる支店長のことを想った。
(支店長は今頃、パジャマを着て、一人寂しく寝ているのだろうな)
和之は、よほど下に降りて行って、強引に老人の体を奪うという、劣情に囚われることもあった。近頃その想いは、ますます強くなっていた。
そして心なしか、支店長の態度もどことなく、和之に愛情を覚えているように感じた。
いっぽうで、客先に向かう社用車に乗っているとき、支店長は大内運転手と親しく会話をしながら、和之と大内の関係を疑っているように思えた。しかも、和之が懇ろになっている鳥居や川勝のところに表敬訪問した際も、支店長の目つきが気になった。飄々と受け答えしながらも、彼らと和之の関係を探っているような様子なのだ。
そんな植田支店長の微妙な変化を、和之は自分の意識過剰だと片付けていた。
10月の後半ごろから、建設工事の仕事が取れだした。これまでの努力が一気に報われたかのようだった。
川勝や鳥居の会社から注文があり、彼らの紹介先の企業からも、大小取り混ぜて、仕事が舞い込むようになった。
当然のことに、支店全員が大忙しだった。急きょ、本社からも応援部隊がやってきた。
そして、あっという間に年が明け、3月に入った。
仕事も順調に推移しているある日、大野常務が視察で仙台にやってきた。
支店が仕事の活気であふれているだけに、常務は至極機嫌が良かった。彼は植田支店長や社員たちの話にうなずき、建設現場に出向いては、工事担当者たちの労をねぎらった。
その夜おそく、吉田和之は、大野常務の宿泊するホテルの部屋を訪れた。風呂上りの常務は、浴衣姿で和之を出迎えた。一年前より少し太ったようだ。父性愛に満ちた温顔を久しぶりに見て、和之は熱いものがジンとこみ上げてくるのを覚えた。
二人は仲良く並んでベッドの縁に腰掛け、ワインを飲んだ。
「きみの活躍に乾杯」
常務がグラスを掲げた。
「ありがとうございます。それにしても、常務は、相変わらずお元気そうですね」
「ああ、体調はいいが、体の一部だけは元気じゃない。もう満足に立たんのだ」
常務は、自分の下腹部を物悲しそうに見たあと、和之の股間に手をのばした。
「きみのほうは、お世辞抜きに絶好調って感じだな」
「ええ、スポーツジムで水泳をつづけていますからね」
「それは感心だ」
常務はグラスをテーブルに置くと、和之のズボンの前を開いた。
「それにしても、一年足らずでたいしたものだ。東北支店の成約件数の伸びは、取締役会でも話題になっている」
「ずっと種まきをやってきましたからね。やっと芽が出てきたというところでしょう」
「きみはずいぶん大勢の年寄りに、種つけをやってきたんだろうな。これを使って――」
大野は、すでに固くなった和之の男根を、ブリーフの隙間から露出させた。
「いいえ、滅相もない。私は常務以外の男性とは――ああっ!」
亀頭が湿った温かいものに包まれて、和之は快感に喘いだ。
常務は抜群に尺八がうまかった。
最初は根元のほうに舌を絡ませて、ふくよかな唇でじんわりと亀頭に向けて舐めあげる。それから亀頭全体に舌をかぶせ、チュウチュウと吸いつき、鈴口からくびれにかけて、ねっとりと集中して舐めまわす。ついで喉の奥深く吸い込む。
ピチャ、チュプ、グチュウ――ンググ――。
和之は、たちまち深い快楽の渦に呑み込まれた。
しばらく大野常務の口淫を楽しんだあと、ふたりは裸になると、ベッドの上で本格的な行為を開始した。
和之は、うつ伏せになった常務の体に覆い被さり、深々と突き刺したまま、ゆったりと腰をうねらせた。
グニュ、ヌチャ、ニチャ、ブニュウ――。
「ああ――いい気持だ。ところで吉田くん、来月から九州の福岡に行ってもらうぞ」
大野常務が、さりげなく言った。
和之は、大野の癖をじゅうぶん知っていた。常務がさりげなく言うときは、相手に難しいことをやらせようとする前触れだ。
一年ほど前、和之が仙台に来る時もそうだった。しかし彼は、そんなことをおくびにも出さずに、腰をうねらせながら重役に聞いた。
「福岡ですか。ずいぶん急なお話ですね。なにかあったのですか」
「なあに、成績不振で黒田くんが困っているんだ。東北のほうは一段落ついたようだし、今度は九州支店を助けてやってくれ」
「――」
東京に戻る話ではなくて、和之はムッとしていた。
和之は
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