(三)

マンションに戻ると、すぐ風呂を用意して、久しぶりに義父の体を洗ってやりました。
陰部を洗い、直腸も洗浄してやって、義父はすっかり清潔になりました。
私は帰国したばかりで、疲労と時差ぼけでぼんやりとしていましたが、股間の逸物は疲れ知らずの元気の良さで、勃起していました。
そのとき、これまで何の反応も見せなかった義父が、私の隆起した逸物を握ったのです。しかもなお驚いたことに、義父は顔を近づけて、手にした男根を舐め始めました。
一体、私の旅行中に、義父の心の中でどんな変化が起こったのでしょうか?
義父はたどたどしい舌使いで、尺八を続けます。ときどき歯が当たって、ヒヤリとさせられますが、私はすっかり興奮してしまいました。
しかし今は10月初旬、裸のままでは義父が風邪をひきそうです。
義父の行為を中断させて、体を拭いてやり、下着と浴衣を着せました。私のほうは、素肌にタオル地のバスローブのみ。お楽しみはこれからです。

リビングのソファーに落ち着くと、義父の横に座って抱き寄せ、口付けをしました。今度は最初から舌を絡ませ、お互いの唾液を味わいます。
義父の暖かい体を抱いて、ふたりきりの安心感にひたっているのは、何とも表現しようのない至福のひとときです。
バスローブの前がはだけて、隆起した私の逸物が頭をのぞかせています。さっそく義父が掴んで、確かめるようにゆっくりと手を動かしていましたが、そのうち覆いかぶさって尺八を始めます。
全長を行き来する湿った温もり――旅の疲れも吹っ飛ぶようでした。義父の拙い口淫に、私は辛抱強く教えてあげました。
「できるだけ歯を当てないように――そう、舌の表と裏側を使って。今度は奥まで呑み込んで――」
しばらくおしゃぶりをした後、義父は顎が疲れたのか、ようやく私の股間から顔を離しました。

義父が、私の逸物を柔らかく扱きながら、言いました。
「これを、あの男の尻に入れたのか?」
「えっ、何ですって?」
私はびっくりして、義父に訊き返しました。
「だから、一緒に旅行に行った男だ。あの男の尻に、チンポを入れたのか」
惚けていると思っていた義父の、思いがけない勘の鋭さです。私は内心、動揺しましたが、何食わぬ顔で訊き返しました。
「お父さん――何でそんなことを訊くのです?」
「隠さんでもいい。あの男の尻は女のようだった。陰間の尻だ」
「陰間って――お父さんは、古い言葉を知っているんですね」
「ああ、江戸風俗の本で読んだことがある」
そう言えば義父の書斎を掃除していたとき、本棚の分厚い書籍の中に、江戸風俗や浮世絵の本が数冊あったのを思い出しました。浮世絵のタイトルに興味を惹かれて本をめくってみると、ウタマロで有名な春画が極彩色で載っていました。
しかし、説明文は真面目な学術用語で記述されていたので、その時はとくに気にもかけませんでした。
「陰間って、江戸時代に男色を売っていた、少年のことでしょう?」
私の問いに、義父は学者のような口調で説明を始めました。
「ああ。もともと陰間っていうのは、陰の間――つまり、まだ歌舞伎の舞台に出られない修業中の少年役者を言ったのだ。その彼らが旦那衆に春を売っていたので、陰間と呼ぶようになった」
義父は、なお続けます。「もっとも、江戸時代の性風俗はおおらかだったから、男色も特殊なものではない。むしろ旦那衆の間では、女色と男色の両方を知っていなければ、色道を極めたとは言えないとされていたんだ」
いかにも秀才らしい、正確な説明でした。
義父の話を聞いていて、私は一瞬、義父の認知症は既に治っているのではないか、と思ったほどです。

「お父さんは――すごく物知りですね」
「なあに、書いていたことの受け売りだ」
義父は照れたように言って、最初の質問を繰り返します。「あの男の尻にチンポを入れたのか?」
すでに義父と男色もどきの行為をやっていて、嘘をついても仕方が無いので、私は正直に答えました。
「ええ、入れましたよ――相手の希望で」
義父は驚きもしないで、半勃起状態の逸物をまさぐりながらつぶやきました。
「やはりそうか。しかし、こんな太いものがよく入るな」
「肛門は、見た目以上に柔軟性があるものですよ」
「でも、こんな太いのを受け入れるのじゃ、痛そうだ」
「それは――初めての時は、痛がる人もいますけど――。慣れてくれば、女が感じる以上に、気持ちが良くなるそうですよ」
そこで私は、義父の興味を惹こうとして、作り話をしました。
「センちゃんは、チンポをお尻に入れてもらうのは、前立腺肥大症の治療にもなる、と言っていました。彼は頻尿ですが、チンポを入れてもらって前立腺を刺激することで、おしっこに行く回数も改善されるって」
義父の症状に共通する話題でしたが、義父は何とも反応しません。
その頃から私は、時差の疲れが出たの
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