第3話 気の弱い男

どこの世界にも、バカ息子のために楽隠居できない父親がいるものです。
太田泰平も、そんな父親のひとりでした。
彼はすでに70歳。身長180センチ体重100キロの堂々たる肉体をして、男のお道具も特大の部類に入るものを持っていました。そんな恵まれた体格をしていながら、彼は気の弱い男でした。

「さ、3百万円!」
泰平は驚きの声を上げて、息子の顔をまじまじと見つめました。
個人タクシーの仕事を終えて、夜中の12時に、息子と二人暮らしのアパートに帰りついた時でした。
殴られて顔中痣だらけの息子が、ぼそぼそと話し出したのです。
「しかし、定職のないお前が、なんで金を借りれたんだ?」
泰平は気を取り直して、息子に聞きました。
健一は気弱そうにうつむくだけ。そしてぼそっと言います。
「だから、闇金で――」
「闇金だと!」
泰平は大声を上げました。「闇金には手を出すなと、あれほど言っただろうが!」
健一が口に人差し指をあてて、シーっと遮ります。
構わず泰平は続けました。ここは親の威厳を示す時です。
「あいつらは吸血鬼だ。人の血を吸い尽くす吸血鬼だぞ」
「あ、父さん――」
「何だ!私の所に連れてこい。私が話をつけてやる」
「あのう――父さん――来てるんだけど」
「何が来てるって?」
そこで泰平は、部屋のソファーにごつい体格の男が二人、座っていることに気づきました。

スーツを着た中年のほうが立ち上がって、のっそりと近付いてきます。
「誰が吸血鬼だって?」
「あ、ぼくが言ったのじゃないです――」
健一の人差し指は、しっかりと父親のほうに向いています。
中年男がおもむろに向き直り、泰平は思わず後退りしました。
「何かおれに話があるんだって?」
「あ――特にないです」
先ほどの威勢もどこへやら、泰平は気弱げに口ごもりました。
「あ、そう」
中年男はあっさりと頷きました。カミソリのような鋭い目付きに、ごつい顎――まるで戦闘兵器向けの顔でした。
「じゃあ、連帯責任ってことで、あんたに頼むわ」
男は落ち着いた口ぶりで言うと、視線が下がって、泰平の股座のあたりをじっくりと眺めます。「からだ同様、でかそうだね――」
「はい?」
泰平が問いかけるように男を見ると、中年男はニヤリとします。
「だから、息子のために、早く金を返す算段をしてやるんだよ」
「気持ちの良いことをやってな」
若い男が横から言って、キヒヒヒと笑いました。
(何なんだよ、この男たちは――)
泰平は訳が分かりませんが、とりあえず沈黙を守ることにしました。下手なことを言って、息子のように殴られるのも嫌でした。
「じゃあ、そういうことで。明日の夜、ここに来てくれ。親父のほうだぜ」
中年男は相手の都合も聞かずに、名刺を泰平の手に押し込むと、若い男と連れたって部屋を出て行きました。

翌日の夜、タクシーの仕事を中断した泰平は、得体の知れないビルの中にいました。12月も終わろうという季節に、パンツ一枚の姿でした。
男に会った途端、裸になるよう言われて、シャワールームに押し込められ、あろうことか浣腸された挙句に、徹底的に体を洗わされました。
(いったいこれから、何をやらされるのだ?)
恐怖と不安感に慄きながらも、泰平は半ば開き直っていました。
(まあ、命までは取らんだろう――)
そのときドアが開いて、若い男が現れました。男は軽い調子で言います。
「はい、親父さんの出番だぜ」

「うっ、くくく――」
両手を後ろ手に括られ、そのまま引き上げられて、泰平は顔をゆがめました。
彼の前には車座になって、年配の男たちが7人ほど見物しています。
室内は熱気に満ちて、暑いほどです。
屈辱的な姿を晒しながら、泰平は目の前の男たちを眺めました。そして、恥ずかしさや怒りよりも、不思議な思いがしました。いい歳をした大人たちが、泰平の裸を見て目を輝かせているのです。
(この男たち、何なんだ?)
そのとき、フンドシ姿の若い男が、泰平の背後に回りました。ついで、後ろから手が伸びてきて、泰平の乳首を摘み、揉みほぐし、強く捻りました。
「つうっ!」
乳首に痛みが走ります。
今度は男の手が下に伸びて、パンツの膨らみをまさぐりました。
「爺さん、でかいのぶら下げてるじゃないか。えっ、このイタズラ坊主で、何人の女に嵌めた?」
膨らみをわし掴みにした男の指が、いやらしい動きをします。重さを測るように、膨らみを手の平で掬って、ふいにギュッと握りしめました。
「ふっ、んぐぐうっ!」
突然襲った激痛に、泰平は息を詰まらせて苦悶します。
若い男は、ほくそ笑んで、「おんや、可愛らしい声。それに、可愛らしい口をしてるじゃないか。じゃあ、おしゃぶりといこうか」



身体を引き上げていたロープが外され、泰平は床にひざまずかされました。
若い男は悠然とフンドシを解きま
[3]次へ
[7]TOP [9]目次
[*]感想
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b