第5章 巨根の老人
朝倉との甘美な情事は一度きりだったが、私はしばらく彼の柔らかい感触が忘れられなかった。外を歩いているときなど、無意識に彼の姿を探していた。しかし、朝倉にわざわざ連絡を入れることはしなかった。
一方、家族のいる福岡に戻るのは、月に一度だった。それさえも、仕事の都合で先送りになることがあった。
その頃の私は、知らず知らずのうちに、単身生活の欲求不満が重なっていた。
私の職場に、植田という70歳に近い嘱託社員がいた。大手企業を定年退職したあと、再就職してこちらに来ていた。お公家さんのように薄い眉毛が可愛らしく、性格的にはいたっておとなしい。目立たない存在だが、事務仕事をいつも黙々とやっている。
植田は私の直属の部署にいたので、いつも日常的に顔を合わせていた。そして早くから、私に信頼を寄せているようだ。
そんな彼を、あるひょうきん者の社員が、ウタマロと呼んでからかっていた。なぜ老人がウタマロなのか、その理由は後日分かった。
所属部の旅行のときだった。宴会の終わったあと、酒の強い連中が集まって、飲み直しをやっていた。そのなかに植田もいた。老人はよほど酒が強いのか、色白のつややかな顔はほんのりと朱に染まっているが、ちっとも乱れたところがない。
そのとき誰かが、老人に向かって言った。
「植田さん、余興をやってよ。例のアレだよ」
言われた老人はためらっていたが、みんなが囃したてた。しぶしぶ彼は立ちあがった。
「そーれ、そーれ」
みんなの手拍子に、植田は浴衣姿で踊りだした。ドジョウすくいの要領で、短い手足を愛嬌よく動かして踊る。そのうち腰帯を解き、浴衣を脱ぎだした。
ついには部屋の隅で後ろ向きになって、下腹部を覆う最後の一枚も脱ぎ捨てた。
ぽっちゃりとした白い尻が、剥き出しになった。
植田がこちらに向き直ったとたん、私はドキッとした。
老人の逸物は一見の価値があった。包皮らしきものはまったくない。先端部はふてぶてしく発達して、分厚く、肉感的な陰影をおびている。生白く脆弱な肉体と、股間に重々しくぶら下がる渋茶色の逸物――アンバランスなだけに、妙に生々しかった。
植田が腰を卑猥にくねらせると、渋茶色にふすぼけた性器が、ぶらんぶらんと揺れ動いた。老人は股間のモノをたっぷりと拝ませると、気恥ずかしそうに浴衣を拾って、そそくさと身につけだした。
植田の艶っぽい裸を見て以来、私の男色への欲求不満が、いよいよ我慢できないほど増大していった。
職場で植田の姿を見るにつけ、私はひそかに欲情した。一見、風采の上がらない小柄な老人だが、裸にすれば魅力的な肉体に変身する。老人の小さな体を裸にひん剥いて、つつましやかなつぼみを堪能する。私の頭の中で妄想がひろがった。
正月休みが終わって、初出勤の日は、午後から休みだった。
そのとき植田を、私の住んでいる単身者用のマンションに誘った。実家に帰ったとき手に入れた、珍しい酒を用意していた。
酒に目のない植田は、何の疑いもなく嬉々としてついてきた。
用意した酒の一升瓶が空いたころ、さすがの植田も、呂律があやしくなっていた。それもそのはず、一升瓶の大半は彼が飲んでいたからだ。
いよいよ日頃の妄想を、現実にする頃合だった。私は、気持ち良さそうにソファーの背にもたれかかる老人に言って、風呂を勧めた。それから服を脱がせだした。
上着を脱がせ、ベルトをゆるめてズボンを下ろし、最後のパンツも引き脱がしたときも、老人はぼんやりとして、私のなすままに任せていた。
バスルームでは、狭い浴槽にふたりして入り、身体を密着させて湯に浸かった。
暖まったあと、植田を浴槽の縁に手をつかせ、後ろに突き出した尻を洗った。菊座に指を入れたとき、さすがに老人はあわてふためいて、私の手から逃れようとしたが、私は断固として洗浄作業をつづけた。
風呂からあがると、裸のまま老人の身体を両腕に抱えて、ベッドルームに運んだ。
そのころには植田も、私が何をやろうとしているかに気づいて、控えめに拒絶の意志を口に出したが、強くは抵抗しなかった。
それをいいことに、私はベッドの上で、老人の体を強引に抱いた。しばらく愛撫したあと、サイドボードの引き出しからラブオイルを取り出した。
植田はすっかり観念したのか、私に促されるまま四つん這いになった。
老人らしい弛みがちの白い尻、その合わせ目の中心部で、どことなくもの悲しい表情をした菊座がのぞき見えた。
指を使って、菊門をほぐしにかかった。老人は最後の抵抗を試みたが、私は構わず強引に作業をつづけた。
準備が整うと、背後から老人の腰を押さえ、小さな膨らみに検討をつけてあてがった。
募る興奮に、分身を握る手が震えていた。
じょじょに力を加え、最後はググっと突き入れた。
「ああっ、痛い!部長代理――やめてください―
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[*]
感想