(七)異体験

(七)異体験

経験豊富な木村の痴戯は、それで終わりではなかった。
小休止したあと、快感の余韻にぼんやりとしている俊和に向かって、木村は言った。
「初めてのミーさんには、ちょっと強烈すぎましたかな」
「先生、ついでですから、ミーさんにウケの味を教えたらどうですか」
藤森が言った。伊東老人のほうは複雑な表情をしている。彼にとっては、俊和のイメージを壊したくないのだろう。
「そうですな。ウケの味も知らないと、男色をきわめたとは言えませんからね」
木村は言うと、性戯を再開した。今度は俊和を四つん這いにした。たっぷりとオイルをつけた指が、双丘の谷間に沿って滑り、つぼみを探り当てると、まるく円を描きながら、じょじょにふくらみの中心部に潜り込んでいく。
「ひっ――」
俊和は、思わず腰を引いた。それにかまわず、開口部に侵入した指が、やさしくゆっくりと抽送運動をはじめた。途中でもう一本の指が加わった。
「うわっ――あ、あ――あ、あ、あ」
無遠慮な指に貫かれて、俊和は声をあげつづけた。これまで経験したことのない、異様な快感が体内で渦巻いた。
そんな俊和の興奮を充分知ってのうえか、木村は先を急がず時間をかけて、拡張作業を続ける。
しばらくして、指が引き抜かれ、あらたにオイルが補充されて、ふたたび侵入してきた。こんどは三本だった。さすがに苦しかった。
「つーっ――い、痛い――もう――やめて」
それでも木村は、傍若無人に三本の指を押し込んできた。じょじょに菊穴を押し広げられ、指が滑らかに動きだした。それとともに、苦痛に変わって快感の渦が湧き起こった。

いよいよ木村が背後から押し入ろうとする気配がした。菊座に温かいものが押し当てられ、圧力が強まった。肛門括約筋が無意識にすぼめられる。
「ささ、ミーさん、リラックスして」
木村は声をかけながら、ぐっと突いた。
ふいに先端が入った。
「はあっ!あっ――ああっ――はあああっ――くくっ」
俊和は悲鳴をあげて、シーツにしがみついた。
菊門が極限まで押し広げられ、異物がきしむように通過した。唯一の救いは、怒張した陰茎が熟年者らしく、さほど硬くないことだった。
息苦しさはあったが、破瓜の鋭い痛みは消えていた。逃げ場を失った腸内の空気が圧縮されて、胃の腑を圧迫しているような奇妙な感覚だった。
陰毛が双丘の狭間をくすぐり、膨らんだ腹が強く押しつけられた。
男の陽根が、完全に、自分のなかに入り込んだのを知った。

「ああ、いい――ミーさん、すごく締りがいいよ。さあ、力を抜いて。そのほうがもっと気持ち良くなるよ」
木村が挿入したまま、声をかけた。
俊和はつとめて体の力を抜いた。
不思議な感覚だった。背後から男に犯される倒錯した興奮――体内に年配者の息吹を、鮮明に感じていた。
ウケ一筋の藤森や伊東老人の気持ちが、わかるような気がした。
そっと横を見ると、いつのまにか藤森と伊東は隣のベッドに移っている。69の体位で、おたがいの性器を口で慰め合っていた。

木村が動き出した。硬すぎず軟らかすぎず、熟年者の肉の棒が、腸壁をなめらかに行き来した。
老人は腰をうねらせながら、ゆったりと俊和に話しかけた。
「さあ、力を抜いて――そうそう、出来るだけ弛めてごらん――今度は締め付けて――そう、ググッと」
抜き差しする動きが、じょじょに早くなってきた。
木村の荒い息が、フイゴのように聞こえてくる。
俊和は、男に犯される女の心境になっていた。粘膜を滑脱する感触は、刺激に満ちた倒錯した快感になりつつあった。
いつしか女のように身悶えして、善がり声をあげていた。彼は貪欲に、もっと深く迎え入れようと、尻を高く突き出した。
そのとき肉棒がすっと退いた。
「はい、レッスン・ワン、終了」
背後から引き抜くと、木村が言った。
「なかなか具合がいい。菊門の包容力もあるし、善がり声もかわいらしい。あなたはウケの素質が、充分ありますよ」
木村は股間をタオルで拭いながら満足そうに言った。

ひと休みしたあと、俊和は伊東老人と交わった。
伊東はいかにも待ちわびたように、俊和の体の下で激しく反応した。体をうねらせ、あごをのけ反らせ、開けた口からは、絶えず善がり声が漏れ出ていた。
そして俊和も、いったん受け身を経験したので、どのように動けば伊東が喜ぶか、明確に理解していた。
それにしても、久しぶりだったので早かった。彼はまたたく間に上り詰め、老人の腸内に、溜まりに溜まった精を激しく放出した。

二人が終わったあとも、となりのベッドでは、藤森と木村が痴戯をくりひろげていた。
「そろそろわしの棍棒をねじこんでやる。さあ、脚を広げて、おまえのケツマンコをこっちに向けろ」
「ああん、そんな太いのを注射されたら、壊れちゃいます。許して下さい」
「許さん。さあ、早く、おまえのいやらし
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