(四)那須旅行
俊和は、伊東老人を助手席に乗せて、東北自動車道を走っていた。
まだ九月だが、こちらはすでに秋に入っているようだ。空は高く、雲ひとつないすばらしい天気だった。
老人は助手席に乗って、遠足に出かける子供のように、うきうきとした表情をしている。
「このまえ、ゴルフ場であなたをお見かけしました。ご一緒の方はどなたですか」
「ああ、伊東さんもこられていましたか。取引先のお客さんです」
「そうですか。でも恰幅の良い年配の方は、いかにもあなたが好きでたまらないといったご様子でしたよ」
藤森常務のことを、言っているのはわかっていた。老人の言葉は、嫉妬しているようにもとれた。俊和は、老人の話に適当に相槌を打ちながら、運転に専念した。
那須インターチェンジで降りて、那須岳に向かった。高原のなだらかな丘陵地帯に、緑溢れる別荘地帯が広がっていた。
伊東の予約したホテルは、那須岳の裾野に広がる傾斜面の一画に建っていた。コンドミニアム形式の瀟洒な洋館で、赤い三角屋根が雲ひとつない青空に映えている。
受付でチェックインすると、石畳の通路を案内された。部屋ごとに独立した玄関があり、一戸建て感覚で区画されている。
部屋の中は、板張りの床に白いクロス貼りの壁天井、シンプルでモダンな内装がほどこされていた。リビングは、応接セットや書き物机がゆとりをもって配置され、吹き抜けの高い天井が心地よかった。
壁際にストリップ階段があって、中二階のツインベッドのある寝室に通じている。
南側の壁面は、全面が木製のガラス窓になっていて、陽光が燦々と降り注いでいた。そのガラス越しに、岩組みの露天風呂が見えた。高い竹組みの塀で囲まれていて、プライバシーにも配慮されている。
「すばらしいところですね」
俊和が言うと、老人は、さも嬉しそうに微笑んだ。
さっそく露天風呂に入ることにした。
伊東は何の躊躇もなく、俊和の目の前で服を脱ぎ出した。体毛のないほっそりとした肉体は、七十二歳だとは思えないほど肌がきれいだった。すっかり白くなった陰毛の間から、小ぶりだが清潔そうな男性器がちらりと見えた。
俊和も老人に倣って全裸になった。爽やかな外気が気持ち良い。
湯は透明で、底に貼られた石畳がゆらいでいた。熱くもぬるくもなく、ちょうどいい湯加減だった。
湯の底に、腰掛け代わりの岩が数個、配置されていた。そのひとつに腰かけると、伊東が側にやってきて、寄り添うように腰かけた。
陽はまだ高かったので、ふたりの裸体が白日の下で克明に晒された。
俊和の体はがっしりとした固太りで、肌も底光りのする艶がある。見るから精力に溢れた肉体だ。対する老人の肉体は、ほっそりとして、目にまぶしいほど白い肌をしている。
二人の肌と肌が触れ合った。大柄な俊和の横で、老人は恋人に寄り添う女性のようだった。
「あのう、抱いていただけますか」
伊東がおずおずと言った。
都会の雑踏を離れ、身も心も開放された気分が、俊和を大胆にした。彼は、老人の腰に腕を回して引き寄せた。
思った以上に、柔らかい感触だった。
「ああ――」
伊東がため息をついた。「すこし触ってください」
腰から腹、尻のうしろを触ってやった。伊東は俊和にもたれかかって、うっとりとした声でささやいた。
「ああ、私のような年寄りは、人に触ってもらうことが最高の喜びです。このときをどんなに夢見たことか――」
伊東は、そっと俊和の太ももに触れた。
「触っていいですか?」
伊東の問いかけに黙っていると、それを了承と受け取って、老人の手が俊和の股間に伸びた。
性器を触られて、俊和は驚いた。老人の手を無下に払いのけるのも大人気ないので、じっとしていた。
老人は、大きさを測るように全長を撫で、ついでやわらかく握ると、ゆるやかに扱きだした。禁欲していた俊和の性器は、老人の手の中で隆々と息づいてきた。
「すごい!想像していたとおりでした。大きくて、たくましい――」
伊東は感嘆の声をあげながら、勃起した男根に夢中になっていた。老人の指は、ほっそりとして、肉体労働を知らないように柔らかだった。
うずうずとした快感が、股間から下腹部に広がってくる。俊和の分身は、自分でも驚くほどの力を漲らせ、老人の片手では握りきれないまでに太く硬く怒張していた。
このままでは一線を越えてしまう。俊和はかろうじて自分を取り戻し、伊東老人を押しとどめた。
老人はすっかりその気になっていたが、未練そうに手を離した。
興奮覚めやらぬまま風呂からあがると、伊東はデジタルカメラを取り出して、いい機会だから裸の写真を撮ってくれと言う。
裸の写真をどうするのか訝ったが、言われるままに写真を撮った。俊和の裸も撮っていいかと聞かれたので、断った。ひょんなことで、人目に触れたら大変だ。
それでも老人は懇願した。
結局、顔
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