(二十三)社長のお相手

(二十三)社長のお相手

盛山社長は、昌三と堀田を従えてエレベーターホールに出ると、鳥井とは反対側のドアを開けた。こちらには表札が無かったが、どうやら盛山は、こちらの部屋も使っているようだ。
これまで見た中では、一番豪華な内装だった。広々としたリビングのソファーに落ち着くと、弁護士の堀田がコーヒーを持ってきた。彼はコーヒーをテーブルの上に置くと、上目使いに盛山を見て、別の部屋に消えた。
盛山は、弁護士の立ち去った方向に顎をしゃくった。
「あれは若い男が好みだったが、あんたの息子にオカマを掘られて以来、すっかり恐怖感を植え付けられたようだな」
昌三が何の反応もしないでいると、盛山はにやりとして、大型テレビに向かってリモコンボタンを操作した。それから、わざわざ回り込んで、昌三の横に腰を下ろした。
先ほど見たビデオと、同種のものだった。ただし、ゴリラ男に犯される犠牲者が違っていた。弁護士の堀田だった。うしろを男に犯されながら、激しい苦痛から顔をくしゃくしゃにして泣いている。おそらく堀田は、敵方に情報を洩らしたことで、折檻されたのだろう。

「なにか感想はあるかね」
ビデオが終わると、盛山がねっとりと聞いてきた。
昌三は思わず、悪趣味だと言いたかったが、ぐっと我慢して、人の良さそうな笑みを返した。
「あんなでっかいのを突っ込まれて、堀田先生が可哀相だ」
盛山の片手が、そっと昌三の膝の上におかれた。
「ほう、あんたは優しいんだな」
膝の上に置かれた手が微妙に動いて、太腿伝いにあがってくる。昌三が何も言わないでいると、手の動きが大胆になってきた。
最初に軽い接触、ついで器用な指先が、はやくも容積と硬さを増してきた男の形状をなぞりだす。
「若い男は、がさつだから好きになれない。その点、年配者は、経験に裏打ちされた円熟味がある。特にあんたは、わたしの母方の祖父に似ているから気に入った」
盛山は、昌三の顔をまっすぐに見た。潤んだ瞳、赤ん坊のようにつややかな頬、ピンク色のなめらかな唇――。彼の本性を知らなければ、肥った善良な小父さんと思えたことだろう。
「あんたは、男が好きか?」盛山が聞いた。
「嫌いじゃないな」と昌三。
「どんなタイプが好きなんだね?」
「太った年配の男」
「じゃあ、わたしはどうだね」
「――悪くない」
「微妙な返事だけど、まあ、わたしにも望みがあると思っておこう」
盛山が中腰になって、キスを求めてきた。軟らかい唇がおしつけられた。その接触が、盛山の情欲を急速に高まらせたようだ。盛山は性急に、昌三のズボンの前を開いた。そしてうれしそうな声をあげた。
「大きいじゃないか。それにとても良い形だ」
彼は、昌三の股間に顔を近づけて、おしゃぶり棒にとりついた。手で感触を確かめ、匂いを嗅ぎ、舌で舐め、口に含んだ。

盛山は、この上ない幸福感に包まれていた。舌で味わう円熟したチンポの感触――固すぎもせず、柔らかすぎもせず、穏やかに息づいている。
隆起した男根に沿って、じんわりと呑み込んだ。息苦しさが募ったが、我慢した。膨れ上がった先端が、喉の奥を突いた。それが限界だった。ゆっくりと抽送していると、昌三が気持ちよさそうな声を上げた。

そのあと二人は裸になって、バスルームに入った。盛山がシャワーを使って、昌三の体を洗った。彼は、昌三の全身に手を這わせながら、少年のようにスリムな肉体に、うっとりとしていた。
盛山の性向はウケである。出来ることなら、この男の全てを受け入れたかった。しかし彼には、大きなハンディキャップがあった。慢性的に、痔を患っているのだ。そのせいで、口淫と覗き見だけしか楽しめない。太った年配者が男に犯されているのを見て、自分も疑似体験で楽しむのだ。
バスルームから出て、寝室に行ったとき、盛山は弁護士を呼んだ。
「これからは、堀田先生にバトンタッチだ。わたしに遠慮せずに、たっぷりと楽しみなさい」
盛山は昌三に言うと、堀田をかえり見た。
「その前に体を洗ってこい。尻の中まできれいにしてくるんだぞ」
堀田は従順にうなずいて、寝室を出て行った。よほど盛山に、厳しくしつけられたようだ。
「なんだか、堀田先生、この前会ったときより元気がないな」
昌三が言うと、盛山はにんまりした。
「田中にきついお仕置きをやられたからね。でも、あんたが優しく可愛がってやったら、もとの明るさを取り戻すさ。彼が戻るまで、もうちょっと、わたしと遊ぶか」

堀田が戻ってきて、それまで昌三の性器を尺八していた盛山が、スペースを空けた。
昌三は、堀田の裸体を前に、新鮮な興奮を覚えた。その身体を抱き寄せ、やさしく愛撫してやると、色白のぽっちゃりとした肌に歓喜の細波がたった。
その様子を、盛山がじっと見入っている。
昌三は、盛山が見ていることを意識して、あえて大胆に舌を使いだ
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