(3)
篤志と稚加良強が駆けつけた時には、すべての調査は終わっていた。
合流した4人は、床に転がした男たちから離れたところで、情報交換した。
御膳がこれまでのことを報告し、忠司が補足説明した。
情報を聞き終わると、こんどは篤志が話しだした。
「さっき強羅さんにも連絡したから、おっつけこちらに来るだろう。ただし、問題はご前だな」
篤志は御膳を見た。「男たちにスタンガンを使ったことを、強羅さんにどう申し開きするかだ」
御膳がのんびりと言った。
「なあに、心配いらん。特別な所持許可は必要ないから」
元警視正の強が、冷静な口調で言った。
「しかし、理由もなくスタンガンを持ち歩くのは、軽犯罪法違反になるぞ」
「それなら、何もなかったことにすればいい」
そう言って、御膳は男たちのところにすたすたと歩み寄った。男たちはようやく、スタンガンの衝撃から回復しているところだった。
「ねえ、坊やたち。このスタンガン、もういちど味わいたい?」
男たちが必死の形相で頭を振って、否定した。でっぷりと肥った男などは、顔中に脂汗を浮かべている。
「だったらこのスタンガンのことは忘れることだ。最初からスタンガンなんて無かった。いい、約束できるかな?」
御膳は脅すように、男たちの目の前で、スタンガンの火花を飛ばした。それを恐怖の目で見ながら、男たちが何度もうなずいた。
そして篤志たちは、声も無く、あっけにとられて御膳の様子を眺めていた。
4人は男たちの尋問を始めた。
「さあ、全部しゃべっちまいな。返答次第で、お前たちをどうするか決めてやる」
強が男たちに言った。スキンヘッドでサングラスをかけた強は、体格が立派なだけに凄みがある。
それに小さな体の御膳が続いた。
「そう、水に沈むか、土に埋まるか、ライオンの餌になるか。お前たちに、選択権は無いんだ」
しかし、男たちはなかなか口を割ろうとしなかった。彼らの中で、背の低い小太りの老人に、御膳が目をつけた。
「そういえば、ぼくちゃんだけ、スタンガンを味わっていなかったね」
小太りの老人はギョッとしたように、御膳のほうを見上げた。
御膳は不気味な微笑みを見せた。先ほどはスタンガンの存在を忘れろ、などと言っておきながら、いい気なものである。
「ちょいと味わってみる?」
老人は目を見開いて、激しくイヤイヤをした。
それに強が、悪乗りした。
「ぼくちゃん、可愛らしい尻をしてるじゃないか。スタンガンがいやなら、ほかの楽しいことする?」
強は言葉だけでなく、実際に老人のズボンを引き脱がしだした。
「な、なにをする!やめろ――やめてくれっ!」
老人は丸っこい体でじたばた抵抗したが、いとも簡単にズボンとパンツを剥ぎ取られ、白い尻がむき出しになった。
強がいやらしい手つきで、老人のほっこりした尻を撫でまわしながら、脅すように言う。
「思った通り、かわいらしい尻だ。さあ、上の口でおしゃべりするか、下の口でおしゃぶりするか、早く決めな」
とうとう老人は、何でも話すと言い出した。
それに自信を得て御膳が、男たちの中で一番偉そうなでっぷりと肥った男に近づいた。
「さあて、お前はどうする?おしゃべりするか、それとも実験に協力するかだ」
御膳は言って、スタンガンを男の股間に押し当てた。「あ、実験って、これを何秒間押し当てていたら、男の機能を失うかってこと」
「やめてくれっ!話す!話すから、やめて」
男が叫び声をあげ、篤志たちは怖いものを見る目つきで、御膳の横顔を見つめていた。
その頃になって、ようやく強羅鉄男がやってきた。彼は悪漢たちのひとりが、尻をむき出しにしているのを怪訝そうに見ていた。
御膳は男たちに言った。
「この人は警視庁の警視さん。で、どうする?わしたちとお話するか、それとも警視さんとお話する?」
男たちは迷わず、ごつい体格の強羅警視のほうを選んだ。
レインボー企画のオーナー万野先蔵は、賃貸借の契約を断られた腹いせに、篤志を拉致してポルノ映画を作ったと白状した。そのDVDを販売用に回そうと思ったが、身元がばれるため、とりあえず様子見で脅し用に使ったと言う。
強羅警視はひととおり調べ終わると、ほかの警官を応援に呼んだ。
篤志は強羅に断って、自分のDVDと名簿の欄を消し去った。それから一行は、ほかの警官たちが来る前に、強羅警視に後を託して立ち去った。
あとで分かったことだが、角刈りの男と一緒にいた40代の男は警察官だった。これまで警察内部の情報を、レインボー企画の万野代表に流していた張本人だ。
これで篤志の拉致事件は一応解決した。しかし強羅警視のほうは、レインボー企画関係者の犯罪を立証することに苦労していた。
強羅警視は、篤志を被害者として表に出さないようにするため、別の線から男たちの犯罪を割り出そうとしていた。
まずは、ビデオ撮
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