(5)

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1週間後、景は坂本千秋の自宅を訪れた。東京でも珍しく積もった雪は、二日続きの快晴ですっかり融けていた。
景は鈴木千津子の意志を確かめたうえで、藤森家の皆にたいして、二人が結婚することを宣言していた。それを千秋に伝えるために、わざわざやって来たのだ。トシじいちゃんは朝から釣りに出かけて不在だった。

「それはおめでとう。これできみもようやく、一人前の男になれるな」
千秋はわがことのように喜んだ。
その様子を見て、景は一抹の寂しさを覚えた。
(やっぱり千秋さんは、ぼくを息子のように思っていたんだ。恋人としてではなく)
いっぽう千秋は、景の朗報を聞いて、本当に嬉しかった。自分に対する景の気持ちは分かっていたが、これで景も家庭を持ってまともな人生が送れるだろう。
(それにしても、この寂しさは何なのだ?)
景は脳裏に刻み込むように、年配者の顔をしみじみと見た。血色の好い、いたずらっ子のような童顔。目じりの小皺が増えていた。最初に会ってから5年と数か月しか経っていないのに、ずいぶん長い付き合いに思える。
そのとき景は、年配者の目に涙が滲んでいるのに気づいた。
彼はハッとした。そして、それが何を意味するのかも深く考えず、思わず千秋の体をしっかりと抱きしめていた。
「――やっぱり、千秋さんが好きです」
景はつぶやき、強引に千秋の唇に口づけした。そのあとは無言で、年配者の体を抱きしめていた。

千秋は突然のでき事にうろたえた。しかし若者の抱擁に、抵抗することもできなかった。すべてが夢見心地で、思考能力が停止したように、何も考えられなくなった。
景が自ら服を脱ぎ、千秋のズボンを引き下ろした。ついでシャツのボタンを外し始めた時、そのもどかしさに、途中で千秋の体を抱き上げて寝室に向かった。
千秋の体をベッドの上に横たえ、景は性急に覆いかぶさった。
景が千秋の肉付きの良い体を愛撫し、千秋も景の背中に手を回して、ゆっくりと撫ではじめた。若者の裸は、馬のように頑健で、滑らかで、そして温かかった。
大きな手が乳首をやさしく揉み、腹を撫で、さらに下にさがった。太腿の付け根で頭をもたげかけた肉根が手のひらに包み込まれたとき、千秋の意識はその部分に凝縮し、深い愉悦のため息をついた。
ふたりは息を弾ませながらも、おだやかに愛し合った。ともすれば景が先に行こうとするが、経験豊富な千秋がそれをなだめた。
途中で休憩がはいり、その間に千秋は浴室で体を清めた。
そして再び行為が開始され、ふたりは興奮の坂道を、じょじょに昇り詰めていった。

いよいよ機が熟して、両の太腿が引き上げられ、若者が結合する体勢になったとき、体の内から湧き起こる震えは、急速に広がった。千秋は若者の逞しさにおののいていた。
固いものが、膨らみを割って押し入ってきた。
千秋は股間を押し広げるボリューム感に、一瞬、恐慌をきたした。若者の両腕をしっかりと掴んで、思わず口走っていた。
「あ、待って――ゆっくり――ゆっくりと」
景は浅く結合したまま、ゆるやかに腰をうねらせた。
千秋は苦痛の中で、思い切って目を開けた。景がじっと自分のほうを見守っていた。その目は優しく、きらきらと輝いていた。
急にこの若者が、この上なくいとおしく感じられた。彼は自ら深い結合を求めて、下から尻を強く突き上げ、ふたたび苦痛のうめき声をあげた。
動きがなめらかになってきた。
景は肌をあわ立たせ、歓喜の喘ぎ声をあげながら、遠慮会釈なく腰をうねらせた。
そのとき千秋は、若者のクライマックスを全身で感じ取った。と同時に、怒涛のように次から次に繰り返す痙攣と迸る奔流に、心を震わせた。

次は景のほうが、千秋を悦ばせる番だった。彼は上体を起こして、千秋の股間に顔を寄せた。身体つき同様、太い性器が頭をもたげかけていた。包皮がめくれて、カリの発達した亀頭部が艶やかな張りを見せている。
景はそれを口に含んだ。親密な味がした。舌を這わせると、千秋がかすかに声を上げた。
――ああっ!
口の中のものが、みるみる容積と逞しさを増してきた。景は夢中で口にしたものを吸った。年配者の陽根が無性に愛おしく感じた。
一方、千秋は、自分でも驚くほどの充実感を覚えていた。若者の口淫によって、彼の分身は隆々と力を漲らせていた。まだ自分にこれほどの力が残っているとは、信じられないほどだった。
「ああ――いい――いいいっ」
千秋は我知らず声をあげていた。

すっかり終わったとき、ふたりは抱き合ったまま、震えがゆっくりと引いていくのを感じていた。
「ずっと好きだった――千秋さんのことを――」
景が言っている途中で、千秋はその唇にそっと人差し指を押し当てた。
「それ以上は無しだ。こんなことになったんだから、あとは成り行きに任せるしかない」
「――そうですね」
景は素直に応えて
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