(4)裏技の世界
昌輔は、全裸で布団の上に横たわっていた。
今夜はいつもと様子が違っていた。天山の横には洋平爺がいたが、服を脱いでいない。
天山は昌輔の股間を見ながら、噛んで含めるように話し出した。
「この一年間で、おまえは男の交合四十八手を、すべて会得した。どうやらおまえは、わしの見込みどおりの男だったようだ。そこで今夜からは、秘術を教えてやろう」
昌輔のけげんそうな表情を見て、天山は微笑んだ。
「これまでおまえが覚えてきた技は、すべて表技だ。そして秘術は、世に知られていない裏の技だ」
天山は、横に座る洋平に合図した。
老人が立ちあがって、昌輔の足を開き、そのあいだに座りこんだ。それから昌輔の股間に顔をうずめた。
器用な舌先がチロチロと亀頭冠を舐め、カリ首のくぼみをなぞり、太い竿伝いに滑り降りる。陰茎がみるみる隆起して、まがまがしい形状になる。
昌輔は目を閉じて、陶然とした。洋平爺の口技は、いつもより刺激的だった。熟練の口技で先端が湿った滑らかなものに覆われ、舌先がぐるりと円周をなぞる。
快感に肌を泡立たせる昌輔の耳に、天山の声が聞こえた。
「まずは『不洩棒』の訓練だ。接して洩らさず――不洩棒は裏技の基本だ。これを修得すれば、おまえの精力は一段と強くなる。いいか、どんなに快感が深くても、精を洩らすんじゃないぞ」
老人の器用な舌先が、膨れ上がった肉根をしゃぶり、吸いつき、じりじりと奥まで呑み込んでいく。
昌輔は下腹に力をこめて、ぐっと我慢した。
洋平は唇をいっぱいに開き、天を突く肉棒を呑み込んだまま、昌輔の膝を立て、片足を上に押し上げた。
こんどは蜜袋を攻められた。湿った温もりが、硬く収縮したタマの袋をひとつずつ含み、吸いついた。それから陰嚢縫線をたどって下に移動し、蟻の門渡りに達した。震える舌先が羽毛のタッチで、やわらかな狭間をすべりおりる。
昌輔の肌は、赤ん坊の肌のように敏感になっていた。
舌が菊門に達した。
ヌリッ、ネリッ――皺のひとつひとつが舐められる。
昌輔は、異様な快感をおぼえた。
泡立つ波紋が、尻の狭間から腰全体に広がる。
ヌッ、ヌグーッ――固くとがらせた舌の先端が、菊門にもぐりこんできた途端、鋭い電流が、背骨から脳天に突き抜けた。
ぬああっ!
白濁した精液が、激しい勢いで噴出した。白い放物線を描いて、昌輔の胸を重々しく叩く。間欠泉のように後から後から――徐々に勢いを失って収斂していく。
昌輔は予期せぬ快感に、陥落した。
ぼう然として横たわる彼の耳に、天山の声が聞こえた。
「失敗だな。おまえは、ひたすら洩らすまいとしていたが、それがかえって射精の原因になっている。いいか、抵抗するんじゃなくて、心を解き放つんだ。ただし、我を忘れてはならん。余裕をもって楽しむんだ」
次の日から、洋平を相手に、不洩棒の訓練がつづいた。洋平は手と口と肛門を総動員して、あの手この手で、昌輔の肉体を翻弄した。そのたびに昌輔は、最後に男の精を吐き出して撃沈した。
なにしろ昌輔には、大きなハンディキャップがあった。彼の性器は、陰茎だけでなく陰嚢も大きい。そのため精子製造能力も並はずれて高く、腹腔内の精嚢には、いつも有り余るほどの精液が溜め込まれている。
しかも、受け手の洋平は、まれに見る名門の持ち主だった。肛門括約筋の締まりが良いだけではなく、奥のほうも良く締まるので、まるで亀頭が吸い込まれるような効果がある。それに加えて、腸壁に深い溝状のヒダがあって、まるでミミズが絡みつくような刺激を与えてくるのだ。
それでも訓練の甲斐あって、3ヶ月が過ぎたころ、昌輔は接して洩らさずの自信が持てるようになってきた。
その晩も、天山の見守る前で、洋平を相手に訓練していた。
洋平は昌輔の腰にまたがり、しなやかな肉体をうねらせた。老人とはいえ、うっすらと脂肪がついた肉体は、はっと息を呑むほど艶かしい。
白い肉体が、とろけるような柔らかさで、下腹部に絡みついてくる。その中心部が、昌輔の男根を奥深く咥え込んで、吸いつき、生暖かく濡れて蠢く。まるで無数のミミズに、絡みつかれているようだ。
ああ、いい――。
昌輔は吐息をついた。彼の体の上を、しっとりと汗ばんだ老体がうねり、すべった。肉壺の内部、粘膜の襞が、膨れ上がった肉棒を咥えて蠕動する。
心地よい粘膜の摩擦に、昌輔はうっとりとした。それでも我を失うほどの高みには、昇り詰めない。
うっ――ああっ――。
老人が感に堪えきれぬ声をあげ、昌輔の分身を締めつけた。その体に、甘美な痙攣が走った。昌輔は老人に同調せず、気持ちを平常心にもどして、射精を抑制した。
洋平が離れたあとも、昌輔の陽物は隆々として天を指していた。それを見ながら、天山が満足そうに言った。
「よし、どうやらおまえは、不洩棒を体得したようだな」
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