(3)男色修行
そんなある日、昌輔は、天山の居室に呼ばれた。
床の間のある12畳の和室と、板張りの広縁。障子は開け放たれていたが、奥の和室は薄暗く、秘密めいたムードがあった。
その和室の中央に布団が敷かれていた。そして部屋には、天山のほかに洋平爺がいた。
天山が昌輔に向かって言った。
「おまえはだいぶ不自由しているようだな。これから洋平が相手をする。さあ、服を脱ぎなさい」
昌輔は、叔父の言葉がよく理解できなかった。しかし、天山の横にいた老人が服を脱ぎ出すのを見て、その意味を悟った。
「さあ、なにをしている。おまえも裸になりなさい」
天山がうながして、昌輔は従わざるをえなかった。
そのあとは、すべてが目くるめくひとときだった。
昌輔は何もせず、ただ裸になって仰向けに横たわっていた。洋平爺が、手と口を総動員して昌輔の男根を愛撫した。
あまりの気持ち良さに、クワッと開いた鈴口からとめどもなく淫水があふれ出て、太い血管の浮き出た陰茎をしとどに濡らした。
最後に老人は、昌輔の体に馬乗りになった。
湿った温もりが、直立した陰茎をじんわりと覆い包む。
昌輔のイチモツは根元の太いコケシ状の形をしているので、完全に挿入するには、ふたつの関門があった。最初は、亀頭のよく発達したカリを通過するとき。その次は、陰茎体の中ほどから根元にかけての極太部分を納めるときである。
ところが驚いたことに、小さな老人は、わずかに顔をしかめただけで、怒張した巨根をすっぽりと呑み込んだのだ。老人は太い肉杭に串刺しになって、しばらく呼吸を整えていたが、やがて絶妙のテクニックで腰をうねらせだした。
禁欲していた昌輔は、アッという間に迸らせた。
2回目は、もっとすばらしかった。昌輔は天山の指図どおり、老人の体を組み敷いて、能動的に動いた。
柔らかい狭間に挿入していると、毎晩悶々としていた欲望が、ひと突きごとに解消されていく思いがした。
すっかり終わったとき、2度射精してなお勃起したままの昌輔の股間を見ながら、天山は淡々と話しだした。
「どうだ、男を相手にするのも、そう悪くはないだろう。――それにしても、おまえは素晴らしいマラを持っている。しかし、まだ兵隊の兜だな。大将の兜にするには、もっと鍛えなければならん」
次の日から昌輔は、天山の部屋で洋平爺を相手に男色交合しだした。
いつも天山が同席していた。そして昌輔にさまざまな体位を指導して、交わらせた。
恥ずかしくなるほど卑猥な体位もあった。天山はその様子を、筆をとって和紙に描きとめている。
昌輔はいつも無尽蔵の精力が、ふつふつと沸き立つのを感じていた。肛門性交の緊縛感にも魅了されていた。相手が男だということにも、何の違和感も覚えなくなっていた。
洋平爺は、子供のようにほっそりとした体つきだが、骨張ったところは無く、うっすらと脂肪のついたきれいな肌をしていた。それに、70代とは思えない柔軟な肉体をしていたので、あらゆる体位にも応えることができた。
いつしか昌輔は、この老人に対して、女以上の愛欲を覚えるようになっていた。
天山は、昌輔が交合していないときは、別の訓練をさせた。自ら男根に刺激を与えて、男の道具そのものを鍛錬することだ。両の掌で性器を挟み、グリグリと揉む。ギュッと握り締めたり緩めたりを繰り返す。勃起した性器を弓なりに、極限まで捻じ曲げる。そして、いかにいい気持ちになっても、決して精を漏らさないことだ。
「いいか、筋肉を鍛えるのと同じだ。繰り返しやっていれば、おまえの亀頭は大将の兜になる」
天山は言うだけでなく、実技も示してくれた。ズボンの前を開くと、自らの性器を握り締め、ゆったりと扱きだした。手の先からはみ出した丸っこい亀頭が、色づき、張り詰める。短いが常人の倍近くも太い。
それに、68歳の持ち物にしては、活力に溢れていた。亀頭は取れたてのトマトのように艶々と輝き、鈴口はくわっと開いている。
それを見ている昌輔は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
一年が経過した頃、昌輔は男色のテクニックを身につけていた。
どこを攻めれば洋平爺が悦ぶか、もはや天山の指導も必要としなかった。そして性器そのものも、以前とは見違えるほど、力感的な形状になっていた。陰茎の反り具合に力強さが増し、カリがより発達して、亀頭の形状に凄みがついた。
昌輔は洋平爺を抱く一方で、天山への想いを募らせていた。早くに実父を亡くしていた彼は、天山に父親の像を重ねていた。
しかし天山は、いつも傍観者の立場にいた。
昌輔が洋平と交わるのを、あらゆる角度から観察し、和紙に描きとめる。彼は日本画を世に出すかたわら、一部の好事家たちのために春画を描いていた。
昌輔にも秘蔵の春画を見せてくれた。いずれも、息を呑むほど見事なものだった。
墨痕荒々しいタチの裸体。とろけるよ
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