終章
(1)
ウータンとユーミンは、ポンタックの気球に乗って、アトラス城に戻った。
そこでハーブの墓をケインの墓の横に作ったあと、アロイ王子やユシアス夫妻に別れを告げ、光の塔へと戻る旅に出発した。
そのときウータンは22歳になっていた。母が死んだあと、トマの城下町を旅立ってから4年の歳月が流れていた。
ポンタックが乗り物を譲ってくれ、熱気球の操縦法を教えてくれたので、帰りの旅はずっと楽だった。
ふたりは上空から、これまで来た道のりをたどりながら、空の旅をつづけた。その空は旅のあいだ、まったく青空を見せなかった。まるで生き物を不幸に落とし込もうとするように、暗い灰色をしていた。
夜は地表に降り立って、簡易テントの下で野宿をした。怪物が徘徊していたので、警戒を怠ることができなかった。
最大の難関、アラバ山脈を越えるのは心配だったが、気球は高く舞いあがり、なんとか山の上を飛び越えた。
旅のあいだ、ふたりは沈み込みがちだった。ケインやハーブ、サキのこと、これまで出会った人々やさまざまなでき事、ふたりはそれぞれの思い出にひたっていた。
残ったのはふたりだけ、という思いがふたりの絆をますます強くした。ウータンは、種族の違いを超えて、ユーミンへの思いを募らせていた。
ユーミンの不思議な風貌、性別を超越した顔や、子供とも熟年とも思えるような肉体は、ウータンにとって、心の安らぎとともに何か力を漲らせる魅力があった。
そしてユーミンも、ウータンを見る目つきから、ウータンと同じ思いであるのが明らかだった。
夜のあいだ、焚火のそばで体を寄せ合って横になっている時、ふたりの惹かれあう思いはますます強く絡みあった。
そしてある夜、ふたりは自然に愛の行為を始めていた。裸になって、しっかりと抱き合い、お互いの体を愛撫し、唇を合わせた。
ウータンはトマ王を相手にしてすでに経験していたので、自然にユーミンをリードする形になっていた。
「さあ、ユーミン、うつ伏せになって――そう、脚を開いて、お尻をあげて――」
白くてふっくらとしたお尻と菊の門、淡いピンク色をした割れ目。トマ王よりも爽やかで、そしてみずみずしかった。見ているだけで、息苦しいほど興奮してきた。
ウータンが舌を使いだすと、ユーミンがくすぐったそうに尻をくねらせた。
「ああっ!いやっ!ウータン、そんなこと――ああ、あっ!」
そのうちユーミンの声がとぎれて、ため息のような声に変わった。
ウータンは極度の興奮に息を荒げながら、トマ王に教わったことを思い出そうとしていた。(つぎは――)
ユーミンを仰向けにして、いよいよひとつになろうとしたとき、ユーミンの体が未知の恐怖に、ぶるぶると震えだした。彼はウータンの両腕を強く掴んだ。
ウータンが腰をググっと押しつけた。
「ひっ!だめっ!ウータン、もうやめて!もう――うわあっ!」
ユーミンは切羽詰まった恐怖で、ウータンを拒んだ。
先端がユーミンの体の内部に食い込んだ途端、すっかり逆上したウータンは、相手の苦痛をいたわる余裕も失っていた。そのまま強引に奥まで突き進むと、腰をうねらせた。
一突き、二突き、そこで射精が起きてしまった。
ウータンは精を吐き出すと、ユーミンの横にごろりと寝そべった。
荒い息がじょじょに収まってくる。
しばらくして、ユーミンは、ウータンの股間に横たわるヒューマン族の男の象徴を、不思議そうに見た。先ほど凶暴な力で、彼の体内を蹂躙したものは、今は力を失ってグンニャリとしている。それでも大きさは彼の倍以上あった。
彼は無意識のうちに、それを掴んだ。
(こんな大きなものが、入ったんだ)
不思議な気分だった。いま、彼(彼女)はホーリー族のひとつの節目に直面して、女性の道へと進んだのだ。
手にしたものがふたたび力を得て、脈打ってきた。ユーミンは本能の命じるままに、そっと舌を這わせた。懐かしい味がした。
しばらくして、ウータンがユーミンにのしかかって、二度目の行為を開始した。今度はすこし余裕があった。息を荒げながら、ウータンが訊いた。
「どう、ユーミン。気持ちいい?」
ユーミンはまだ苦しそうに、顔をゆがめていた。それでも彼(彼女)はけなげに言った。
「ううん、わからない――でも、ウータンと一体になっていると思うと、すごく幸せ」
ウータンは嬉しくなって、腰の動きを速めた。そこでふと、トマ王に教えられたことを思い出した。彼は新たな興奮に、うめくように言った。
「ユーミン、今度はもうひとつの穴に入れてみるよ」
初めて愛を交わして以来、若いふたりは毎晩のように体を重ねた。
ユーミンはヒューマン族の女性に比べると、風変わりに見えたが、ウータンは、ホーリー族のふっくらとした中性的な肉体を愛した。
そしてユーミンに対して、いつも無尽蔵の精力を覚え、いくら愛しても
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