(2)

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ウータンたちは、寺院の奥まった部屋に連れて行かれた。静かで、お香のいい香りがする部屋だった。3人はエウスに勧められて、椅子に腰かけた。
まずユーミンが、イジリに聞いたドラゴンやオーディンの玉の話をした。
そのあとウータンが、これまでの旅をかいつまんで話した。地底世界の不思議な光りの部屋のことも話した。
最後にウータンとユーミンが、それぞれ持っている剣と弓を見せた。
エウスはしばらく武器を調べたあと、おごそかに言った。
「古(いにしえ)の書に、ドラゴンを仕留めるには、心臓を刺し貫かねばならないとある。しかしドラゴンの体は、硬いウロコで覆われているとも書かれている。そしておまえたちは、そのウロコをも貫く武器を持っている。これもなにかの縁だ」
エウスは、ウータンの目をじっと見た。
「その剣は、この寺院にあったものだ」
ウータンは驚いた。
「じゃあ、ぼくの父はここに来たのですね?」
「あの男は、おまえの父親だったのか。どおりでおまえの目に見覚えがあると思った」
ウータンの胸が高鳴った。彼は性急に聞いた。
「父に会ったのですね。お願いです、父のことを話してください」
エウスはおっとりとほほ笑んだ。
「見あげるような偉丈夫だが、高潔な志を持っていた。それに、おまえのように不思議な目をしていた。彼もドラゴンを探していると言っていた。それで、その剣を彼に渡したんじゃ。もっともその前に、ひとつの試練をくぐらねばならなかったが」
エウスはウータンに言った。「その剣をおまえが持っているということは、父親に会えたんだな?」
ウータンは手短かに、父の遺骸を見つけたこと、それから剣を見つけたときの状況を話した。

話を聞いて、エウスは悲しそうに頭を振った。
「残念なことだ、立派な男じゃったのに。では、彼はまだ炎の楯を手に入れていなかったのだな」
「炎の楯って何ですか?」
「ドラゴンと戦うために必要な、炎を防ぐ楯じゃ。それがないと、おまえの持っている剣があっても、ドラゴンには近づけない」
ウータンはユーミンと顔を見合わせた。それから老人にたずねた。
「炎の楯はどんなものですか?」
「ああ、ドラゴンのウロコで作られた楯だ。ただし、この世界にはない。この寺にある古い文献によれば、炎の楯は次元を超えた別世界にあるという。そして、その世界に行けるのは、失われた時の住人、つまりオリジン族だけだ」
「オリジン族?」
「そうじゃ。オリジン族は太古の時代に、この世界を創った種族だと言われている」
そこでエウスは、ユーミンのほうを見た。「彼らはおそらく、この青年のようなホーリー族に近い種族だろう」そして首を振った。「しかし、その子孫がこの世界に残っているかどうかはわからん」

ユーミンが質問した。
「あのう――この世界で、一番歴史の古いところはどこでしょうか?」
エウスがユーミンに微笑みかけた。
「お前は、いいところを突いている。そこに行けば、失われた時の住人について、なにか手掛かりがあるかも知れん。そうだな、この世界で最も古い地方といえば、ここからずっと北に行ったアトラスという国じゃ。昔はそこで、金が採れていたものじゃが」
ユーミンが思い出したように言った。
「ドラゴンの住む火の国も、アトラスの北にあると聞きました」
「それは知らなかった」
エウスは考えながら言った。「ところで、ドラゴン退治には、もうひとつの品物が必要だ」
「まだ、あるんですか?」
僧侶の言葉に、ウータンがうんざりしたように言った。
「太陽の法力を封じ込めた石だ。その石があれば、ドラゴンの力を弱めることができる」
ユーミンがたずねた。
「それも別世界にあるんですか?」
エウスがあっさりと言った。
「いや、この寺院にある」

ウータンたちが驚いた表情をするのを見て、エウスが説明した。
「何年か前、ホルムという金持ちの商人が、この寺に寄贈してくれたのじゃ。今は法の間に封印してある。そして、いったん封印したものは、われわれでも取り戻すのは難しい」
高僧はウータンの顔をじっと見つめた。「ただし、ひとつだけ方法がある。真に崇高な心を持った人間なら、手に入れることができるだろう。昔、おまえの父親が、その剣を入手するために受けた試練と同じだ」
エウスは、ウータンの持つ剣を指差した。
ウータンが身を乗り出して訊いた。
「どうすればいいんですか?」
「身に何もまとわず、裸で法の間に入って、石を取りに行けばいい。まっすぐ前に歩くんじゃ。ただし、途中で一歩たりともあと戻りすると、その人間に大変なことが起こる」
「どうしてですか?前に歩いていって、玉を取るだけなら、簡単そうに思えますけど」
「じつは、この寺の僧が、前に試したことがある。長年修行を積んだ男じゃったが――彼は失敗した」
「その人はどうなったのです?」
「胎
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