(4)

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知らせを聞いて、長老たちが駆けつけてきた。
長老は地面に倒れた怪物を悲しげに見やった。
「コボル――頭のいい真面目な男じゃったが――。哀れなやつだ」
長老はひざまずいて、祈りをささげた。
老人の言葉を聞いて、ウータンは驚いた。
「ガロン、この怪物はプランプ族だったの?」
祈りを終えて、長老は立ちあがった。
「ああ、コボルという、若者じゃった」
「でも、なんでこんな怪物に?」
「コボルは体力も頭脳も優れていたが、それにも増して、人一倍の負けずぎらいじゃった。そして不幸なことに、この男は古くからのいい伝えを知ってしまったのじゃ。パワーを得ることができる、光の部屋のことをな」
ウータンたちは、長老の言葉を黙って聞いていた。
「彼は自分をもっと高いところに導こうとした。そこで密かに光の部屋へ行き、祭壇の上で聖なる光に身を晒しつづけた。ほれ、お前さんたちの武器を置いたところじゃ」
長老は頭を振った。
「わしは、そんなことが行われているとは、露知らなんだ。知っておれば、こんなことにはならなかったのに。とにかくわしが気づいたのは、光の部屋の封印が破られているのが発見されてからじゃ。そのときには、コボルはもう部屋にいなかった。それからじゃ、白い怪物が仲間を襲いだしたのは」

しばらく沈黙が流れた。
ハーブが咳払いして言った。
「じゃあ、あの光はヒトに悪い作用を及ぼしたんだな?」
「そのとおりじゃ」
長老はハーブのほうを見た。
「あの光は、諸刃の剣じゃ。無機質のものにはパワーを与えるが、逆に生き物を怪物に変える魔力もある」
ウータンが聞いた。
「それでガロンはあの部屋に入ったとき、ぼくたちを急がせたんですね?」
「ああ、そのとおりじゃ」
長老は死んだ怪物を見下ろした。
「彼を手厚くほうむってやろう。それから、ガーズがコボルのなれの果てだということは、わししか知らない。みんなには黙っていてくだされ」
「でも、それじゃあ教訓にならないんじゃないの。光の部屋が危険だってことに――」
サキが言いかけるのを、ハーブが止めた。その横で、長老は考え込んでいた。

ウータンたちは地底の世界で、2日間ゆっくりと過ごした。
ハーブはいつも長老の部屋にいて、ふたりは旧来の友のように会話していた。
サキは何にでも興味を持つ子供のように、洞窟のあちこちに顔を突っ込んで、地底人たちにちょっかいを出していた。
ウータンはユーミンとふたりで広場に行き、地底の子供たちと遊んで時間をつぶした。
ただひとり、ケインだけは何もせず、部屋の中で腕まくらをして寝そべっていた。
地底の子供たちは体型こそ違え、地上の子供たちと変わりなかった。みんな純真な眼をして、無邪気に笑い、元気よく跳ねまわっている。そんな子供たちを見て、ひとりぼっちの子供時代を過ごしたユーミンは、いかにも楽しそうにしていた。
ウータンは、そんなユーミンが大好きだった。子供のようにあどけなくて、それでいて、優しい父親のような慈愛に満ちていた。

「ねえ、こんなもの貰っちゃった」
サキがにこにこ顔でやってきた。左手首に緑色の四角い石をつないだ飾りをしていた。
彼は得意そうに鼻をうごめかした。「この洞窟の奥で採れる石で造ったものだよ。地上世界ではすごく高く売れるんだって」
ウータンは装身具を見て驚いた。
「おい、それはエメラルドだよ。高価な宝石だぞ」
そのときハーブの声が聞こえてきた。
「盗んだんじゃないだろうな?」
振りかえると、ハーブと長老が立っていた。
サキが怒ったように言った。
「違うよ。ぼくたちが助けた子供のお母さんがくれたんだ。じっちゃんのひねくれた性格からしたら、信じられないことかも知れないけど」
ハーブが笑った。
「わかった、わかった。ところでウータン、長老がきみたちの武器を、光りの部屋から持ってきてくれたぞ」
長老が剣と弓を差し出した。
武器の表面には、複雑な文様がくっきりと浮かんでいた。まるで新たに文様を彫り直したようだった。
ウータンは剣を手に取った。手の先から全身にかけて、暖かいパワーが伝わってきた。
どんな不可能なことでもできそうな気がする、すごい充実感だった。そっと横目で見ると、弓を持つユーミンも陶然とした表情をしていた。

ウータンが意識を集中すると、剣が光りだした。まるで金属の内面から放射するような光だった。
「すごい、ウータン!その剣ならドラゴンでもやっつけられるよ」
サキがはしゃぎ声で言って、ハッと息をのんだ。「いやだあ――」
他の連中も気が付いた。ウータンのズボンの前が大きく膨らんでいる。明らかに、大人が夜の行為をしようとする状態だった。
年上の男たちの顔には、多少うらやましそうな表情が浮かび、ユーミンは恥ずかしそうに下を向いている。
ウータンもそれに気づいた。彼はあわてて後ろを
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