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(9)ファン感謝祭 |
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4月おわりの金曜日。この日は朝から皆、うきうきしていた。今日は年に一度のファン感謝祭、馴染みの客たちが集まって懇親会をやるのだ。開始は夕方5時からだが、ユーさんとトシは食材の仕入れや料理の下準備で余念がない。
夕方5時近くになって、三々五々、客たちが店にやって来た。各テーブルには、大皿に盛りつけられた料理が所狭しと並べられている。 奥のカウンターはオヤジさんの専用席で、ウィスキーの水割りが入ったグラスが置かれている。居酒屋にあってオヤジさんは、ウィスキー党なのだ。 全部で25人ほど、席が埋まったところで、孝志が挨拶した。 「いつも陶仙房をごひいき頂いて、ありがとうございます。おかげ様で店の家賃も滞りなく払えています」 オヤジさんが、余計なことを言うな、というように手を振った。 「今夜はどうぞごゆっくり、おおいに食べて、おおいに飲んで、そしておおいにおしゃべりしてください。では皆さんの健康を祝しまして、乾杯!」 皆一斉に乾杯したところで、孝志が付け加えた。 「大山会長から差し入れがありました。森伊蔵の一升瓶です」 「いよっ、太っ腹」皆がワアーッと騒ぎ立てた。 料理を食べ、酒やビールを酌み交わし、和気あいあいの親睦会だった。 場が落ち着いたところで、ヤマさんと呼ばれている親父がギターを取り出した。60代、自称音楽家である。 ヤマさんはギターを弾きながら、節をつけて唄った。 一杯だけや言うて、一杯だけで終わったヤツは、見たこと無い〜♪ すかさずだれかが「それは陶仙房の客だ〜」 先っぽだけや言うて、先っぽだけで終わったことは無い〜♪ 「先っぽだけって、何の先っぽだ」と孝志が訊いた。 「そらあ、もちろんアレのことや。チ〇ポ」とヤマさん。 一同爆笑。だれかが「だったらマスターのことだ〜」と言って、また爆笑。 悪乗りしてトシが 一発やらしてくれ言うて、一発だけで終わったことは無い〜♪ これもまた「マスターだ〜」という声が上がった。 「だったら何発や」という声。 「3発」とトシ。 すかさず「嘘をつけ」の声。 「嘘や無い」とヤマさん。「おやじさん、ユーさん、トシちゃん」と指折り数える。「ひと晩に3人だから3発や」 「なんや、陶仙房のメンバー総なめか」 県庁職員のケンちゃんが立ち上がった。 「みんな聞いて。今夜はぼくたち客に対する感謝祭となっているが、逆にいつもお世話になっている店の皆さんにも感謝して、乾杯しようよ」 「賛成!」 「じゃあケンちゃん、音頭をとってくれよ」 皆、グラスにめいめいビールや酒を注いだ。 「じゃあ、まずおやじさんに。陶仙房が長続きできますように、家賃を安くしてください。ついでに、いつまでも元気で長生きしてください。乾杯!」 乾杯したあと、だれかが茶々を入れた。「なんや、元気で長生きは、ついでか」 構わずケンちゃんが続ける。 「次はユーさんに。いつも美味しい料理をありがとう。できたらぼくの大好きなタイとイクラの釜めし、よろしく。乾杯!」 すかさずトシが補足した。「ユーさんのところは、おめでたです。男の子が生まれました」 「おめでとう」「さすが、むっつりすけべ」「好き者」皆が口々にはやし立てた。 ユーさんは面映ゆそうに小声で言った。「49の子ですから。お恥ずかしい」 「それから皆のアイドル、トシちゃんの可愛らしいお尻に、乾杯!」 「すてきな桃尻に乾杯!」「今度、お尻貸してね」「今晩付き合う?」 皆、好き勝手に言う。 「お待たせしました、我らが宵の明星、マスターです」 「なんだ、宵の明星って」 「日中は昼行燈のようにボーっとしてるけど、夕方になると生き生きとした輝きを見せる星。誘蛾灯のように、ぼくたち男を引き寄せる星。陶仙房の種馬、マスターに乾杯!」 隅のカウンター席で、オヤジさんがうつらうつらしている。ウィスキーの入ったグラスが倒れそうだ。いち早く気づいたトシが、そっとグラスを片づけ、孝志に目配せした。ところが、いっこうに気づいてくれない。仕方なくマスターのそばまで行った。 「どうしたトシ。そういえば最近やってないなあ。お尻が疼いてきたか」 (なんでそんなこと、恥ずかしげもなく言えるかなあ)トシはあきれたが、気を取り直してオヤジさんの状態を告げた。 すかさず孝志は、オヤジさんのところに行って、肩を揺すった。 「オヤジさん、そろそろ2階にあがって寝ようよ」 声をかけるが、オヤジさんは寝ぼけ眼だ。孝志はトシと二人がかりでオヤジさんを2階に連れて行った。 ベッドに寝かせ、ぐったりした体にパジャマを着替えさせていると、トシがタンスから紙パンツを持ってきた。 「今夜は漏らすかも知れないので、履かせます」 言って、オヤジさんの下を脱がせ、手際よく紙パンツを履かせた。 よく気がつくのは知っていたが、孝志は、トシの意外な面を見た気がした。 二人が2階から店に戻ってくると、タケさんがこちらを見ていた。微妙な表情をしている。いつだったか、トシと絡んでいる場面を見られたことがある。今も艶めいたことを想像している目つきだ。 孝志はタケさんのそばに寄って、そっとささやいた。 「以前は、とんでもない場面をあなたに見られましたな。でもしょっちゅうトシとあんなことをやってる訳じゃありませんよ」 剛は、鷹揚にうなずいた。 「分かっていますよ。でもトシちゃんは、あなたを慕っていますよ。社内旅行のときからずっとね」 「社内旅行のときから?なんであなたが知ってるの?」 「トシちゃんが寝言で言ってたから」 「――?!」 孝志は不審そうに、タケさんの顔を見た。 9時になって、ようやく最後の客が帰ったあと、孝志はユーさんに声をかけた。 「ユーさん、奥さんと子供が待ってるんだ。早く帰りなさい」 「それが――今日は感謝祭だから、ここに泊まったらって女房が言うんです」 「奥さん、意味が分かってるのか」 「もちろん、マスターとわたしの関係は知っていますよ」 「それじゃ今夜は、久しぶりにヤルか」 その頃、トシも片づけを手伝うタケさんに、モーションをかけていた。 「タケさん、片付けが終わったら、一緒にお風呂に入りましょう」 「じゃあ、たまには銭湯に行きますか」 「――でも遠いし、お金もかかるでしょう」 「トシちゃんにはいつもお世話になってるし、お金はわたしが出すよ」 「――でもやっぱり、今夜は2階のお風呂にしようよ」 「トシちゃんがそう言うのなら。じゃあトシちゃん、先に入ってよ」 「――タケさん、ひょっとして、ぼくに意地悪してない?」 悠平はうつ伏せに寝て、尻を掲げたあられもない格好で、息を潜めていた。 その秘所をじっと見ている孝志。見掛けは楚々とした、いかにも清らかな菊座だが、ちょっと触れればすぐなまめかしい様相に変わる。 顔を寄せて舌先で湿らせた。白い肌の中心部、すこし色づいた秘肛に吸いつき、レロレロと舐めていると、たちまち敏感な緋色に変わってくる。体毛の無い少年のような体が、淫らにくねった。 唾液で潤した秘肛に、ラブオイルを塗り加える。そこが柔らかく熟してくると、悠平の体を横抱きにして、下腹部を押しつけた。 熱く、硬く、憤怒の形相になった男の根が、双丘のはざまに突き当たる。 孝志は相手の片足を持ち上げると、ラブオイルでぎらつく受け入れ口に、いきり立つ分身を突き入れた。 「ひっ、はああーっ!」 容赦ない嵌入に、広げられた悠平が、眉をひそめて悩ましい悲鳴を上げる。 一度引き抜いて、ラブオイルを補充し、ふたたび突き入れた。 孝志は59歳の年齢を感じさせない頑強な腰遣いで、49男への出し入れを繰り返した。きしむような内部の抵抗がじょじょに薄れてきた。 侵入を拒んでいた内襞の動きが、迎え入れようとするように絡みついてくる。 極限まで膨れ上がった男の茎にまといつき、突けば押し戻そうとざわめき、引けば放すまいと吸いあげる。 (いいっ――いいぞ) 粘膜の摩擦による心地良さが、息詰まる快感へと押し上げられてくる。 (まだだ、まだじっくりと楽しむんだから) 孝志は、抜き差しの速度をゆるめた。 いっぽう悠平は、ただただうっとりとして、受け身の悦びを味わっていた。 ![]() トシはタケさんをソファーに腰かけさせて、その股間に顔を埋めていた。口に含んだ男の硬さで、相手の官能の高ぶりが分かる。 すこし顔を傾けた。呑み込まれていく肉根を本人に見せれば、男の興奮度合いが高まるのを知っていた。 細く息を吸いながら、喉を開いて根元まで呑み込む。息苦しさが募ったが、快感にひくつく肉根の感触にうっとりとした。それから舌先で裏筋をなぞりながら、ゆっくりと引き出す。 剛は幼い唇が淫らにすぼまり、引き出されてくる自分の肉根を見ていた。唾液に濡れ光り筋の浮き立つ肉根を見ていると、若者のように男の力が沸き立ってくるのを覚えた。 剛は実直な性格をしていたが、こと色事に関しては、人が変わったように淫らな気持ちになる。一度トシによって男色を知ったので、今度は自分が工夫して相手を悦ばせる番だった。 そこで、トシが次の展開に進もうとするのを押しとどめた。自分が腰かけていたソファーの上にトシをうつ伏せにし、尻を高く後ろに掲げさせた。 白桃のような尻がわずかに開き、淡い陰りを見せる菊の門が見える。剛は双丘に手を這わせ、秘所を探った。 「あっ!いやん」 思わずひるんだ隙に指先の侵入を許したトシは、あられもない声をあげた。 「うん、トシちゃん。ここを触られるのが嫌なの?」 デリケートな皺の集合体を弄りながら、剛がささやいた。 「もう、意地悪しないで」 実直なタケさんの信じられないような行為に、トシは尻を振って応えた。 淡いピンク色の肉襞が、弄られているうちに充血して、花開く前のつぼみのように、柔らかくぬれぬれとした紅色に変わってきた。ラブオイルをたっぷりと塗りつけると、そのままズニューッと奥まで指を侵入させた。 「ひっ、いいいーっ!」 トシが感に堪え切れない喘ぎ声をあげた。 すっかりいやらしい壮年男に変身した剛は、女とは違う内部の構造を指先で探りながら、トシを未知の領域に引きずり込んでいった。 翌日は土曜日、陶仙房の休みの日である。 マスターの部屋に泊まっていたユーさんが、朝食を作ってくれた。ご飯にみそ汁、サケの塩焼き、卵焼き、ほうれん草のおひたし――日本全国どこにでもある標準食だが、ユーさんが作ると一味違う料理になる。 「こんな朝飯なら、毎朝、ユーさんに作ってもらいたいですね」 「それは無理。ユーさんには愛妻とまな娘がいるんだから」 「でも、昨日はマスターの部屋に泊まったんでしょう?」 「それは禁句。他人のプライバシーには口出ししないの」 いつもの軽い会話だが、皆、疲れた顔をしている。昨夜は、よほど疲れることをやったのだろう。 唯一、長老のオヤジさんだけが、よく眠れた顔つきをしていた。 朝食のあと、手分けして、昨日の宴会の後片付けをやった。 ユーさんが自宅に帰ったあと、昼近くになって自称音楽家のヤマさんが自転車に積んだ段ボール箱を持ってきた。中には活力ドリンクが2ダースと箱入りのED治療薬レビトラが入っていた。 「昨日はお疲れさまでした。元気が出るよう、おれからの差し入れです」 ヤマさんが、箱をテーブルの上に置きながら言った。 その方面では詳しいオヤジさんが、箱を開けて、中身を見ながら言った。 「元気が出るようにって、ヤマさん、これレビトラじゃないか。これ飲んだら、マスターなんか鼻から火を噴きだして、片っ端から穴に突っ込むぞ」 「そう。おれも試してみたけど、根元からグンと突き上げてくるんだ。即効性があって長持ちするから重宝だ」とヤマさん。 「だったら昨日欲しかったな」マスターが残念そうに言った。 そうこうしているうちに、今度は別の馴染み客が車でやってきて、段ボールの箱を店先に置いた。中には立派なナシが入っていた。なんでも田舎から送ってきたという。 毎年ファン感謝祭の前後は、こうして馴染み客から思わぬ差し入れが届く。彼らの暖かい心根はありがたいことである。 |
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26/09/14 07:25 神亀
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