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第3章 大人しい管理人 |
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(1)
「類は友を呼ぶ」というが、ぼくの場合は、世間一般から見ればあまり「およろしくない」類である。 ケンは江戸風俗に興味を持っていて、それが高じて衆道、つまり男色の世界に嵌っている。ぼくにもその方面の本を貸してくれているので、ケンはぼくを同類と見ているようだ。 ダイスケは柔道部の猛者で、漢の世界に嵌っている。男好き――とくに爺ちゃんが大好きだ。彼の逸話がある。あるとき学内で通りかかった色白、小太りの男子学生の腹をいきなり殴りつけ、相手がひるんだところで部室に連れ込んだ。そこで無理やりズボンを引き下ろして、テーブルに押しつけ、尻を剥き出しにした。さすがに尻を犯すまではしなかったが、男子学生のぽっちゃりとした色白の尻を見ながら、自分のイチモツをしごいた。 ダイスケは思いを遂げると、「よう、すまなかったな」とひとこと言って、何が何だか呆気にとられている男子学生を開放したらしい。 そしてぼくはと言えば、ちょっとしたきっかけで、英語講師と初体験を済ませたあとも、この先生と親密な関係を続けている。もっともこのことは、他の誰にも話していない。 こんな3人が集まれば、自ずと話題は決まっている。 「おれのマンションに、大人しい管理人の爺さんがいてな」 いつものことだが、ケンが口火を切る。「この爺さんのオカマを、掘ったことがあるんだ」 ケンの話によれば、シゲルさんと呼ばれる64歳の管理人で、気安く話している内になんとなく男好きと分かった。で、ケンは管理人に冗談のつもりで言った。自分は今、江戸時代の陰間を研究している。シゲルさん、陰間のように尻を貸してくれない?――と。 意外にも、管理人はあっさりと了承した。あとで知ったことだが、なんのことはない、シゲルさんは肛門性交の経験者だった。 「その爺さんの尻を掘ってみて、どうだった?」 唾をごくりと呑み込んで、まだ肛門性交の経験がないダイスケが訊いた。 「それがすごくいいんだ。キュウっと締め付ける具合は、女よりも上だ。それに爺さん、色白でいい体をしているので、犯し甲斐があった」 それを聞いて、ダイスケが唇を舌で湿らせながら言った。 「ケン――その爺さん、俺にもやらせてくれるかなあ」 「金さえ払えば、やらせてくれるさ」 ケンはあっさりと答えた。「爺さん、奥さんから貰う月々の小遣いが少ないってぼやいていた。――それに何より、爺さんは元気印のチ〇ポが大好きだ」 「じゃあ、いくら払えばいい」 「そうだな、ダイスケはガタイがごついから、爺さん、退いちゃうかも知れん。――まあ、1万円だったら納得するかも」 タダで英語講師の尻をつついているぼくは、1万円は高いと思ったが、黙って二人の会話を聞いていた。 ダイスケは目を輝かせて、ケンに言った。 「1万円でいいんだな。だったらその爺さんに交渉して、段取りを頼む」 「ああ、いいぜ。場所は俺のマンションにする」 ケンは言って、ぼくのほうを見た。「それで、テッちゃんはどうする?」 ぼくは考えるふりをして、慎重に答えた。 「興味はあるけど――1万円は高いな。――ぼくはやめとくよ」 ダイスケが立ち去ったあと、ケンはしつこくぼくに持ちかけた。 「なあ、テッちゃん。さっきの話だけど、幾らだったら話に乗る?」 「幾らって――ぼくはダイスケほど金を持ってないから」 ぼくが逡巡していると、ケンはあっさりと言った。 「だったら5千円出せよ。あとの5千円は俺が出してやる。あ――ダイスケには内緒だぞ」 新潟の資産家を親に持つ、ケンらしい発想だった。ぼくは、5千円でも高いと思ったが、しぶしぶ了解した。本音のところは、現在付き合っている英語教師以外の年配男性にも、興味があった。 (2) 次の日曜日、ぼくたちはケンのマンションに集まった。この日は管理人が非番で時間が空いているという。 管理人のシゲルさんは、見るからに素朴で大人しそうな老人だった。64歳にしては、髪の毛が薄くて、年齢以上に老けて見える。 事前にケンと話がついていたのか、シゲルさんは、ぼくとダイスケがいるのを見ても、とくに驚いた様子もない。ただ横幅のあるダイスケの身体を見て、そっとズボンの前に視線をずらすのに気づいた。大きな身体を見て、性器も大きい、と思ったのだろう。 ぼくたちはすぐ行為に移らず、リビングで、コーヒーを飲みながら会話をした。ひとつしかないソファーに老人を座らせ、その横にケンが割り込んだ。ぼくとダイスケは床で直に胡坐を組んでいた。 焼酎が飲めると聞いていたので、シゲルさんだけは、焼酎の湯割りを飲ませた。老人の緊張をほぐす目的でもあった。 ぼくたちの質問に、シゲルさんは訥々と受け答えした。大人しい性格らしく、話しぶりはきわめて控えめだ。 肛門性交を経験したのは、老人が自衛隊にいた頃だった。上官のセクハラに遭って、何度も女代わりの役をやらされた。それを知った他の男達にも、関係を迫られた。なにしろ昔の自衛隊は、男達だけの世界である。それにシゲルさんが色白で綺麗な肌をしていたのも、男達に目を付けられた原因らしい。 当時の関係は今も続いていて、年に1回か2回、気の合った者同士で1泊の温泉旅行に行って、男色行為をやっているという。 「じゃあ、そろそろ始めますか」 ケンが立ち上がった。「その前に、シゲルさん、お尻を洗ってきたら」 老人はショルダーバッグからシリンジを取り出すと、浴室に行った。肛門性交に慣れている証拠だ。 シゲルさんは白い越中フンドシ姿で戻ってきた。裸の上半身は色白のきれいな肌をしている。自衛隊時代の名残か、胸も腰もぴっちりと肉が詰まって、うっすらと脂肪の層で覆われている。フケ好きにはたまらない魅力的な肉体だ。 (3) 最初にケンが老人の相手をした。 ベッドの上で四つん這いになった老人の尻にオイルを垂らし、指で肛門をほぐす作業を簡単にやっただけで、ケンはすぐ挿入行為に移った。 ケンの性器は細長くて、左に捩じれたような格好をしている。皮を剥いた頭部は赤く充血して、プチトマトのように丸く張り詰めていた。それを老人の蕾にあてがい、腰を送って突き入れた。大した抵抗もなく、ズヌヌ―ッと入っていく。 「あっ――」 老人が小さく声をあげたが、苦しむ様子もない。まるで吸い込むような確かさで根元まで入ってしまった。 「クーッ、気持ちいい――」 ケンが声をあげた。そして、右足をすこし斜め上にあげ、陰茎を心持ち引き抜いた。ぼくたちに見せるような仕種だ。 ダイスケは目を見開いて、結合部を見つめていた。筋張った陰茎の根元が、老人の肉襞を押し広げて、呑み込まれている様子がそのまま見えた。 ケンは黙々と腰を使って、抽送を繰り返しだした。 老人のほうは、シーツに顔を埋めて、眠っているように目を閉じている。わずかに開いた口から、微かに喘ぎ声が漏れ出ていた。 二人の性交は、長くは続かなかった。 「うっ、うっ、うっ」と呻きながらケンは、老人の尻に突き入れていたが、ふいに肉根を引き抜いた。 途端、ドビュッと精液が飛んで、老人の背中から首筋にかけて付着した。 待ちかねたように、ダイスケがベッドに上がり込んだ。黒々とした陰毛の茂みから、太短いイチモツが頭をもたげている。ごつい体の割には、さほど大きくない。それに頭部は、薄茶色の厚い包皮がすっぽりと覆っている。 今度は老人の身体を仰向けにして、前から入れようとした。しかし肛門の位置が低すぎて、なかなか挿入できない。 ぼくは英語講師との交合で慣れているので、どうやればいいかすぐ分かった。 ウケの腰の下にクッションを入れ、尻が上向きになるようにすればいいのだ。 でもぼくは未経験者で通っているので、思いつきを装って提案した。 両足を抱え込んだシゲルさんの腰下にクッションを差し込むと、ダイスケが覆いかぶさるようにして、挿入行為にとりかかった。 ダイスケは不器用で、なかなか位置が合わずに苦労していた。それに亀頭の皮を剥いても、手を離すと半分ほどかぶさってしまう。 それでも何とか太い肉塊を、老人の中に入れることが出来た。 「ああ、やっと入った」とケンが言って、溜め息を吐いた。 ダイスケはケンよりもまだ早かった。性急に巨大な尻をうねらせていたと思うとウウッと低い呻き声をあげて、身体を震わせた。 「おいっ、中出ししたのかよ」 ケンが非難するように声をかけた。 ダイスケが抜け出ると、老人の開口部から白いドロリとした精液が漏れ出た。 次はぼくの番だったが、ぼくは遠慮した。シゲルさんはぼくの好みの老人だが、3人でレイプしているような気がして、気分が乗らなかった。 「すでにシゲルさんに金を渡しているんだ。やらなくても、金は返さないぞ」 ケンは念を押すように言ったが、ぼくは「それでいいさ」とあっさり答えた。 (4) その後数日間、老人とやらなかったことを少し後悔していた。 そんなある日、当のシゲルさんからぼくの携帯に電話があった。 (えっ、なに!?)ぼくは驚いた。 シゲルさんは、勝手ながらぼくの名前と携帯の番号を、ケンから聞いた。今度の日曜日に会ってくれないか、と言う。 日曜日の10時、ぼくはアパートの最寄り駅に近い喫茶店で、シゲルさんと向かい合わせに座っていた。 「先日はお恥ずかしい姿をお見せしました」 老人はおずおずと言った。「なんだか自分が、お金のために体を売ったようで、ずいぶん後悔しました」 大人しい性格の老人にしては、訥々ながら、自分から進んで話しだした。要は、シゲルさんはぼくに惹かれて、どうしても会いたいという気持ちが募った、ということだ。 そして最後に言った。 「あなたのお気持ちも考えずに、失礼しました」 ぼくはあっさりと応えた。 「ぼくもシゲルさんが気になっていたんです」 ぼくのアパートで、二人は裸になって抱き合った。 シゲルさんの肉体は、指が埋もれるほど柔らかいが、芯のある弾力もあった。 それに肌理が細かくて、しっとりとした肌をしている。 会話は無かった。黙っていても、お互いが好きであることは、眼差しや仕草の端々に感じ取れていた。 ぼくたちはベッドの上で抱き合いながら、口づけしたり、愛撫したり、足を絡ませたり、ずいぶん長い間そうやっていた。それだけでも、充分幸せだった。 でもやがて――若いぼくのほうが我慢できなくなった。 ぼくは開かれたシゲルさんの中に入ろうとした。 先端がヌルッと入った。 老人の肛門は、英語講師の宮内より包容力があるように思えた。 しかし先に進めようとすると、肛門括約筋のところで抵抗にあった。 無理やり奥まで入れようとせず、小さく腰を使って浅い抽送を繰り返した。 シゲルさんが、いかにも気持ちよさそうな顔をして目を閉じた。 先走り液がとろとろと滲み出て、肉襞の隘路全体に行き渡る。そこでグッと腰を押し込むと、亀頭がズルッという感覚で括約筋の中にもぐりこんだ。 「ああっ!」 挿入行為に入って初めて、シゲルさんが声をあげた。 ぼくの性器はカリが出っ張っているので、陰茎との段差が大きく、後はスムーズに入るはずだった。しかしぼくは、亀頭が埋没したところで動きを止めた。本当は少しでも早く、根元まで埋め込みたかったのを我慢した。 宮内と交わっているうちに、覚えたことがある。それは、太いカリの部分が括約筋を通過したところで、相手に通過の痛さを馴染ませていると、肛門が微妙な動きを始めるのだ。 シゲルさんは目をしっかりと閉じ、苦しさに耐えている。 ほんの数分経過したところで、まるで深い結合を望むように、肛門が蠕動しはじめた。蠕動しながら少しずつ亀頭を呑み込んでいく。これがいいのだ! あとは軽く腰を送り込んでやるだけで、根元まできっちり嵌まった。 「ああ――いい――」 シゲルさんが気持ちよさそうな声をあげた。 宮内には申し訳ないが、シゲルさんのほうがはるかに良質だった。 しっとりと受け入れて、ぼくの全長を断続的に締め付ける。それに奥に吸い込むような、得も言われぬ快感――。 ぼくは老人を侵しながら、桃源郷を彷徨った。 ![]() |
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22/09/02 21:17 神亀
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