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ふるさと - (7)
(7)

奥の座敷に、一式の蒲団が敷かれていた。枕元には湯の入った金盥と手ぬぐい、それに潤滑油の入った容器が並べられている。
ご隠居さんは蒲団の横で正座して、少し緊張した面持ちで、わたしのほうを見ていた。
行灯のやわらかい光の中で、小柄な体を包む浴衣姿がなまめかしい。
わたしは老人の前に立ち、ゆっくりと浴衣を脱いだ。帯を解き、浴衣を肩からはずして床に落とす。下は越中褌――今朝、泰平さんが洗ってくれたものだ。
老人がくぐもったうめき声をあげ、膝をにじり寄せてわたしの太腿にしがみついてくる。
「ああ――夢のようです。もう一度、ダンさんに抱いていただけるなんて」
老人は、わたしと亡き父を混同していた。
褌に顔を埋め、匂いを嗅ぎ、布地越しにまさぐりだす。すぐには取り出さず、褌の上からいとおしむ姿は、いかにも年寄りらしい奥ゆかしさである。

しばらく好きにさせた後、老人の体を横抱きにして、蒲団のうえに移動した。
胡坐を組むと、膝のなかで老人をすっぽりと抱き、そっと唇を合わせた。親鳥に餌を求めるヒナのように、老人が舌を入れてきた。
舌と舌を絡ませながら、老人の体から浴衣を剥ぎ取った。その下は、わたしと同じ褌姿だった。老人の肌は異質なほど白く、滲みも少ない。
褌を取り払ったとき、腰から尻にかけて、福々しいほど肉付きが良いのに気づいた。小振りな顔や小柄な和服姿からみて、意外なほどだった。白くなった陰毛は極端に薄く、形の良い小振りの逸物が、つつましやかに頭を覗かせている。



それにしても、なんとも抱き心地の良い体だった。シルクのクッションのように柔らかくて、手の平にしっとりと吸い付くようだ。その肌からは、かすかにお香の匂いがした。
小ぢんまりとした乳首を吸ってやる。
「ああっ――いい」
ご隠居さんが顎をそらせて、かわいらしく喘ぐ。
老人の尻を見たくて、膝の上でうつぶせにした。しっとりとした白桃のようなお尻――それを見ていると、急に昂りを覚えた。
尻に手を添えて、双丘を開いてみる。すっかり開拓されて緩めだが、老人にしては色素の薄いきれいな菊座だった。前もって内部を清めていたらしく、指で押し開くと、清潔そうな色合いをしている。この菊紋を、わたしの父が何度も味わっていたのだと思うと、奇妙な心境になってくる。

じっくりと楽しむつもりだったが、ご隠居さんの菊座を見ていて、考えを変えた。すぐに入れて、味わいたくなった。
用意した潤滑油を、老人の秘所とわたしの男根に、たっぷりと塗りつけた。老人とは思えないほどふくよかな尻を背後から抱え、挿入の態勢をとると、老人の体が震えだした。
そんなご隠居さんを見て、急に愛情が募った。そして可愛いとも思った。
わたしは亀頭部をやわらかい菊門にあてがい、円を描きながら愛撫し、ゆっくりと前に送り込んだ。
肉門を押し開いたところで少し抵抗があり、力を加えると、ずるりと亀頭部が入り込んだ。そのまま、ずぶずぶと奥まで呑み込まれていく。
こんなにスムーズに受け入れた相手は、初めてだった。
たいがいの男は、最初に入れるときは痛がるのだが、この老人は、カリが通過するときだけ、くぐもったうめき声を上げただけだ。
陰茎が根元まで収まったとき、泰平さんが車で言っていた、ご隠居さんのあそこの具合がすごくいい、ということを実感した。
えもいわれぬ快感が、怒張した全長を押し包んでいた。肉の襞がぴっちりと覆い包み、ゆるやかに蠢いているのだ。

わたしは気を取り直して、ゆっくりと抜き差しした。老人の腸壁を逸物で愛撫するように、情感を込めてゆっくりと――。
ズヌヌヌ、ヌプッ、ズッ、グニューウ――。
「ああ――ダンさん、いいです――ああ、極楽です――」
ご隠居さんはよほど気持ちが良いらしく、自分から腰をうねらせながら、夢うつつに声をだしている。
わたしは老人を後ろから犯しながら、じょじょに体位を変えて、横向きに抱いた。その間も、下半身はしっかりと繋がっている。
挿入する角度が変わっても、老人の器官は非常に滑りが良い。
ズブリ、ズブリ、太い逸物が腸壁を摩擦しだすと、ご隠居さんが尻を丸めて、かわいらしい声で泣き始めた。
「ああ、ダンさん――ああ、ああ――ダンさん、いいです――ああ、ああ――」

ご隠居さんは気持ちよさそうに善がったが、わたしは今ひとつ老人と同調できなかった。たしかに老人の内部は、名器といえるほど具合が良かった。
しかし老人の呼びかける、ダンさんという言葉がわずらわしかった。最初のうちは、わたしの父に対する老人の愛情の深さに感銘したが、いま老人を悦ばしているのは父ではない。父に対する嫉妬心と同時に、対抗心が生まれた。
(だったら、どちらが上か、この老人の体に聞いてやる)

わたしは老人の体から引き抜いて、小休止した。時計を見ると、30分が経過している。胡坐を組み、老人の体を膝の上に抱いて、愛撫してやりながら話しかけた。
「ご隠居さん、わたしは昇一です。どうも、繋がっているときにダンさんと呼ばれると、もうひとつその気になれない」
ご隠居さんは驚いたように、わたしの顔を下から見た。
「ああ、失礼しました。久しぶりに、本物の男に抱かれた悦びを味わったものですから。ダンさんに可愛がられていたときのことを、つい思い出してしまいます」
わたしは情感をこめて、老人の唇を吸った。しばらくして、耳元でささやいた。
「わたしは死んだ人間より、体温のある生きた人間のほうがいい。そして、お父さんが好きです――お父さんと呼んでいいですか?」
老人が、そっとうなずいた。
「じゃあ、お父さん。わたしのことを昇一って呼んでください」
「――昇一」
「ありがとう。じゃあ続ける前に、おしっこに行きますか?」
老人がうなずいたので、そのまま老人の体を抱きあげて、トイレに向かった。

部屋に戻る途中で、泰平さんが廊下に出てきた。素っ裸で老人を抱いているわたしを見て、泰平さんは小声で言った。
「ああ――終わりましたか」
「いや、まだ――途中休憩です」
わたしの返事に、泰平さんは逡巡していたが、口ごもりながら言った。
「あのう、わしも――見ているだけでいいから――部屋に行ってもいいかね」
わたしは腕に抱いている、老人の顔を見た。
ご隠居さんが意を汲んで、そっとうなずいた。
[17/03/22 07:09 神亀]
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