| 戻る / 目次 / 次へ |
(5)出歯亀 |
|
のぞきの常習者や変質者を指して、出歯亀と呼ぶ。
もとをたどれば明治時代、女湯のぞきの常習者で出っ歯の池田亀太郎が引き起こした、猟奇殺人事件からである。 教職者や警官等の公職にある人物でさえ、のぞきや盗撮で逮捕されたという話題が後を尽きない。それほど、のぞきという行為は、好き者にとって魅力ある行為なのであろう。 さてここに小山等という男がいる。52歳、小柄でほっそりとして、歌舞伎役者の女形にしても通るような優しい顔をしている。 本人はそれを気にして、鼻の下に髭を生やしているが、白いものの混じった薄い髭なので、本人の目指す威厳効果は、あまり出ていない。 一部の人間はどういうわけか、この男がなよっとした見た目に似合わず、カリ高ズル剥けの男の道具をぶら下げていると知っている。 それはともかく、この小山等には無類の覗き趣味があった。 と言っても、鏡やスマホを使って女の子のスカートの中を覗いたり盗撮したりするような、犯罪行為はやっていない。それにもともと彼は、女に対して全く興味を持っていない。 ヒトシの場合は、たまたま――それこそほんのたまたま、興味ある場面に遭遇したとき、物陰に隠れてじっとのぞき見する――そんなたぐいのものだった。 その興味ある場面とは、どんなものなのか? 例えば夜の日比谷公園。ヒトシは仕事のあと、この公園をよく歩き回る。そしてたまに、ほろ酔い加減のスーツ姿の親父リーマンたちが発展しあっている場面を見かけたりすると、素早く物陰に隠れて社会見学をする。 ヒトシは清掃会社で働いている。その前はアパレル業界で働いていたが、不況のあおりを食ってリストラされ、今の会社に拾われた。会社で働くといっても分かりやすく言えば清掃員である。 モップやポリッシャーを使って床を清掃したり、雑巾でテーブルを拭いたり、あるいはガラス磨きをやったりする。 働く時間帯は、早朝と夕方以降。場所は会社に指示されれば、どこにでも出向く。目下のところは、丸の内のオフィスビルが働き場所となっている。 ゴールデンウィーク明けのある晩、ヒトシは某企業の室内清掃を一人でやっていた。時刻は夜の8時頃である。 そのフロアは役員階で、床は分厚いカーペットが敷かれ、会社員はすでに帰っていることもあって、あたりはシーンと静寂に包まれていた。 フロアの奥に向かったとき、一つのドアの下から明かりが漏れていた。 (おや、まだ残っている人がいたのか) 近づくと、その部屋は専務室だった。 ヒトシは、手前の部屋のドアを開け、中に入った。暗がりの中を専務室との境の壁伝いに、窓のほうに行く。壁際のサイドボードのところに行くと、上部の壁に掛かった絵画をそっと外した。 細いスポットライトのように、一条の光が壁から放射された。 秘密の覗き穴だった。ヒトシは偶然、この覗き穴を見つけていた。誰が何の理由で設けたのか知らないが、明らかに専務室の様子を見るのが目的だと分かる。 恐る恐るその穴を覗いて、ヒトシは危うく声をあげるところだった。 おそらく部屋の主の専務であろう、いかにも偉いさんらしい顔つきの紳士が、ソファーに座っていた。 しかし、その状況が異様だった。 上着やネクタイは着けたままなのに、下半身はすっぽんぽんなのだ。シャツは胸元までまくられ、乳首がみえていた。 その乳首を指先で摘まんで揉み解しながら、もう一方の手は、赤く色づいた亀頭を揉んでいる。ときおり年配者の口から、「はあっ――」と悩ましいため息が漏れ出ていた。 心臓がバクバクと騒ぎ立てる中、ヒトシは魅入られたように、室内で繰り広げられる重役の自慰行為を見ていた。 ヒトシの片手は自然に下にいき、ズボンの前をまさぐる。我慢できなくなって、ファスナーを引き下げ、自らの逸物を取り出した――。 ![]() そのとき、肩に誰かの手が置かれ、ヒトシはギョッとした。 振り返ると、暗闇に背の高い警備員が立っていた。たしか奥村と名乗る、中年の男だ。 奥村は口に人差し指を立て、額縁を戻すよう身振りで指示した。 きまり悪そうに額縁をもとの位置に戻し、部屋から出ると、警備員は黙ってヒトシの腕をつかみ、エレベーターの方に引っ張っていった。 連れていかれたのは地下1階の監視室ではなく、警備員の控室だった。和室4畳半に流しと湯沸かし、奥の壁際に仮眠用の2段ベッドがある。 部屋には60代後半とみられる、でっぷりと太った年配の男が、胡坐をかいてテレビを見ていた。警備主任の川勝という男だ。彼はヒトシの姿を見て、何だと言うように奥村の方を見た。 「こいつ、例のところから専務室を覗いていたんです」 奥村が報告して、ヒトシは慌てて言った。 「ごめんなさい!光が漏れていたんで、誰か残っているのかなと思って――」 とたんに頭をどつかれた。 「馬鹿っ!だったらなんで、ズボンからチ〇ポを出して扱いていたんだ」 「――」 奥村の一言に、ヒトシはぐうの音も出なかった。 川勝主任がおっとりと言った。 「オクちゃん、まあ、そう怒るな」 そこでヒトシに向かって「ところであんたは、覗き穴をどうして知ってるんだね」 「はあ、掃除をしているときに、偶然見つけました」 「偶然ねえ――」 主任は疑わしそうにヒトシの顔を見ていたが、ふと警備員に言った。 「オクちゃん、この男をどうしますかねえ」 「はあ、少し懲らしめてやる必要があると思います」 「懲らしめるねえ――ま、可愛らしい顔をしてるから、アレをやりますか」 (えっ、アレって何?) ヒトシは慌てた。彼が冷静であったなら、なぜ警備員たちがあの覗き穴のことを知っているのか、色々の疑問を抱くのだが、今は罪の意識にすっかり動転して、それどころではなかった。 「じゃあ、先に身体をきれいにしようね」 主任が言って、座布団から立ち上がった。それから二人がかりで、ヒトシの服を脱がせ始めた。 「ささ、服を脱いで。まずはシャワーで身体をきれいにしますよ」 抵抗する間もなかった。ヒトシはむりやり裸にされ、同じく裸になった男たちに腕を掴まれて、横のシャワールームに連れ込まれた。 主任は背が低い分、でっぷりと肥って、色白の肉体をしていた。奥村のほうは、浅黒い筋肉質の肉体をしている。 「ほう、なかなか立派なチ〇ポやないか」 主任が言って、ヒトシの性器を無遠慮にまさぐった。 ヒトシは狭いシャワールームで二人の男に挟まれ、手荒く身体を洗われた。 シャワーを頭から掛けられ、液体石鹸を腹や尻、股間に擦りつけられる。そしてあろうことか、浣腸用の器具で何度も直腸に湯を注ぎ込まれた。その都度、横の便器に腰掛けて、湯を吐き出させられる。 あとで何をされるのか――ヒトシは震えあがった。なにしろ中年警備員の半勃起状態になった浅黒い性器は、棍棒のような太さと長さがあったからだ。 畳の部屋に戻って、いよいよ淫らな痴戯が開始された。 大股開きで床に座り込んだ奥村が、背後からヒトシを腕に抱き、慣れた手つきで乳首を刺激しだした。 主任のほうはヒトシの足を広げ、股間に顔を近づけた。 「お前、優しい顔をしてる割に、チ〇ポは愛想なしに立派やな。どれ、味見して見るか」 分身が湿った温かいものに包まれて、ヒトシは喘ぎ声をあげた。いま彼は、これまで覗き見た他人の行為を、我が身をもって体験しているのだ。 厚ぼったい唇と舌で、まったりとした口淫を受け、ヒトシは急激に昂った。 それを察知して、背後の奥村が耳元でささやく。 「いいか主任の口の中に、白いモノなんか出すなよ。出したら承知しないぞ」 挑発するように、器用な舌の動きが活発になった。根元から亀頭にかけてしゃぶりあげ、くびれをネロネロと舐め、カリの外周を唇で挟んで抽送する。 (あっ、駄目――そんなことしたら、出ちゃう) 募りくる快感のなか、ヒトシは必死で射精を堪えた。 不意に主任の顔が離れた。主任は、濡れた分厚い唇を舌で舐めながら言った。 「さあて、今度は下の口で味わうか」 (えっ、何?何をやろうっていうの?) 戸惑うのも束の間、主任のでっぷりとした身体がヒトシの股間に跨ってきた。 唾液で濡れ光る肉棒が、大きな尻の狭間に呑み込まれていく。よほど使い慣れているのか、主任の肉壺は全長をすっぽりと収めた。 「いいっ!――いいぞ」 主任は息を荒げて、太った尻をうねらせた。臼で捏ねるように円を描き、締め付けながら上下する。 ヒトシは急上昇した。(ああっ!――いきそう) ヒトシの射精の疼きを察知して、主任が離れた。湿田から足を引き抜くように、ズボッと濡れた卑猥な音がした。 素早く主任は、爆発寸前の男根を手でしごきだした。 「ああっ!」 ヒトシの身体がビクンと痙攣した。白濁した体液が弾け飛んだ。 ビクン、ビクン――甘美な痙攣につれ、溢れ出る液が薄くなる――。 「ほほう、いっぱい出したな」 ヒトシの腹から喉元にかけ飛び散った精液を、手の平で撫で延ばしながら、主任が感心したように言った。 射精後の放心感でヒトシが呆然としていると、奥村の声が聞こえた。 「さあて、今度は俺が楽しませてもらうか」 すかさず腰の下にクッションが差し込まれ、足を引き上げられた。二人がかりで両足を左右に押し開かれ、恥ずかしい部分が晒された。 「ほう、これはまた可愛らしいオチョボ口やな――いかにも締まりがよさそうや――おっ、ヒクンヒクンしてるやないか――そんなにチ〇ポが欲しいか」 主任が言いながら、いやらしい指使いで菊座を弄り回す。 (ああっ、駄目っ!) 今度は主任に代わって、奥村が指を突っ込んできた。こちらの方は容赦がない。 オイルを付けたごつい指が強引に出入りして、すぐ2本の指にした。 普通ならアナル拡張は日にちをかけて、じんわりと広げていくのだが、奥村はそれを短時間でやろうとしているのだ。 ヒトシは騒ぎ立てた。 「うわあっ!痛い――痛いですゥ」 「バカッ、痛がる歳でもないだろうが」 奥村は平然と内部を掻きまわし、チョキの要領で入口を押し広げる。 その間、主任のほうは位置を変えて、同僚の性器を尺八しだした。 やがて奥村が、開かれた尻の前で膝立ちになった。今や禍々しい形状をした肉の棍棒が、オイルでぎらぎらと濡れ光って、黒い茂みから突き出ていた。 「駄目っ!そんなの無理――嫌だあァ!」 ヒトシは恐怖の目を見開き、激しく悶えたが、主任が太った体重を利して、開かれた足を押さえ込んだ。 筋肉質の身体が圧し掛かってきて、秘口が強引に押し広げられた。 「いやっ、駄目っ!駄目だってばァ!」 カリの通過と共に、狭い肉路が極限まで拡張されていく。それと共に、鈍痛から鋭い痛みに変わっていく。 (引き裂かれる!)と思った途端、ズグッと入ってきた。 「ギャンッ!」 ヒトシは悶絶した。 「おっ、やっと入ったか」 横で見ていた主任が言って、手を伸ばすと結合部を確かめた。 しかしそれは、まだ半分ほどしか入れていなかったのだ。 中年の警備員は、何度か軽く抽送させて、入口の部分が充分こなれてきたと思うと、一気に奥まで突っ込んできた。 「ぎゃあっ!――」 ヒトシは顎をのけ反らせた。激痛が脳天をズーンと突き抜ける。 警備員は根元まで突き入れたまま、しばらく動かなかった。 「おう、良く締まる。いいオマ〇コだ」 ヒトシは目をしっかりと閉じ、口を開けたまま息を潜ませていた。ちょっとでも動けば、激痛が襲ってくる気がした。 そのとき、柔らかい何かが、開いた口に押し込まれた。 「ほれ、上の口が寂しがってるぞ。しゃぶるんだ」 主任がヒトシの顔の上から、性器を押し付けていた。 短いがすごく太かった。 (こんなのを口に突っ込まれたら、窒息しちまう――) 仕方なく、舌を使って舐めだした。少ししょっぱい奇妙な味がした。 奥村が腰をうねらせだした。 途端、身体の芯に痛みが襲ってきた。 「痛い――やめてください。痛いですゥ」 ヒトシは懇願したが、奥村はいよいよ激しくピストン運動した。 しかも口腔に押し込まれた主任の肉塊は、徐々に圧迫感を強めている。 二人の警備員によって、上下の口を責められながら、意識が朦朧としてきた。 途中でうつ伏せにされ、今度は背後から責められた。硬い棍棒のような性器が、腸壁を摩擦しながら激しく行き来する。 ヒトシのそこは、もはや麻痺して、痛いのかどうかも分からない。 全てが終わったとき、ヒトシはボロ屑のように横たわっていた。のぞきの代償というには、あまりにも苦痛に満ちた罰だった。 |
|
21/08/19 08:07 神亀
|