目 次
老春の街(前)
この頃どういうわけかホンワカとして、生温かい男色ムードに包まれているような気分である。なにか心ときめく出会いがあるような予感もする。自分の灰色の脳細胞がじんわりとピンク色に染まっていくのが自覚される。
そんな気分の時は、無性に人物画を描きたくなる。艶っぽい絵を描いていると、心安らかな幸せ感が広がる。心のおもむくまま、次から次へとエロ画ができあがる。仕上げは粗いが、構図は気の済むまで下書きを積み重ねている。
一息ついたところで、描き上げた絵を見ていると、さまざまな爺ちゃんたちの人生模様が浮かんでくる。その断片をつなぎ合わせてお話にしたのが本作である。
なお、前に『あけぼの町物語』という短編集を書いて、爺々悠々に掲載したが、その関連性はありません。



※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体などと一切関係ありません。