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(四)

行為の前に義父を浴室に連れていって、直腸を洗浄してやりました。
それから、裸のままベッドに戻り、いよいよ愛の行為の開始です。
私は先を急がずじっくりと、キスと愛撫と口淫で義父の興奮を高めていきます。ほどなく、80歳の老体が気持ち良さそうに弛緩して、うっすらと汗ばんできました。
やがて義父を跪かせます。しっとりとしたふくよかな双丘、恥じらうようなさくら色に染まった谷間。それを左右に押し開くと、くぼみの中心部に皺の寄り添った蕾が見えます。薄茶色に色づいて、密やかに息づいています。
私は舌を使って、尻の狭間全体を舐め、軟らかい菊座の膨らみをくすぐり、それからまた尻の付け根付近を舐め回します。
義父は気持ち良さそうに、ため息ともあえぎ声とも取れる声をあげています。その肌がしっとりと潤ってきたように感じました。
そこで指にラブオイルを付けて、開口部を解きほぐしにかかります。じっくりと時間をかけて、指を1本、2本と増やします。その間、高齢を考慮して、同じ姿勢ではなく、横向きにしたり、仰向けにしたりして、義父の負担をできるだけ軽くしてやりました。

すっかり準備が整うと、義父をうつ伏せにし、腹の下にクッションを二重に置いて、臀部の位置を高くしました。
「お父さん、入れますよ」
一言断って、怒張した先端部を、柔らかいくぼみに当てがい、力を加えていきました。
いよいよ義父と合体するんだと思うと、極度の興奮に、心臓は激しく脈打ち、義父の腰を掴む手がぶるぶると震えています。
亀頭部が肉の環門を押し開きながら、じんわりと呑み込まれていきます。
カリが通過するところで、強い抵抗に逢いました。
ひと思いにグッと押し込むと、ズルッといった感じで通過しました。
「ひゃああっ!」
義父が悲鳴を上げて、シーツにしがみつきました。私はそのまま、義父の脇腹や臀部、太腿を撫でてやりながら、義父に声をかけます。
「お父さん、もう大丈夫です。あとは楽ですからね」
今度もゆっくりと、奥の方に突き進めます。
しかし、義父にとっては、大丈夫どころでは無いようです。シーツを握り締め、必死で苦痛に堪えている風情です。それでも決して中断を要求せず、じっと苦痛に耐えている姿は、いじらしいほどです。

ついに奥まで挿入しました。全長が温かい腸壁に押し包まれています。
私は感激のあまり、一瞬、頭の中が真っ白になりました。あれほど恋焦がれていた義父と、今この瞬間に、一体となっているのです。
そのまま密着していると、圧倒的な柔らか味が押し寄せてきます。義父の息遣いにつれ、腸壁の感触が微妙に変化しているのに気づきます。
陽根から蟻の門渡り、背骨伝いに、快感がじくじくとかけ登ります。
このまま遮二無二動いて、思いを遂げようとする衝動に駆られますが、グッと抑えて、いったん引き抜きます。

クッションを外して義父を横たえ、その体を抱きながら話しかけます。
「どうです、お父さん、初体験は――」
義父は複雑な表情をして、考えながら言います。
「まだ入ってるような気がしてる――何というか――女になったような、排便したいような――妙な気分だ」
「初めての時は、そんなものです。慣れてくれば、ずっと気持ち良くなりますよ」
私はもっともらしく言って、義父にキスをします。
しばらくして、耳元でささやきました。
「さあ、お父さん、続きをやります。今度は前からですよ」

今度はお尻の下にクッションを差し込んで、義父の両足を私の肩に乗せ、握った逸物を軟らかい開口部にあてがいます。義父は防衛本能が働いたのか、ベッドに手を突く私の腕をしっかりと掴んでいます。
そのまま前屈みに腰を送り込むと、先端が蕾を割って、じんわりとめり込んでいきます。
――あっ!ああーっ!
義父が喘ぎ声をあげて、私の腕を強く握ります。
突き進むにつれ、圧倒的な柔らか味と温もりが、先端から根元に向けて、覆い包んできます。
義父は目をしっかりと閉じ、顔を歪めて苦痛に耐えています。目元に涙が滲んでいるのに気付き、一瞬、義父がかわいそうに思えました。
それでも、内部の柔らかい感触が、私の興奮と快感を急上昇させました。
ともすれば激しく動きたくなる欲望を抑えて、私はそのまま、義父の体が馴染んでくるのをじっと待ちます。
このとき私は既に62歳、自分の快楽より、相手の悦びを優先させる分別もついています。少し冷静さを取り戻して、先を急がずじっくりと、義父との交合を味わいながら楽しもうとしました。
それでもクライマックスを迎える頃には、老体への配慮も忘れて、激情の赴くままに動いてしまいました。すっかり終わったとき、ぐったりとしてベッドに横たわる義父を見て、少し罪悪感を覚えました。


義父と初めて結ばれて以来、心の底にあった義父への苦手意識が、完全に払拭された気がします。もはや義父への思いを隠す必要も無く、性欲が募ったときは、遠慮なくやわらかい後ろを使わせてもらいました。
一方、義父の方も、何のこだわりもなく、愛の行為を受け入れています。肛門に挿入されることに馴染んだのか、滑らかに抽送運動をしていると、気持ち良さそうな声さえあげるまでになっています。
しかも、肛門性交が良い方に作用したのか、義父は若返ったように感じます。肌に張りがでて、食欲も増し、股間の逸物も硬くする回数が増えてきました。

普段の義父の様子は、人生が楽しくて仕方がないと言うように、明るく穏やかな表情をしています。いかにも可愛らしいお爺ちゃん、といった風情です。表情が乏しかった数年前のことが、信じられないくらいです。
とくに機嫌が良いときは、「シンちゃん、大好き」と口癖のように言います。
また、私に対する義父の意識は、親子と言うより、恋人の関係に変わってきたように思います。
朝、散歩をしているときも、街に出かけたときも、そっと私の手を握ってきます。そして、ことあるごとに、体の接触を求めます。いつ人前で、義父がキスを求めてくるか、と気が気ではありません。
男色行為に慣れた義父は、表面上、認知症もすっかり治ったように思えます。
一般的に、認知症は悪化することはあっても治ることはない、と言われていますが、私たちの関係のように、男色行為を新しい治療法として試してみる価値はありそうです。
その頃から義父は、書斎の片付けをするようになりました。ダンボール箱に入れた古い書類を取り出して、大半は廃棄処分にしています。
いっぽう、万一の為と言って、預金や有価証券の管理も、私に任せるようになりました。

その後も、義父との親密な関係は続きましたが、毎日がなんとなく、淡々と流れていくような気がしてなりません。喜びの振幅あるいは感動の振幅が、私自身、老境に入って小さくなったからでしょうか。
それでも義父と一緒に過ごした日々は、何にも代えがたい幸せなものでした。
幼児返りしたような無邪気な笑顔、素直で温和な性格、懐かしい郷愁を誘う声。そして何より、夜、肌を合わせたときの幸せ感――義父の全てが、私の心を癒し、悦びで満たしてくれます。

義父が心筋梗塞で倒れたのは、2月の寒い早朝でした。救急車で病院に運ばれたときは、もう手遅れでした。
享年83歳。認知症が軽くなり、義父の新しい人生はこれからだ、と楽しみにしていた矢先のことでした。
――シンちゃん、大好き。
無邪気な声が、耳に残っています。
義父のすべてが善性でした。
穏やかな笑顔や、手に残るやわらかい体の感触――ふと思い出して、無性にやるせない気持ちになることがあります。
                                  合掌

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18/06/24 15:41 神亀

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