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第2話 運の強い男 |
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鋤(すき)や鎌(かま)などの農機具を作っている阿礼鋤(あれすき)カンパニーの社長、阿礼強士(あれつよし)は、強運の持ち主でした。
家庭菜園の普及のおかげで、父親の後を継いだ町工場の経営も順調でしたし、気立ての良い女房と二人の子宝にも恵まれました。 強士は、温厚と愛嬌の同居する、お坊さんのような容貌をしています。背が低くでっぷりと太った体は、いたって健康です。 性格ものんびりとして大陸風です。 そんな風貌から、さしたる経営の才があるわけではありませんが、人に好かれる才だけはあったようです。彼の工場は優秀な職人たちにも恵まれていました。 しかし何事も充足すると、人は往々にして刺激のある世界を求めるものです。 強士は50代の頃、かなり危ない女遊びに溺れていました。 それがある出来事をきっかけに、終止符を打つことになったのです。 強士が60歳になったときでした。 たまたま手を付けた生娘の祖父が、危ない筋の大親分だったのです。その娘の母親ルートで、孫娘の変事を知った親分は、さっそく手下たちに命じて、強士を拉致させました。 目を半眼にして両腕を組む親分の前で、強士はすっかり縮こまっていました。彼の背後には、二人の屈強な体格をした若い男たちが、いつでも襲いかかれる態勢で控えています。 これまで運の強かった強士も、いまや風前の灯火でした。 彼の頭の中では、逆さ吊りにされて鞭うたれたり、コンクリート詰めにされて海に放り込まれたり、さまざまな残酷シーンが駆け巡っていました。 親分は60代半ばくらい、半白の短い髪に一見穏やかそうな顔つきをしていますが、数々の修羅場をくぐり抜けてきた伝説の男でした。 親分は、強士が怯えきっているのを十分承知していながら、黙って生贄の全身をねめ回していました。 やがておもむろに口を開きます。 「自分、可愛らしい顔してるやんけ。わしのタイプやで」 親分の思わぬ言葉に、強士は怪訝そうに相手の顔を見ました。ねっとりとした視線が、強士の股間に絡みついています。 「その膨らみからすると、かなり大きいんやろ。服を脱いでみ」 「はい?」 「はい?じゃなくて、服を脱ぐんだよ」 背後の子分たちが脅すように立ち上がるのに気づき、強士は慌てて服を脱ぎ始めました。 一糸まとわぬ裸になった強士の全身を舐めまわすように見ながら、親分がほくそ笑みました。 「ほう、やっぱ自分、可愛らしい体してるやんか。ほれ、むこう向きになって、腰をかがめてみ」 強士は親分の言うまま、さまざまな体位を取らされます。彼が腰を曲げて、大股開きに尻を向けると、親分の声が聞こえてきました。 「ほう、おいしそうな菊の紋やないか。自分、突っ込むのが好きなようやが、突っ込まれるのも具合良さそうじゃん」 それから親分は、背後の子分に命令しました。「きれいにしてやれ」 その後は、茫然自失の中で物事が進みました。 強士は若い衆に連れられて浴室に行き、シャワーをかけられ、徹底的に体の隅々まで洗われました。あろうことか、直腸まで洗浄されたのです。 そのあと裸のまま、うす暗い寝室に連れて行かれました。 そこにはフンドシ姿の親分が待っていました。 (何なんだ、この展開は?) 強士は茫然としています。 親分は強士をベッドに誘い、アラーの祈りをさせました。その格好のまま尻をまさぐられ、思わず「ひっ!」と肛門を引き締めました。 「自分、可愛らしいオイドしてるやんか」 親分の声が聞こえて、尻の狭間にヌメっとしたものを感じました。 なんと、親分の舌でした。 器用な舌先が、尻の狭間から太腿の付け根にかけて、舐めまわします。 ――そこの温もりと、潤いを楽しむように、ゆっくりと。 ついで軟らかな縁に沿って、丸く絵取ります。 固く尖らせた舌先が、濡れた縁をひろげ、奥の小道に侵入すると、強士は喘いで腰をずり上げました。 (あ、あ、何か変になりそう――) 未知の快感に、強士はあえぎました。 舌が離れて、今度は仰向けにされました。 そこでまた赤ん坊のおむつを替えるような、屈辱的な格好を取らされました。 両膝を抱え込んだ窮屈な姿勢で、晒された恥ずかしい部分を、親分がじっと見ています。 「ほう、おちょぼ口のそそられる眺めや。しかし、ちょいと解さなあかんな」 親分は言って、蟻の戸当たりから菊座にかけて触ってきます。最初は軽い羽毛のタッチで、サワっと――次いで菊座を絵取るように、サワサワっと。 「ひっ!」 思わず声が出て、寄り添った皺がククッと収縮します。 「おっ、こりゃあ締まりが良さそうや」 指の腹がツボミをそっと圧迫して、ぬりぬりします。オイルでも付けているのかぬめる感触です。次いで指の先端が、肉の沼地にヌッと入ります。 「あっ、そこダメ!」 強士は抗議しますが、相手にはまったく応えていません。 指の先が浅く、ヌプッ、ヌプッ、とツボミをノックします。 そして、あどけない膨らみを割って――ズニューウと入ってきました。 「ひっ!いやあっ!だめえ――っ」 にわかに騒ぎ出した強士にかまわず、親分は指を抽送させます。 「どや、気持ちいいやろが。ほれ、ほれ、これはどうや――」 そのうち強士は、妙な気分になってきました。なんか気持ちいいような――。 ![]() しばらくして、親分が命令します。 「よし、今度はわしを吸ってくれ」 親分はベッドの上で仁王立ちになると、自らのフンドシを解きました。 強士はのろのろと起き上がりました。それから従順に、頭をもたげかけた肉根を手で捧げ持ち、肉厚の先端を口に含みました。少ししょっぱい味がします。 笠を開いて成長するマツタケのように、それはみるみる膨らんで、彼の口中をいっぱいに満たします。年の割には、すこぶる元気な肉根です。 「舌を使ってしゃぶるんだ――そうだ――吸ってみろ」 もはや舌を使うどころではありません。膨れあがった肉根が隆々と息づき、強士は息をするのも困難でした。そして非情にも、親分の声がします。 「うう、いい――。ほれ、もっと奥まで咥えろ」 そのあと強士は、生まれて初めて男を受け入れました。 背後から菊座を押し開いて侵入してきたものは、奇妙な弾力がありました。さほど硬くなく、まるでゴムのようでした。それは内部でなおのこと膨張し、腸壁を圧迫しながら奥へと入ってきます。 強士はシーツに顔をうずめ、息苦しさに耐えました。 先ほど目にし、口に含んだもの――短いがずんぐりと太いものが、いま自分のお尻の中に入っているのです。 苦しいけれども、痛くはありません。その苦しさのなかで、強士は息詰まる興奮を覚えていました。彼は女好きでしたが、男にも興味を持っていました。それが実践編に入っただけのことです。 性器が埋まっている感覚に慣れてきたころ、親分がゆっくりと動き出しました。親分が突き進むたびに、マゾ的な快感が燃えあがってきます。 「いい――自分、いい壺してるで――」 親分は呻くように言いながら、腰を大きくうねらせました。 強士はもっと奥まで受け入れようと、背中をたわめ、尻を背後に突き出しました。そのうち、なにも考えられなくなりました。うしろを大きく広げて進入する圧迫感――腸壁を行き来するなめらかな感触――まるで女になったような倒錯した快感です。 阿礼強士の強運は、尽きていませんでした。その日は親分にお釜を掘られただけで、無罪放免されたのでした。しかも、新たな性の悦びを覚えるという余録まであって――。 その後も何度か親分に抱かれましたが、親分も寄る年波に勝てず、いつしか二人はおしゃべりとおしゃぶりを楽しむ、お茶のみ友達になっていました。 でも一度覚えた男色の味は、忘れられません。強士の性機能の衰えに反比例して逞しい男に貫かれる悦びを求めるようになっていたのです。 強士が70歳に近づいた頃、息子に経営を任せ、自身は会長としてもっぱら得意先相手の営業だけをするようになりました。 そして、ある50代半ばの男性に片思いの恋をしました。 相手は得意先の部長で、剣道をやっているというだけあって、立ち姿のすっきりした男前でした。全くのノンケでしたが、強士の想いは募る一方です。 それでは今晩はこのへんで、おやすみなさい。 えっ、片思いの恋では終わらないだろうって?まあ――そうですが。 では、そのお話はいずれかの機会に――。 |
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18/04/17 17:41 神亀
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