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第1話 人の良い男

どこの職場でも、根アカで愛すべきベテラン社員は重宝されるものです。豊富な経験知識がある上、ともすればギスギスしがちな職場環境を和らげてくれます。クニさんは、そんなイメージがピッタリとくる人でした。
58歳、血色の良い丸顔にまん丸眼鏡、そしてすっかり薄くなった頭。愛嬌のある顔つきと、背の低いふっくらとした体つきは、そばにいるだけで、ほんわかとした気分にしてくれます。
しかし、この愛すべきクニさんを、別の意味で重宝しようと思う人物が現れたらどうなるのでしょうか。

この春、クニさんの職場に新しい本部長がやってきました。クニさんより2つ年下、超エリートな重役として名の知れた人物でした。クニさんは業務課長だけに何かにつけ、この本部長のお世話をしなければなりません。
ところが、エリートタイプに有り勝ちですが、この重役は多重人格者だったのです。クールな頭脳に隠された熱情、坊ちゃん育ちのわがままと癇癪、その反面、寂しがり屋で繊細な優しさもあります。そしてときに、いたずら坊主の茶目っ気も見せます。
当然のことにクニさんは、この多面性を持つ重役に翻弄されっ放しでした。
仕事では厳しくて、金玉が縮み上がるほど叱られたかと思えば、別の夜は、居酒屋、スナックと引き連れられて陽気に騒ぎます。
そのうちクニさんは、この重役の対処法を身につけていました。
重役はこびへつらう人間が大嫌いでした。だから意見があれば遠慮なくはっきりと言う。そして重役が暴君に変身したときは、決して逆らわず、出来れば近寄らないで、吹き荒れる暴風が過ぎ去るのをひたすら待つのです。
こんな対処法の効果があってか、クニさんに対する重役の態度が、優しくなったような気がします。クニさん自身も、重役の癖を把握できたと自信を持ち始めていました。
しかし、それが全くの思い違いであったことを、まもなく知ることになったのです。

クニさんが重役のお伴をして、福岡に出張したときのことでした。
仕事自体は難しいものではありません。ただ重役の後ろに付いて、カバン持ちをやっていれば良かったのです。
のんびりとした地方都市の雰囲気も、クニさんの性格にぴったりでした。
一日の仕事が終わって、博多の料亭で支店幹部たちと酒宴を開いたあと、重役と二人してホテルに戻りました。

部屋でひとりきりになると、ほっとするとともに、一日の疲れがどっと押し寄せてきました。楽な仕事と言っても、重役とずっと一緒だったので、緊張していたのでしょう。
浴槽に熱い湯を張り、我慢して肩までどっぷりと浸かりました。
しびれるような熱さが心地よい温度になり、毛穴の隅々まで浸透してきて、一日の疲れがじんわりと抜けていきます。
クニさんは湯船に寝そべり、石鹸を使ってふくよかな肉体の隅々まで洗いました。お尻を洗っているとき、ふと指先が菊門を通り過ぎて、ツンとくる快感が走りました。それが気持ち良くて、石鹸をつけた指先でしばし戯れていました。
それは旅先のバスルームで、ひとりきりになっての秘めたお遊びでした。

ふと部屋の電話が鳴っているのに気づきました。あわてたクニさんは、裸のまま浴室を飛び出して、受話器を取りました。
――クニさん?私の部屋で飲み直しをやるぞ。チュウハイがいいな――。
重役の声でした。厭も応もありません。クニさんは大慌てでパンツをはき、ホテル備え付けの浴衣を着ました。部屋を出ると、自販機コーナーに行って缶チュウハイを2本買い、重役の部屋に行きました。
重役も風呂上がりだったらしく、浴衣を着て、髪が少し濡れています。
ふたりはベッドの縁に仲良く並んで腰掛け、チュウハイを飲み始めました。

30分後、重役はすっかり上機嫌になっていました。
「クニさん、いい男だ。おれはクニさんが大好きだよ」
そしてクニさんのお腹やお尻を触って、「このぽってりと肉の付いた体が、なんともいえないね。抱っこちゃん人形にしたいくらいだ」
クニさんも陽気な重役にあわせて、いつもの根アカに戻っていました。
「ああー、本部長のエッチ。今、私のおちんちんを触った」
「いいじゃないか、男ならだれだって持ってるじゃないか。文句があるなら、おれのチンポを触ってみろよ」
「いやですよ、本部長のはでかいから」
「ばーか、まだでかくなってないぞ。でかくなるのは、クニさんの可愛らしい口で、チュパチュパしてもらってからだ」
――などと、際どい会話をしながら、二人は戯れていました。
ここまではよかったのです。

途中で重役はトイレに行って、戻ってくると、なぜかクニさんの前に突っ立って、浴衣を脱ぎだしました。
年相応に脂肪のついた肉体があらわになりました。胸毛の生えた分厚い胸、贅肉がつき始めた腰まわり、丸味を帯びた腹、そして――白いパンツに浮き出た膨らみ。エラの張った亀頭の形状そのままに、モッコリと膨らんでいます。
思わずドキッとするような生々しさでした。
それを横目に、クニさんはどぎまぎしました。
頭の上から重役の声が聞こえてきました。
「クニさん、おれの相手をしてくれ。どうも旅に出ると無性にやりたくなる」

(えっ、どういうこと?)
クニさんが重役の言葉を理解するひまも、ありませんでした。
不意にベッドの上に押し倒されて、重役の大きな体が覆いかぶさってきました。ごつい手が浴衣の襟からもぐりこみ、上に滑って乳首に触れました。
ぴくん――思わずクニさんの肥った体が反応します。
最初は触れるか触れないかの軽いタッチ、ついで指先が柔らかくモミモミします。クニさんは、男でも胸を触られて感じるということを、そのとき初めて知りました。
浴衣の前合わせが、大きくはだけられました。
「きれいな肌をしてる。しっとりとして」
重役の声がして、乳首に吸い付いてきました。
舌の先でチロチロと転がし、ちゅぷっと湿った音を立てて吸いつかれ、もう一方の乳首は指先でもてあそばれて――体の芯がじんわりと疼いてきます。
クニさんは、思いもかけない重役の行動に、どう反応していいのか分からず、じっとしていましたが、パンツの上からイチモツを触られて、さすがに抗議しました。
「だめです、本部長。そこは――勘弁して下さい」
「ふん、口じゃあいやだと言っても、こんなに大きくしてるじゃないか」
重役は強引に、パンツを引き下ろしました。
身体つき同様、ずんぐりむっくりした肉根がぴょこんと飛び出しました。
「すごい、クニさん、元気の良いチンポじゃないか。それにピンク色をして、おいしそう」
ふいに先端が、湿った温かいものに包まれました。
「ああっ!」
クニさんは思わず声をあげました。信じられないことに、重役はクニさんのイチモツを口にくわえているのです。
こんなこと、女房にさえしてもらったことがありません。滑らかな温もりがゆっくりと上下します。
そしていつしか、クニさんは、快感の渦に呑み込まれていました。

そのあと――。
クニさんはベッドの上でうつ伏せにされ、尻を高く掲げる格好を取らされました。つきたてのお鏡餅を二つ合わせたような、ほっこりとした色白のお尻でした。
「もっと足を開いて――そうそう、尻を上げて」
あられもない恰好を強要されながらも、クニさんは重役に反発することができません。
重役が、自分の恥ずかしい部分を、じっと見つめているのが感じられます。
(ああ――こんな格好を女房に見られたら)
指先が、羽毛のタッチで尻の狭間を行き来しだしました。
菊の門から蟻の門渡りにかけて、ゆっくりと、ねちっこく――なんだか、くすぐったいような、もっとしっかりと触ってもらいたいような――。
その指が離れて、少しの間があって、今度はオイルかなにか付けているのか、ぬるぬるとした感触です。
(あ――そんなこと――ああ)
指がじらすようにゆっくりと、柔らかい皮膚のうえを滑ります。
(だめ――もう、やめて――何かへんになりそう――あっ!)
菊座をなぞっていた指が、不意につるりともぐりこみました。
(ひっ――ひいいっ!)
「そうら、前立腺を触ってあげようね――うぬ」
内部で指が、ぬうーっと侵入してきました。
(ぬあーっ!あ、あ、あ――)
体の芯が、かあーっと熱くなりました。指先が腸壁をじんわりと愛撫し、四方の壁に向かって広げるように押し付けられます。
(ああ――こんなのって――もう、だめ)
ここまでは、まだまだ良かったのです。

そのあとが、大変だったのです。
重役は開かれた尻の狭間に2本の指を挿入して、本格的な拡張作業に取り掛かりました。ジャンケンのチョキの要領で、2本の指が尻の穴を限界まで押し開きます。
(くわあーっ!――く、苦しい!――許して――く、くくく)
クニさんはシーツにしがみついて、悶えました。肉付きの良い顔一面に、脂汗が浮かんでいます。
苦悶するクニさんに構わず、重役の指が、断固とした目的意識をもって、入り口を四方に押し広げ、ゆっくりと抽送します。
途中で何度も、オイルが補充されました。
不意に指が引き抜かれ、そして重役の声が聞こえました。
「よし、だいぶ広がったようだな。これなら大丈夫だろう」

なにが大丈夫なのか分かりません。
それでもクニさんは、指から開放されて、ホッと安堵の吐息をつきました。
しかし、それで終わりではなかったのです。
本格的な苦しみは、これから始まるのです。
足元のベッドが窪んで、重役が背後に迫った気配がしました。
首をねじ曲げて後ろを見ますと、ひざ立ちの重役の姿、そしてほの暗い股間から天狗のお面のように、ニュウッとそそり立つ大砲が目に入りました。
まさに凶器でした。それがオイルを塗られ、茶褐色に禍々しく濡れ光って、反りくり返っているのです。
「ひえーっ!」
クニさんは思わず逃げ腰になりました。「やめて!それだけは許して下さい」
「バカ、ほんの先っぽだけだ。絶対に痛くしない。おとなしく嵌めさせろ」
「だめです――そんな太いのを嵌められたら、裂けちゃいます」
「そっとやるから大丈夫だって――いいから、嵌めさせろっ!」
最後は命令口調でした。

重役は強引にクニさんを後ろ向きにして、腰を押し付けてきました。
熱いものが肛門にあてがわれます。
ついで圧迫感が強まり、太いものがズググと入ってきました。
まさに引き裂かれるようでした。
(あひっ、あ、ぐぐ――ぐわあーっ!)
「うふう――いま頭が入った――あとは楽だぞ――それにしても――締りがいい」
重役は喘ぐように言いながら、クニさんの腰を強く引き寄せます。
図太いモノが腸内を突き進みます。まるで肉の砲弾が入ってくるようでした。
(ひーっ!死ぬう――先っぽだけって言ったのに――もう許してえ!)
「すごい、すごいぞ――嵌った――クニさん、おれがわかるか。根元まで嵌ってるぞ」
先っぽだけと言った約束もどこへやら、重役の興奮した声が聞こえてきます。
クニさんは、それどころではありません。死ぬ思いでシーツに顔を埋めて、ただひたすら苦痛にあえぎました。
重役は挿入したまま、内部の感触を味わうように、しばらくじっとしていました。鋭い激痛が去って、息苦しさだけが残っています。それでも腸壁をいっぱいに押し広げて、体内で息づく図太い男根の存在は、鮮明に感じ取れます。
ビクン、ビクン――独立した生き物のように、肉根が断続的に脈動しています。まるでお腹の中に、大きなナマズでも飼っている気分です。

いったん道をつけると、重役はクニさんを仰向けにして、こんどは前から入れてきました。苦痛にゆがむクニさんの顔を見ながら、いやらしい腰使いで抽送運動を繰り返します。
――まるでクニさんが苦しんでいるのを、楽しむように。
クニさんは肥った体を折り曲げて、健気にも重役のピストンを受け止めていました。太い肉の砲弾が体内を行き来して、湿った卑猥な音が聞こえてきます。その音に、クニさんのもの悲しくも甘ったるい喘ぎ声が絡みます。
そのうちクニさんの中で、何かが変化してきました。
折檻される悦びとでもいうのでしょうか、もっと苛めて欲しいような、不思議な気持ちが芽生えたのです。



これがクニさんの男色初体験でした。
その後、クニさんがどう変わっていくのか――それは皆さんのご想像にお任せいたします。
では、おやすみなさい。

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18/04/16 21:10 神亀

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