■ ウィタ・セクスアリス(豊潤の門) - 第6章 駐車場の老人
第6章 駐車場の老人
私は、千葉の営業支店に、支店長として異動した。前の職場で、老嘱託のやわらかい肉体によって再燃した男色嗜好は、ますます膨れ上がっていた。
そして新しい職場でも魅力的な老人たちはいた。ビルの地下にいる3人の管理人だった。彼らは、地下駐車場の横にある管理人室を拠点に、業者を使って建物設備の維持管理をしたり、社用車の運転手をマイクで呼び出したりの仕事をやっていた。
3人とも、筋肉に代わって脂肪の層におおわれた肉体をして、しかも人生の風雪を耐えぬいてなお穏やかな笑顔を忘れていない。
しかし私はまだ、植田老人の死から立ち直っていなかった。だから積極的な行動には出ず、自分を押さえて彼らに接していた。
私は外出先から戻って車を降りたあと、横にある管理室によく立ち寄った。そこで老人たちと世間話をして、ひとときのくつろぎを得ていた。
最初の頃、老人たちは私の前ですこし緊張していた。それでも、たまに彼らを誘って居酒屋に連れて行き、日頃の労をねぎらってやっていた。
半年が過ぎたころ、彼らはすっかり打ち解けていた。私の前で下ネタ話もするほどだった。年老いた彼らは、しなやかに、したたかに生きていた。
老人たちの中で最年長の椙田は、早くから私に親愛の情を示していた。恰幅のいい体格をして、いつも顔をあわせると、にこにこと微笑みかける。ふたりきりの酒にも付き合ってくれた。冗談まじりに尻を叩いたり撫でたりしても、いやな顔ひとつしなかった。
それでも、私と同じ嗜好の持ち主ではなさそうだった。年相応に肉付きのよい顔は、およそ裏世界とは無縁の、おだやかな表情をしていた。また、ほかの二人のように下ネタ話もすることはなかった。
しかし私は、この老人の血色のよい福々しい顔や、でっぷりとした柔らかそうな尻を見るにつけ、密かな欲望を抱いていた。
ある日、椙田が支店長室にやってきた。その日、七十歳を迎えて、退職の挨拶だった。
老人のおだやかな顔を見ていると、急に喪失感にとらわれた。そして思わず言っていた、個人的に送別会をしてあげるから今夜つきあってくれ、と。
その夜、椙田とふたりで、もつ鍋料理を食べた。店ではなく私のマンションでだった。
ちょうど福岡にいる女房から、たまには郷里の味覚でも、と手紙を添えて、もつ鍋の食材をたっぷりと送ってきていたのだ。
椙田は、目も口元も和ませて、鍋をつつき、酒の杯を受けていた。老人の血圧が高いのを知っていたので、酒は2合ほどにしておいた。
女のいない男所帯の雰囲気だった。私がそのことを言うと、椙田は、支店長と親子だなんて畏れ多い、とかしこまった表情をした。
食事が終わるとリビングに席を移し、お茶を飲みながら雑談した。私は迷っていた。このまま何事もなく老人を帰すのか、それとも――。
椙田の福々しい顔はピンク色に染まって、信頼しきった穏やかな目が私を見ていた。
そんな老人を裏切る行為は、気が引けた。それでも、老人のぷっくりした唇を見ていると、アナルのふくらみを想わせて性的な気分になった。
私は老人に風呂を勧めた。
椙田はちょっとためらいを見せたが、素直に立ち上がった。
脱衣室で私が一緒に服を脱ぎだすと、椙田はとまどった表情を浮かべたが、黙っていた。老人の裸体はピンク色をして、予想以上に太っていた。妊婦のように膨らんだ腹、贅肉のたっぷりとついたわき腹、股間にぶら下がる逸物は、すっぽりと皮をかぶって、柔らかいゴム製のように丸まっていた。
私は背後から、老人の背中を洗ってやった。丸っこい背中からわき腹へと、液体石鹸を手の平で擦りつけながら、ふっくらとした肌の感触を楽しんだ。
椙田はかしこまって、じっと私の手の動きに身をゆだねている。
私が立ち上がって、洗面器の湯で、椙田の体から石鹸を洗い流しているときだった。
ふと横を向いた彼は、私の股間の状態に気づいた。私は勃起させていた。
あわてて目を逸らす老人に、私は半ばやけくそに言った。
「私は単身赴任ですから、なにかと不自由でして――それでつい、スギさんのふっくらとしたお尻を見ていて、よからぬことを考えてしまいました」
椙田は迷っているようすだった。彼はうつむいて、しばらく考え込んでいた。それから、ぽつりぽつりと言いだした。
「――じつは昔、自衛隊にいたころ、上官にオカマを掘られた経験があります。私の尻がかわいいと言いまして――それも一度ならず何度も――最初はすごく痛かったのですが、そのうち慣れてきました――支店長なら、お慕いしていますし――こんな老いぼれの体でよろしければ――」
青天の霹靂だった。まさか老人に男色経験があり、しかも今、私を受け入れる気持ちを言うとは――。
それから10分後、私たちはリビングルームにいた。
ソファーの横で、椙田は私の逸物を口に含んでいた。老人がここまでやってくれるとは、びっくりした。そして意外なことに、うまかった。
私は老人の舌技にうっとりとしながら、そのことを質問した。
老人は屹立した肉棒から口を離して言った。
「上官に教え込まれまして――」
あとは口いっぱいに肉根を含んで、ふたたび吸茎を続ける。
しばらくして、老人は背中を向けると、尻を見せて膝まずき、ソファーにしがみついた。私に言われなくても、次に要求されることは分かっているようだ。
淡い照明のなかで、横に膨らんだ白い豊満な双丘や、その狭間にやわらかく息づく菊の門がさらけ出された。無毛の太ももの間には淡紅色の袋、その先にはボリュームたっぷりの皮をかぶった逸物が、グンニャリと伸びきってぶら下がっている。
私は老人の背後にうずくまると、老人の秘部を間近に見ながら、豊満な双丘に手を沿え、左右に押し開いた。ピンクに色付いた谷間が広がり、ぷっくりした皺の集合体が左右に引っ張られ、密やかな粘膜の割れ目が誘うように開きかけている。
私は顔を近づけ、晒された秘肛に舌でお湿りをくれた。
とたん、秘肛がキュッと引き締まった。
その様子が、私の好色を誘う。私は舌を使って、菊座を中心にやわらかい皮膚を舐めまわした。ついには、とがらせた舌先を秘肛の奥へともぐり込ませた。
「ひっ!」
椙田が思わず尻をすぼませた。
今度は指によるマッサージを始めた。ラブオイルを狭間に垂らし、指の先で塗りこめた。秘肛のまわりに円を描くように、羽毛のタッチで、じらすように指を這わせた。それから、ほぐされた中心部に、ぬっと指を押し入れた。
「ああっ!」
椙田がソファーに顔をうずめた。気持ち良さからきた反応のようだ。
私はすっかり好色な気分になって、オイルを補充しながら、指による探索を続けた。前立腺を探りあて、指の腹で奥へ手前へと滑らせる。直腸の入り口のすぐ裏側を、指をまげてぐりぐりとまさぐる。指を2本にして、肛門入口の拡張作業をする。
椙田の体がしっとりと汗ばんできた。老人は静かだったが、かすかに尻をうねらせている。快感を覚えている証拠だ。
私は屹立した逸物にオイルをたっぷりと塗りつけると、老人の体に覆い被さった。
老人がかすかに喘いだ。
そのまま両手を老人の体に回した。手の平に、ゆるやかに息づく暖かくて柔らかい肉体の感触が伝わってきた。指の先が埋もれこむような柔らかさだった。
私は大胆に、その柔らか味を愛撫しだした。まがまがしく膨れ上がった逸物を、尻の狭間の包容力のある弾力が受けとめていた。
興奮が募った。腰をうねらせてズキンズキンと疼く逸物を、双丘のやわらかい狭間に沿って滑らせた。挟み包むやわらかい感触が、欲望を増大させた。肉棒から愛液が滲み出て、深い谷間をしとどに濡らした。滑りが良くなってきた。
私は老人の体に背後からしがみついたまま、夢中になって腰を前後に揺すった。硬直した肉棒はますます力を得て、肉の谷間をえぐるように滑り、前に潜む老人のグンニャリとした睾丸をつついた。
欲情が熱い鉛のように、下腹部に降りてきて凝集した。
いよいよ挿入することにした。入れる前に、老人に声をかけた。
「スギさん、入れますよ。いいですね」
「――はい」
老人は小声で了承した。
窪みにあてがい、ゆっくりと埋めていった。弛んだ皮膚が内側に押し込まれ、ふいに内部の温もりを感じた。
「はああっ!」
老人が苦しげに背中を反らせた。
先端が入り込むと、あとは驚くほどスムーズだった。老人の括約筋は、ほどよく弛んでいた。そして内部は、まるで無数の軟らかい襞がまとわりつくようだった。根元まで埋めこんだとき、豊満な柔らか味が下腹部を押し包んだ。
わき腹を掴んでゆっくりと抜き刺しした。内部はとろけるように軟らかい。それでいて、絡みつき、吸いつき、やわらかく締めつけていた。
椙田はソファーにしがみついて、健気に耐えていた。首筋に汗が滲み出ている。
私は大きく全長をつかってピストン運動をつづけた。
腰をうねらせながら、これまで経験した感触と比較した。老人の括約筋は弛んだゴムのように伸びて、しびれるような刺激はなかった。それでも、温もりと柔らか味が全長を包みこみ、どこまでもなめらかに受け入れてくれる。
もはや老人にたいする遠慮が消えうせていた。代わって、サディスティックな欲望が浮かびあがった。
いったん引き抜くと、老人をカーペットの上に仰向けに横たわらせ、腰の下にクッションを差し込んだ。それから両足を引き上げ、前から浸透した。
椙田は目を閉じ、あごをのけ反らせて、かすかに口を開けている。顔一面に汗をにじませていた。
私はゆっくりと動き出した。浅く、浅く、じょじょに動きを大きく、奥まで突き入れた。椙田の肉づきのよい顔がきれいなピンク色に染まって、苦しそうに反応する。まだ奥のほうは慣れていないようだ。
私は老人の表情を見ながら、慎重に抜き差し運動をした。
浅く、深く、ゆるやかな回転運動を加え、どうやれば老人が悦ぶか探った。
老人の内部はあくまで柔らかく、そして豊満だった。私は無毛のぽってりした脚を抱え込み、なめらかな滑脱感を楽しんだ。それからじょじょに動きを速めていった。
老人の喘ぎ声が聞こえだした。
最後の瞬間、私は身体をこわばらせ、溜まりに溜まっていたものを吐き出した。恍惚感だけが残るおだやかなものだった。