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ウィタ・セクスアリス(胎動の門) - 第5章 男色初体験
第5章 男色初体験

アルバイトの女を朝倉のアパートに連れ込んで以来、ぼくたち3人は、すっかり打ち解けた間柄になっていた。
それはちょうど、共通の秘密をもつ男たちの間で生ずる、仲間意識のようなものだった。もっとも、女はそれから一カ月ほどでスナックを辞めてしまったので、あの夜の再現はならなかったが――。
それよりもぼくは、朝倉と韮塚の関係に興味をもった。ふたりの間には、親密とも言える雰囲気が感じられた。貧弱な体格をした50男と小太りの40男が、暇あるごとに行動を共にしているのだ。
韮塚は妻帯者だが、子供がいなかった。とっちゃん坊やのような童顔で、ころころと太っていて、素直で人に好かれる性格をしていた。

「男の肛門も、いいもんだよ」
ある土曜日の昼下がり、朝倉はドキッとするようなことを言った。韮塚の経営する中華料理店にいたときだった。
「入り口はむちっと締まっていて、奥のほうは行き止まりがない。どんなモノでも根元まで納めてしまう。おまけに妊娠する恐れがない」
ぼくは、下の話をする朝倉の顔を見た。
「それで、支店長は試したことがあるんですか?」
その質問には答えず、朝倉は曖昧な笑みを浮かべた。
「菊の門とはよく言ったものだな。皺がひっそりと寄り集まったおチョボ口を想像してみたまえ。清潔であどけなくて――」
朝倉は口を閉ざした。彼の視線の先を追うと、ちょうどテーブルで拭き掃除をする韮塚の後ろ姿が見えた。淡いグレーのズボンを膨らませて、むっちりした厚みのある尻が横に張り詰め、淡く窪んだ谷間が見える。
そんな様子を朝倉は目を細めて、じっと見つめていた。

ある日、ぼくはふたりの決定的な現場に行き合わせた。夜の9時ごろ、朝倉に借りた本を返しに行ったときだった。
玄関ドアは鍵がかかっておらず、ぼくは勝手知った気安さで上がり込んだ。最初のうち、朝倉は留守にしていると思った。
そのとき、寝室のほうで人の話し声が聞こえたので、そちらに行った。
ドアを開けたとたん、ぼくはその場に立ちつくした。
ベッドの上に朝倉と韮塚がいた。ふたりとも素っ裸だった。その異様な光景だけでなく、部屋に充満する匂いにタジタジっとした。汗と甘ったるいオーデコロン、それにネットリした体液の匂いが鼻をついた。

どうやらぼくは、見てはならないものを見てしまったようだ。裸のふたりも、バツの悪そうな顔をしている。
ぼくはあわてて部屋から出ていこうとした。
そのとき朝倉が声をかけた。
「どうだい、きみも試してみるかい?興味はあるんだろう?」
彼はベッドの上で足を広げ、背後の壁に背中をあずけていた。韮塚はその横で、うつ伏せになっている。顔が全力疾走した直後のように上気していた。ふたりが肉体交渉を終えたばかりなのは、明らかだった。
韮塚のぽってりした白い尻と太腿の付け根、その合わせ目から卑猥な熱気が漂ってくるようだった。
興味はあったが、ぼくは借りた本をその場において、黙って部屋を出ていった。

つぎは、クリスマスイブの晩だった。
ぼくは朝倉の部屋で、ワイングラスを片手にくつろいでいた。もうひとりの客、韮塚は、朝倉と仲良くならんでソファーに腰掛け、たわいもない戯言を言ってはしゃいでいた。
そのうち静かになった。
ふたりのほうを見ると、朝倉が韮塚の股間に手を伸ばし、そこを刺激している。そのうち朝倉は、韮塚のベルトを緩めズボンを脱がしだした。すでに秘め事の現場を見られたふたりは、ぼくに遠慮する心配りも無いようだ。
朝倉が移動して、韮塚の開かれた股間に顔を埋めた。その顔がゆっくりと上下に動きだす。かすかに濡れた音がした。
韮塚はソファーの背もたれに丸っこい体を預け、気持ちよさそうに目を閉じている。
朝倉の顔の動きが速くなった。そのうち韮塚の太った体が、ピクリと痙攣した。朝倉の口の中でいったのだ。

それで終わりではなかった。朝倉は、韮塚を後ろ向きにソファーにしがみつかせ、その尻に取りついた。
後ろに突き出された臀部は、白く艶々として、横に大きく張り詰めていた。
朝倉は両手で双丘を押し開くと、顔を埋め、韮塚がくぐもった呻き声をあげた。
豊満な双丘の狭間伝いに、朝倉の器用な舌が滑った。
しばらくして、朝倉は立ち上がると、キャビネットからクリームの容器をもってきた。蓋を開け、指の先で中身をすくい取ると、韮塚の菊門に塗りつけだした。すでに勃起した自分の逸物にも、たっぷりと塗りつけた。
ぼくのほうからは、カーペットに四つん這いになった韮塚の横顔、左右に張ったむっちりとした白い双丘、そして背後から硬直した性器を挿入しようとする、朝倉の姿が見えた。
ふくよかな尻の狭間に、赤茶色に染まった禍々しい肉根が沈んでいく。
韮塚がくぐもった呻き声をあげ、その顔が苦痛にゆがむ。彼はカーペットにしがみつき、両腕の間に顔をうずめて苦痛に耐えていた。それでも尻を後ろに突きだして、けなげに受け入れ体勢を維持している。

図太い男根が白い谷間にじりっじりっとめりこんで、ついには朝倉の腹が、韮塚の肉付きの良い尻に密着した。
しばらくの間、朝倉は韮塚の背後を串刺しにしたままじっとしていた。
「すごい――いいぞ――活きている」
朝倉はうっとりとして、つぶやいた。それから腰を使いだした。
湿った淫靡な音が、じょじょに大きくなっていく。
ぼくは惚けたように、ふたりの痴態を見ていた。年配の男がふたり、全裸で絡まり、うねり、愉悦の呻き声をあげているのだ。
韮塚の白い肌は、生皮を剥かれた子豚のように、ピンク色に染まっていた。豊満な体に背後からしがみついた朝倉の小さな体――まるで、子供が大人を犯しているような錯覚を起こさせる光景だった。
腰の動きが速くなってきた。その体がビクンビクンと痙攣を繰り返して、そして終わった。部屋の中に、濃厚な匂いがたちこめた。

その夜は、続きがあった。
朝倉の部屋から出た途端、大家の平田とばったり出会った。腕には一升瓶を抱えている。夫人が実家に帰っている間に、ぼくを訪ねてきたようだ。
老人はぼくの顔を見て、ついでぼくの股間にすばやく視線を走らせた。
「新潟のお酒が送られてきた。いっしょに飲もうと思ってね」
ぼくはあいまいにうなずいた。まだ興奮の余韻が残っていて、大きく膨らんだズボンの前を気にしていた。
(大家さんは気づいたのだろうか?)
そっと窺うと、ゆるんだまぶたの隙間から、うるんだ瞳がじっとこちらを見ている。
結局、ぼくの部屋で酒を飲むことになった。日本酒はあまり飲んだことがなかったので、酔いのまわりは早かった。

気がついたとき、ぼくは下腹部をむきだしにして、ベッドの上で寝そべっていた。頭の芯が痛かった。覚えているのは、大家と酒を酌み交わしているまでだった。
ふと人体の温もりに気づいて、ギョッとした。
大家が太った体を摺り寄せて、ぼくの体を愛撫していた。ぽってりとした手が、ぼくの乳首を刺激し、ついでむきだしの腹を撫でた。
たちまち若さが反応して、ぼくはムクムクと隆起させていた。
老人が上半身を起こして、ぼくの股間に顔を寄せた。ついで吃立した逸物が、柔らかい掌に包まれた。
「あっ――やめて」
ぼくは喘いだ。
平田は、ぼくを黙らせるようにシッシーッと息をはいた。逸物を包み込む柔らかい手が、竿伝いにゆっくりと上下に移動した。
ぞくぞくとした快感が押し寄せ、ぼくはもどかしそうに腰をうごめかした。
「じっとしていなさい。いい子だ」
平田の声は、孫に話しかける祖父のように優しく、手の動きは、焦らすようにゆっくりとしていた。
老人の目的は、昇りつめさせるよりも、むしろその大きさや固さ、脈打つ感触を楽しむことにあるようだった。
「それにしても、大きいな。太くて、長くて――たくましい」
器用な指の先が、カリのくびれから鈴口にかけて這いまわる。
「やめて――ああっ!」
ぼくは老人の指の動きに喘いだ。
「気持ちがいいんだろ。これ以上どうしてほしいんだね」
平田が意地悪く聞いた。
「こんなことは――やめて――」
ぼくは抗議しながらも、快感にのみ込まれてじっとしていた。

老人が顔を下げて、股間に息を感じた。と思ったとたん、先端が湿って温かいものに包まれた。
「ああっ!」
ぼくは喜悦のあえぎ声をあげた。
なんと平田は、ぼくの逸物を口に含んだのだ。
舌の先が鈴口をくすぐり、カリ首の窪みをなめまわし、裏側の尿道の膨らみを吸った。その間も、片手は玉の袋をまさぐり、菊座への陰道を刺激した。
ぼくは不本意にも、いっきに高みに追いやられた。激しく痙攣を繰り返して、老人の口中に噴射した。ビクリ、ビクリ――驚いたことに、老人はぼくの放った精液を、一滴余さず飲み込んだ。
「母乳と同じで、精液にはたっぷりと栄養分がつまっているんだ。特に若い男のジュースは最高だね」
老人は濡れた唇を舌でぬぐいながら、ねっとりと微笑んだ。
それが老家主と、親密な付き合いをする始まりであり、男の世界にのめり込む始まりでもあった。
[17/12/09 05:49 神亀]
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