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ウィタ・セクスアリス(胎動の門) - 第3章 島の猟色家
第3章 島の猟色家

大家と老教師の、生々しい男色行為をのぞき見て以来、ぼくの肉欲は気も狂わんばかりに募った。ありあまる精力のはけ口を探すのは、今や切実な問題となっていた。
その年の夏休み、ぼくはひとりで小旅行をした。行き先は関西の淡路島。大家とのちょっとした会話から、彼の教え子に会うことになったのだ。
フェリー発着場でタクシーを拾い、大家に教えられた所番地を運転手に告げた。車は20分ほど海岸沿いに走って、一軒の農家の前でとまった。
タクシーが走り去ったあと、ぼくはしばらく農家の前をうろついていた。いくら声をかけても、家の中からは、何の反応も返ってこなかったからだ。
そのとき、反対側の畑のほうから声が聞こえた。振り返ると、トラクターに乗った男が手を振っている。50前後の中年男で、スポーツシャツに紺の半ズボン、農夫というよりも、勤め人のような律儀な風貌をしていた。あとで知ったことだが、じっさい彼は、地元役場で働いていた。
ぼくはトラクターのほうに近づきながら、名前を告げた。
男はよく日焼けして、人懐っこそうな笑みを見せた。健康的な白い歯が、印象的だった。
「いらっしゃい、三原です。平田先生はお元気ですか?」
「ええ――」
言いかけてぼくは仰天した。なんと男の半ズボンの股座から、肉太の逸物がゾロリと出ているのに気づいたからだ。
「――ああ」
ぼくの視線に気づいて、男はいたずらっぽくウインクした。
「たまにはムスコにも、日光浴させないとね」

三原は600CCの小型車で、島のあちこちを案内してくれた。眼が悪いらしく、運転中はふち無し眼鏡をかけていた。
彼は話し好きで、道中、まったく退屈させない。話題はもっぱら下ネタ話で、いかにも楽しそうにあっけらかんとしてしゃべる。
島育ちには好きものが多いと聞くが、この男はその典型だった。それでいて、嫌みがなかった。明るくて素朴で、アレをやること以外この島には娯楽がない、と言いたげだった。
ぼくは助手席で、三原の話に適当に相槌を打っていた。
三原はますます活気づき、潮風に育まれた健康的な体に、身振り手振りを交えて、自分の話に熱中する。

その日の宿は、最初に訪れた大きな農家だった。三原のほかに住人はいなかった。聞きそびれたが、彼は独身のようだ。
豪勢な晩飯を取り寄せていた。ヒラメの活き造りにサザエ、アワビ――。日頃は滅多に、口にできないものだ。
懐具合が心配になって、三原にそっと耳打ちすると、大丈夫、平田先生の大切なお客さまだ、金は心配いらないと言う。
その上、コンパニオンまで呼んでいた。30代半ばの、背は低いが肉づきのよい色白の女で、どこかの旅館から臨時で来たらしい。
どうやら三原は、男ならだれでも女好きだと思っているようだ。まだ童貞だったぼくは、なんとなく肌の泡立つ予感がしたが、その緊張を押し隠していた。
三原は、女と顔馴染みらしく、ここでも、もっぱらシモの話題が中心だった。
酒が入るにつれ、ぼくはすっかりくつろいでいた。もはや三原との年齢差も意識しなかった。3人は、旧知のガキ友達のようにはしゃいでいた。
途中で女がトイレに立った。
その時、三原が、アルコールで赤く染まった顔を近づけて、これから3人で一緒に風呂に入ろう、あの女は面白いんだ、と言う。
ぼくはあきれて、無邪気に目を輝かせる中年男の顔を見た。
ところがなお驚いたことに、戻ってきた女は三原の提案を聞くと、いともあっさりとうなずいたのだ。

もう、どうとでもなれ、の心境だった。
ぼくは酔った勢いで、ふたりを追って風呂場に行った。
服を脱いだ女は色白で、むっちりとした肉体をしていた。
それよりも、ひときわ目を引いたのは、三原の体だった。裸になった彼は、顔や腕は小麦色に日焼けしているのに、日頃衣服で覆われた部分は、抜けるように色が白く、しかも女のように肌理の細かい肌をしていた。思いがけない三原の裸体の艶っぽさに、ぼくは妙にどぎまぎしてしまった。
突然、女が嬌声をあげた。
「きゃあ!すごく立派!」
女はぼくの股間をみている。三原も同様に、目を丸くしている。
ぼくはあわてて前を手で覆った。

浴槽の中で、ぼくは女と向かい合って入らされた。3人では狭すぎて、必然的にお互いの肌が触れ合った。ぼくは湯の中で勃起していた。
「いやだあ!」
女が嬌声をあげた。どうやら三原が背後から、女にいたずらを始めたらしい。
「なに、私のお尻を突いているのは?」
「おまえの大好きなモノや。どうだ、気持ち良くなったか?」
「どうりで、柔らかすぎると思った」
「なにい!はめるぞ」
「イーだ。私はもっと大きくて、固いほうがいい」
唐突に、女がぼくの腰にまたがってきた。女はぼくの直立した男根をつかみ、腰を落としてきた。あっという間のできごとだった。先端が女の秘めやかな肉に、じんわりと包み込まれていく。
女があごをのけぞらせて、嬌声をあげた。
「わあ、大きい――すごく固いわ」
ぼくはカアッとなった。何がなんだか分からないうちに、ぬめっとした粘膜がぼくの肉根を包み込み、ぴっちりと締めつけてくる。
ぼくは三原の存在も気にならないほど、興奮してきた。
女が腰をうねらせて、悩ましそうに喘いだ。
そのうち三原が気を利かせて、先に風呂から出ていった。そのことも気づかないほど、ぼくは興奮していた。
女はぼくにまたがり、腰をうごめかせ、甘ったるい喘ぎ声をあげつづけた。
ぼくはみるみる上り詰めた。
射精の疼きを感じ取ったのか、女が腰をあげて離れ、こんどは手で握って扱きだした。
ぼくはあっと言う間に、湯の中で放出した。
ぼくの童貞喪失は、なんとも味気ないものだった。

風呂からあがると、茶の間の襖が開け放たれ、奥の部屋に蒲団がふたつ敷かれていた。
三原はぼくたちにいたずらっぽく笑いかけ、そして女に向かって言った。
「さっきは見せつけられて、ウズウズしてるんや。今度はわしの相手をしろ」
彼はパンツを脱ぐと、アンダーシャツ一枚の姿で、女を蒲団の上に押し倒した。
腰が立たなくなるほどハメまくってやる、とか言いながら、女の股座をいじり回した。
女の息遣いが荒くなった。
三原が、開かれた女の脚の間で膝立ちになったとき、勃起した男の逸物が見えた。ぼくは、吃立した中年男の逸物を目の当たりにして、にわかに興味を持った。
さほど大きくなかったが、形がよかった。ぼくは魅せられたように、それを見つめた。
体つき同様、色白できれいなピンク色に染まり、先端は光沢をおびて輝いている。それが重力に反して、芯棒が通ったように上向きに反りかえっている。
その様は精妙な芸術品のようで、愛嬌さえあった。そして、あまりにも綺麗なので、見ているだけでなく、手で触ってみたい、舐めてみたいとも思った。

三原は女の股座に挿入すると、機敏に突きだした。
女が喘ぎ、男の体にしがみついた。
しっとりと汗ばんだ女の肌の上を、健康的な肉太の体が、圧し、うごめき、上下に滑った。脂ののった、それでいてほどよく締まった臀部のふくらみが、ぴっちりと肉の詰まった白い果実を想わせて、膨らんだり、たわんだり、力強く回転した。
その動きに魅せられて、ぼくは背後からのぞき見た。ほの暗い結合部で、濡れて出没するピンク色の陰茎、そこから猫がミルクを舐めるような、ピチャピチャ、クチュクチュと濡れた音が洩れ出ている。淡紅色の蜜袋が、あてもなくプランプランと揺れていた。
男の開かれた臀部の狭間で、妙に幼さを感じさせる皺の集合体があらわに見えていた。それを見て、ぼくはみだらな興奮を覚えた。
ぼくが見ている前で、不意に菊の門がキュンとすぼまった。三原があわてて引き抜いた。その途端、張り詰めた先端から白い液体が飛び散った。

女が帰ったあと、ぼくたちは本格的に酒を飲みだした。マラ兄弟になったということで、すっかり気を許し合っていた。
そして、会話の中で、大家の秘密を改めて知った。平田は教え子の三原とも、男色行為をしていたのだ。
三原が言うに、平田が淡路島に来たとき、今日のようにコンパニオンを呼んで、3人一緒に風呂に入った。ところが平田はなにもせず、結局、女を家から帰した。そのあと平田が言ったのだ。さっき風呂で拝見したけど、きみは素晴らしいお道具をもってるじゃないか。ちょっと触らせてごらん、と。
「恩師の頼みですわ。断れるわけが無い。でも、先生の手があんなに柔らかいとはね。あまりに気持ちいいんで、あやうくイクところでしたわ」
「――」
ぼくが黙っていると、三原はますます饒舌に、そのときの模様を話す。
「それだけやない。先生、わしのチンポをおっ立たせると、こんどは口にくわえて、しゃぶりだすんですわ。それから、おいどを出して、オカマまで掘らせてくれましたわ」
三原は思い出すように、天井を振り仰いだ。
「先生の尺八は、一度やってもらったら生涯忘れられへん。しかも、菊のご門といったら、女のアソコなんて比やない、あの締まり具合と柔らかさは、ほんま、すごかったなあ」とつぶやく。
50男が、恩師との男色行為を得々として話し、その顔にはなんの屈折も衒いもない。
ただ、摩擦のもたらす快感だけしか、頭には無いようだ。
(この男にとって、性の快楽をもたらすものなら、相手が誰でも良いのだろう)
そんなことを考えながら、ぼくは、茫然として男の顔を眺めていた。
[17/12/07 07:36 神亀]
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