■ 大輔と昌平 - その(2)
(2)
風呂からあがったふたりは、大輔の部屋に行った。それから先を急がず、ゆったりとした愛の交歓を始めた。
大輔はその固太りの大きな肉体で、昌平の小さな体を押し包み、固く隆起した性器を、やわらかい尻の狭間や太腿にこすりつけた。いっぽうで肉厚の大きな手と器用な舌で、相手の感じるところをじっくりと攻めていく。
その間、昌平の体がいかに素晴らしいか、絶えず囁きつづける。
触覚と聴覚を刺激し続けることによって、昌平がしっとりと潤ってくると、その体を大きく開いて、じっくりと観察した。
「――恥ずかしい」
昌平が両手で顔を覆って、消え入るような声で言った。
煌々とした蛍光灯の明かりの下、熟したなめらかな肉体が、さらけ出されている。陰毛は極端にうすく、小振りの性器が目に入る。薄皮を被った生白い亀頭が可愛らしい。
そっと口に含んで、つるりと呑み込む。
「あっ――」
昌平がかすかに喘ぎ、可愛らしい顎をのけ反らせる。
しばらく、クワイのような肉根を味わった後、昌平を膝まずかせて、尻を開いた。淡紅色の蕾が、つつましやかに潜んでいる。
そこの色がいかにきれいか、待ち兼ねて、いかにひくついているか、大輔は見たままを克明に伝えた。
昌平が恥ずかしがって尻を閉じようとすると、両手でグッと押し開いて、期待感でひくつく秘所に舌を使いだした。
「あ――だめっ」
昌平が可愛らしい声であえいだ。
分厚い舌が、遠慮なくうごめく――ねっとりと舐め、えぐるように舐め、音を立てて吸いつく。舌の先を柔らかくしたり、固く尖らせたり、持てる技巧をフルに発揮した。
昌平は半狂乱になっていた。
「ああ、もう――入れて――」
身悶えして、大輔を求めた。
しかし、大輔は躊躇していた。これまで数多くの年寄りを抱いてきたが、肛門性交まで出来る相手は限られていた。彼の陰茎があまりに太すぎたのだ。
そして今、昌平の菊門は、少々品が良すぎた。このまま無理やり入れようとすれば、裂傷を起こすかも知れない。
大輔はそのことを正直に伝えた。それから、いかに無理かを分からせるように、ギンギンに怒張した陰茎を、昌平の目の前に晒した。
昌平は、イチモツの巨大さに恐れを抱いたが、それ以上に、体内に納めてみたいという欲望のほうが強かった。
昌平は懇願した。
「お願いです。どうしても、あなたを受けてみたい。そのために――傷ついてもいい」
「そんなことを言って、使い物にならなくなったらどうする。今夜は尺八で我慢しろ」
「尺八だけでは、あなたと本当に結ばれたとは言えません。どうなっても構いません。お願いです、入れてください」
そこまで言われれば、大輔とてなんとかしたくなってくる。それに彼自身、かわいらしい老人の顔を見ていると、その肉体に己が楔を打ち込んでみたいという、男の欲望が募っていた。
「分かった。そこまで覚悟があるのなら、今夜は、どんなことがあっても根元まで嵌めてやる。少し我慢してくれ」
大輔は、嵌める前の拡張作業を始めた。
昌平の秘門にたっぷりとラブオイルを塗りこめて、まず中指をそっと差し込んでみた。
それも、ズブリと入れるのではなく、秘門の中心部に押し当てるようにして、圧力をじんわりと加えるのだ。
指の先端が入ったとたん、吸い込まれるような動きを感じた。まるで軟体動物が、獲物を引きずりこむ感じだ。
(これはすごい名器だ。おれのチンポがもう少し細身だったら、さぞかし極楽を味わえるだろうな――)
大輔はふと思った。
それから挿入する指を二本にした。二本といっても大輔の指は太くて、常人の三本分の太さがある。昌平は苦しそうなうめき声を出したが、じっと我慢していた。
いよいよ陰茎を挿入する段になって、昌平を自分の腹の上に跨らせた。大輔の硬度だったら、強引に突き入れる自信があったが、彼はまだ、相手を傷つけることを恐れていた。
そこで騎乗位のスタイルにして、相手に結合を委ねたのだ。
昌平は屹立した極太棒を掴み、あてがい、慎重に腰を落としていった。
興奮から、握った手がブルブルと震えていた。
ギンギンに張り詰めた亀頭が、少しずつ呑み込まれていく。目を閉じた昌平の顔は、真剣そのものだった。
あと少しでカリが通過する時、昌平が情けない声を上げ、大きく胸を喘がせた。どうしてもそれ以上、進めることが出来なかった。
「ううっ、ううう――」
自分の不甲斐なさに、昌平は泣き声をあげた。
大輔が慰めた。
「お父ちゃん、泣くな。そんなに急がなくてもいいんだ。さあ、ちょっと休もう」
三十分後、ようやく昌平は、巨大な性器を体内に納めることが出来た。
それは大きな痛みを伴うものだったが、それ以上にめくるめく圧倒的な悦びだった。
昌平は、理想と仰ぐ男の性器が根元まできっちりと埋まっている悦びに、肩を震わせてむせび泣いた。
いっぽう大輔は、思いがけない味の良さに歓喜していた。これまで沢山の菊門を味わってきたが、これほど嵌め心地の良いのは初めてだった。
まるで無数のヒクヒクと蠢く体細胞の中に、没入したようだった。
彼は気を取り直すと、下から昌平の体を支えながら、ゆっくりと体勢を入れ替えた。
ほどなくふたりは、正常位で結合した。
ふたりは繋がり合ったまま、お互いの目を見つめた。
心の通い合う、凝縮した瞬間だった。
大輔は首をのばし、昌平の目元に滲んだ涙を優しくすすり取った。
それから唇を合わせた。
しばらく結合したまま、じっとしていた。固く勃起した陰茎を、肛門括約筋が痛いほど締めつけてくる。内部は微熱を持って柔らかく、微妙な蠢きをつづけていた。
大輔はたわむれるように舌と舌を絡めながら、亀頭にじんわりと伝わってくる内部の感触を楽しんだ。
昌平の内部が大きさに慣れてくると、ゆっくりと味わうように抜き差しした。大きくあるいは小さく、ときおり小刻みな動きをまじえ、腸壁を愛撫するように動いた。
初体験の相手をいたわるような、抑えた動きだった。
それでも昌平にとっては、慣れ親しんだ愛人の性技とは全く異なる、気の遠くなるような刺激に満ちたものだった。
太く、逞しく、完全に勃起した性器が、昌平の内部を極限まで広げながら、ズルリズルリと滑り、快感の渦を募らせていく。
昌平は、いつしか、すすり泣くような声をあげていた。
大輔は、ともすれば激しく突き入れたくなる衝動を抑えて、じっくりと太い腰をうねらせた。
それでも一度、射精する必要を感じた。彼の図太い腰回りには、フツフツとした精力が溜め込まれていたし、人一倍、精子製造能力の高い睾丸は、飽和状態だった。
「一度、出すぞ」
大輔が昌平に声をかけた。
「ください。あなたの子種が欲しい」
昌平が涙の滲んだ目で、大輔を見た。
大輔は腰を素早く動かしながら、昌平の顔を見つめた。
うっすらと目を閉じ、ウブっぽい口をわずかに開けた恍惚の表情――。
老人の顔は、すべてが、どうにかしたいほど可愛らしかった。
ふいに射精衝動が突き上げてきた。
「うっ!うおおっ――」
大輔はうめき声をあげた。
途端、昌平の内部で亀頭がグワッと広がり、精液が激しい勢いで結腸にぶち当たった。
下腹部をしっかりと密着させたまま、大輔は大きな体を痙攣させ続けた。
ドクン、ドクン、音まで聞こえてきそうなほど大量の精液が、くり返し吐き出された。
昌平は手足を小さく縮めて、受精の余韻にひたっていた。
そして大輔も、射精が終わったあとも、根元まで埋め込んだまま、性器を引き抜こうとしなかった。やわらかい肉襞は、根元まで入った亀頭や陰茎を揉むように、微妙な動きで押し包んでいた。
その頃の大輔なら、続けて二回戦を始めることも出来た。しかし、相手の体力を気遣って、ひと休みすることにした。
ふたりはもう一度、風呂場に行った。
人気のない露天風呂の片隅で、ひっそりと抱き合った。横抱きに大輔の膝の上に乗った昌平は、口づけされながらうっとりとしていた。このままいつまでも、抱かれていたいと思った。
そして大輔も、このかわいらしい年長者に、言いようのない愛情を感じていた。
もしも今、他の客が風呂に入ってきても、二人は抱擁を解かなかっただろう。それほど彼らは、二人だけの世界にひたっていた。
「もうお父ちゃんとは、一生離れられそうにないな」
唇を離すと、大輔はささやいた。
それに答えて昌平は、何も言わずに大輔の大きな胸に頬をすり寄せた。
大輔は、昌平の体をギュッと抱きしめた。
「かわいらしいお父ちゃんだ。もう一回やりたくなった。部屋に戻るぞ」
当時四十五歳と五十九歳といえば、同性のカップルとして、円熟してなお精力に満ち溢れた年齢の組合せである。
ふたりは部屋に戻ると、再び愛の行為を始めた。
今度は昌平をうつ伏せにし、尻を高く掲げさせて、バックから挿入した。
つつましやかな秘門は、何の苦もなく巨大な肉根を呑み込んだ。最前の交合で、大輔の大きさにすっかりなじんでいたのだ。
それを感じ取った大輔は、遠慮なく男の蜜壺を犯しだした。
固く勃起した陰茎が、腸壁を押し広げ、ズニューッと奥まで入ってくる。前立腺が刺激され、異質の快感が湧きあがる。
昌平は尻を大輔のほうに高くかかげ、相手の抽送にあわせて、自らも能動的に腰を動かしだした。
極限まで膨れ上がった肉根が、腸内を縦横無尽にあばれまわった。
咆哮しながら突進する豹さながらに――。
昌平は、尻を振って泣き始めた。
これまでは、肛門の微妙な収縮によって愛人を泣かせていたが、今や彼自身が我を忘れている。そして彼の頭の中からは、部屋で寝入る愛人のことはすっかり消え失せていた。
大輔は体位を変え、相手を横向きにして膝を抱えさせ、丸まった尻の狭間に深々と突き入れた。
それから本格的に、ウケを善がらせるテクニックを使いだした。
カリの段差を使って入り口付近の裏側を重点的にこねまわしたり、別の角度で奥深く撫で上げるように突き上げたり、ときにピストン運動にひねりを加えた。
疲れを知らぬ肉根が自在に動き回った。
それが最高潮に達したとき、昌平は赤ん坊のように手足を縮め、尻だけを大輔の体に押しつけたまま、声を押し殺して泣いた。
「お父ちゃん、いいか。よし、俺の種を植え付けてやる。――うっ!うおおおっ――」
大輔は雄叫びを上げながら、ありったけの精液を、昌平の体の奥深くに送りこんだ。
それから一ヶ月後、二人は現在の住まいで一緒に生活を始めるようになったのである。