連載小説
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「レイクエム2」 Jコロナワクチン
『ウィズコロナ』

10月7日、『また逢う日まで』など多くのヒット曲を作曲し、昭和歌謡曲を作った大作曲家の筒美京平さん(昭和15年生まれ80歳)が亡くなった。
日本的な叙情性と洋楽の洒脱さを見事に融合させた名作曲家は、作曲数約3,000曲、作曲シングル総売り上げ歴代1位という記録を残し、70年代、80年代のヒットチャートを席巻して、昭和という時代を彩ってくれたのだ。
尾崎紀世彦の『また逢う日まで』や「雨がやんだら お別れなのね」という歌い出しで、朝丘雪路が歌う『雨がやんだら』は私の好きな昭和歌謡曲の一つである。 
彼が作曲した昭和歌謡名曲の数々に私たちは、どれ程癒されたのだろうか? 悲しい時、嬉しい時にみんなが口ずさんだ歌は、いつまでも忘れずに心の中にある。また、昭和の灯りが一つ消えてしまったのかと思うと寂しさが募る。
連続テレビ小説【エール】のモデルとなった作曲家、古関裕而さんもまた、流行歌から軍歌、スポーツ音楽まで、昭和の時代を象徴する日本の歌を作り続けてくれた。
『若鷲の歌』など、古関裕而さんは軍歌も多く作曲したが、『長崎の鐘』の歌を思うと、広島と同じく原爆投下された長崎にもぜひ一度、行って見たい気持ちになる。
作曲家、古賀政男の『影を慕いて』に代表される古賀メロディーもそうだが、ラジオで聴いた歌声、哀愁を帯びた旋律、懐かしさ溢れるメロディーは大衆の心に深く響いて来る。

昨今、芸能人の自殺が増えている。7月に俳優の三浦春馬さんから始まって、9月には女優の竹内裕子さんと、連鎖反応のように数名の芸能人が自殺した。芸能人の自殺後1週間は、前年と比べて2割自殺者が増えているという。
新聞記事によると今年8月、全国の中高生の自殺者が58人に上がり、前年同月に比べて2倍になった。特に女子校生の自殺者が急増しているという。
「コロナで臨時休校になり、子供が家にいる時間が増え、親子喧嘩が絶えない」
「自粛生活で家族が家に長くいるようになり、ストレスが溜まってしまう」
「死んでも夫と同じ墓には入りたくないが、老後の生活を考えると離婚できない。そんな夫が、テレワークで一日中家にいるとウンザリする」など、コロナ渦で「普通の日常」の変化から極度のストレスが生じてしまう影響が指摘されている。
私もうつ状態の時、心が弱ってしまい、ふと自殺について考えることがあるから、自殺者の心理はある程度理解できないこともない。しかし、もっと人生を長く生きたくても新型コロナウイルス感染によって苦しんで死んでいく人も多いのだ。
春さんだって毎日が楽しくて「死にたいなんて、死ぬなんて」これっぽっちも思っていなかったはずだ。
人はいずれ死ぬのだから、辛くても自ら命を絶つことなく生きていくのが自然体だ、と思う。自殺は人間だけの特権で、動物は決して自殺することが無いという。
 
10月28日、東京では、3ケ月連続で人々の転出超過となった。新型コロナウイルス感染拡大で人口が密集する首都圏を避ける動きが続いている。都市の人口が減少していくのは、コロナ渦の影響で、転職やテレワーク普及が背景にあると見られている。
「3密」の空間を避け、近隣県への移住が加速されている。地方へのリターン、東京一極集中に歯止めはかかるのだろうか?もし、東京に直下型地震が起きた場合、やはり首都圏に人工が集中しない方が望ましいのだ。
新聞記事のコラムに「空き家スペースが、高齢者の居場所に開放されている」とあった。日本全国で846万戸あるという空き家。その空き家などを活用して、孤立しがちな高齢者
の溜まり場、コロナで失業し住居を失った人々の居場所になったら良いと願う。
「GoToトラベル」で高級ホテルに宿泊する旅だけではなく、遠方への旅行を控えて、近場で魅力ある場所を発見する。身の回りにある面白いものを探す。新型コロナウイルスで日々の生活は変化している。東京や大阪など大都市の未来はどう変わるのだろうか?
コロナ渦で暗いニュースばかりだが、そんな状況でアニメ映画「鬼滅の刃」が、10日間の興行収入で100億円を突破し、大ヒットした。「鬼滅の刃」はコロナ渦での経済効果があり、明るい社会現象となっている。
私の漫画史と言えば、まず横山光輝「鉄人28号」、手塚治虫「鉄腕アトム」から始まる。1950年代から 1970年代にかけて発行された「少年サンデー」「少年マガジン」「少年ジャンプ」等の漫画雑誌は、当時の子供たちの最大の娯楽で一番の楽しみだった。
横山光輝「伊賀の影丸」、赤塚不二夫「おそ松くん」、永井豪「ハレンチ学園」、ジョージ秋山「アシュラ」、矢口高雄「釣りキチ三平」、白土三平「カムイ伝」、ゆでたまご「キン肉マン」など数多くある。
スポコン漫画は「スポーツ」と「根性」を合成したスポーツ根性もので、戦後からの脱却を根性と努力で図る人々、高度経済成長期時代の昭和を象徴していると言える。代表作には、川崎のぼる「巨人の星」、ちばてつや「あしたのジョー」がある。
「あしたのジョー」の矢吹丈が、世界チャンピオンのホセ・メンドーサとの死闘で判定負けとなってしまったラストシーンはあまりにも有名な結末だ。
「まっ白な灰」になる姿は、戦後の何もかも失ってしまった虚無感、何もない貧困のイメージを彷彿させるものかも知れない。
私は何故か?マンガの世界から遠のいてしまってから、もう40年程になる。日本には面白くて優れた古い漫画、未来の時代を先取る新しいマンガがたくさんあるが、それらの名作を人生の残りの時間で読み切ることはまず不可能なことだ。
ちなみに私はマンガ喫茶には、まだ一度も足を踏み入れたことがないが、コロナ渦を良い機会だと受け入れて行って見たいと思う。
有名な宮ア駿監督の「魔女の宅急便」など多くの優れた作品の功績によって、現在、アニメとマンガは世界的な文化となっている。海外の世界の国々にもアニメ、日本の漫画が進出して熱狂的なファンも多い。日本人の物を創作する底力は凄いと思う。 

11月1日、世界の新型コロナウイルス感染者数は約4,640万人、死者数は120万人に上っている。アメリカでは感染者が1日9万人を超え、ヨーロッパでは第2波の感染が広がっている。トランプ大統領が経済を優先し、コロナ対策を重視しなかったから、アメリカの死者数が急激に増大したのだ。
国内の感染者が10万人を超えた。都内の感染者は累計3万人を超えた。新規感染者は、大体200人前後であるから、数字自体にあまりとらわれなくなってしまった。重症患者と死者数が減少しているからか?ウィズコロナの慣れで、いつの間にか警戒心が薄れて、慣れた感覚に陥ってしまったのかも知れない。
これから本格的な冬を迎える。新型コロナウイルスの更なる感染拡大が懸念されているのに、日本は本当に大丈夫だろうか?
新型コロナウイルス患者の専用病棟を持つ「重点医療機関」に交付される国の支援金が、27道府県でまだ始まっていないのが実態だ。
菅内閣には何も期待をしないし、特に関心もない。安倍政権時の「桜を見る会」問題が、「日本学術会議」任命問題にすり変わっただけで、安部元総理と同じく国民に理由説明もせず、国会は無駄な時間を費やしている。
病気療養を理由の一つとして総理大臣の職を辞職した安部さんは、その後、入院していないので体の調子はだいぶ良さそうである?やはり「桜疑惑」などの諸問題からの追求が痛手となり、国民から批判される声から逃れて辞めてしまった感は拭えない。改めて総理大臣や国会議員たちの資質が問われている。

11月3日、アメリカでは大統領選挙が行われ、バイデン氏が優勢で過半数に迫っている。8日にはバイデン氏が勝利宣言を行った。
トランプ大統領は敗北宣言もせず、法廷闘争を企んでいる。経済優先でコロナ対策軽視のトランプ大統領によって、アメリカの新型コロナウイルスの感染拡大が増加し、多くの死者が出た。バイデン大統領は、コロナ対策を第一に上げているので、一刻も早く就任して欲しいものだ。
世界の感染者数は5,000万人、死者数125万人を超えている。ヨーロッパでは感染拡大が急激に広がり、冬の欧米に新型コロナウイルスの「第3波」が迫っている。
バイデン氏が大統領に就任したら、世界は、そして日本はどう変わるのだろうか?ワクチンの開発が待たれるが、世界ではコピーミスのように発生する新型コロナウイルスの新たな変異も懸念されている。

11月21日からの3連休の初日、国内の新型コロナウイルス感染が2,596人も確認され、4日連続で過去最大の記録を更新した。東京都内の感染者は539人で、3日連続で500人を超えている。
高齢者の感染者も増え、感染経路別では家庭内が最も多く、市中感染が広がっている様相だ。大阪府も415人と初めて400人を超える感染者数となった。
これを受けて、菅内閣も「GoToキャンペーン」を見直す方針を打ち出した。
「実施されれば、客足が遠のいてしまう」と、観光業者から不安の声が聞こえて来る。
「外出や面会の自粛が、認知症の進行に影響している」と、認知症介護指導者の85%感じているという。
私も最近、物忘れが頻繁になり、何をしょうとしていたのか?一瞬、忘れてしまう。他の事に長時間夢中になって、ガスの火を消し忘れ、ナベを焦がしてしまうことがあるから心配だ。コロナ感染の心配だけでなく、ガンなどの病気や認知症への不安もある。老いは確実に、すぐそこに鎮座している。

スマホで詮索すると、世界の新型コロナウイルスの感染者数は6,000万人、死者数141万人を超えた。ヨーロッパでは感染拡大が深刻な状況で、現在もアメリカとインドで拡大が急増している。
これまでの日本の感染者数は138,500人で、死者数は2,049人である。重症者の数が増加し「医療崩壊危機」に直面している状況で、「GoToトラベル」と「GoToイート」の一時的な中止が一部で打ち出されている。
これだけ新型コロナウイルスの感染者が増え続けても、今年1月中旬に国内で最初に新型コロナウイルスの感染者が発表されてから後、最新の治療法進展で重症患者の死亡率が低下しているという。
4月に亡くなった春さんも、もう少し長く生きていてくれていたらという思いが宿る。
私は今まで、インフルエンザ予防接種をしたことがないのだが、急激なコロナ感染増加の情報がスマホに送信されて来るので、かなり遅くなったが、やはり予防注射をして置いた方が良いと考えて、家の近くの病院へ出かけた。
しかし、冬に流行するインフルエンザと、新型コロナウイルスの同時感染を恐れて、多くの人々がインフルエンザ予防接種を行ったので、すでにワクチンがない状況だった。次にインフルエンザ予防接種ができる予定も解らないという。
「コロナを甘くみないで」と、政府や医療機関から言われても、一般の市民は手洗いをしてマスクを常にしていれば大丈夫、安心だという、コロナに対する危機意識が薄らいでいる面が多々ある。
東京都の感染者が570人と過去最多を更新し、国内感染者数も急増して、第3波が津波のように確実に迫っている。感染経路不明者の増加、市中感染がすでに広がっていると疑われる事態なのだ。
「更なる感染予防対策と、個々の注意が必要である」と、警告されてもコロナ渦がいつまで続くか解らないから、飲食街からの悲鳴が聞こえて来る。
日本列島に我慢の冬が近づく今、高齢者はコロナ感染に恐れおののき、不安で焦燥感に駆られ、途方に暮れている。
アメリカでは新型コロナウイルスワクチンが急速に開発、認定され、年内にワクチン接種が可能だという良い二ュ−スも聞こえて来るが、その間も死者数は確実に増えている。
12月8日、中国武漢で新型コロナウイルスによる最初の肺炎患者が確認されてから1年が過ぎた。
世界の感染者数は6,754万人、死者数は154万人を上回る。日本の感染者数167,331人、死者数は2,458人になってしまった。
ウイルスの発生源を武漢とする米国の「武漢ウイルス」という主張に中国は反発しており、武漢での世界保健機関WHOの本格調査は、まだ目途がたっていない。
「新型コロナの起源」と言われ、WHOが注目しているという町があるという。雲南省プーアル市から北へ100qの山間の小さな町の鉱山に生息するコウモリから、2013年に新型コロナと遺伝情報が96%一致するコロナウイルスを武漢ウイルス研究所が分離しているという。
日本は「第3波」による新型コロナウイルス急拡大のさなかにあり、1日の重症者は536人、死者数47人と過去最多を更新した。
医療崩壊危機が逼迫している中で、最大クラスターが発生している北海道旭川市の厚生病院と障害施設へ、自衛隊員が派遣されることになった。
そんな状況で、政府は追加経済対策での「GoToトラベル」事業の延長を閣議決定した。新しいワクチン開発も進んでいるが、ワクチン効果や後遺症の影響、ウイルス変異に対する予測もまだまだ困難な状況だ。人々は「マスクさえしていれば大丈夫」というコロナ慣れしている面もある。
英国では、ファイザー製薬(アメリカ)とビオンテック製薬(ドイツ)が、協同開発した新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。マーガレット・キーナンさん90歳が、国内初のワクチン接種を受け拍手される映像が、イギリスから世界に向けてTV放映された。
春さんが生きていれば、もう少しで国内にもワクチン共有され、接種できたかも知れないと思うと、残念でならない。
夜中にテレビの音で目が覚めた。また、いつの間にかテレビをつけたまま眠ってしまったらしい。腰が痛い。ベッドに捕まり立ち上がって、朦朧としながらトイレで放尿する。
深夜番組では第二次世界大戦で亡くなった人の遺骨を収集する場面が映し出されていた。
遺骨発見に涙する白髪の老人の姿が痛ましい。そのまましばらく見ていたいと思うが、再び襲う眠気に勝てずにテレビのスイッチを切った。

12月31日、ひと月近くコロナ感染者数の増加を意識しないように自粛してきたが、その間に新型コロナウイルスの変異種が国内でも見つかり、都内のコロナ感染者が1,337人と過去最多の千人の大台に達した。全国でも4,519人と過去最多を記録した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で解雇されたコロナ失職労働者が8万人に迫っている。
世界の情勢を見れば世界の感染者数8,000万人超え、半月で1,000万人も増加している。一方で欧州各国でのコロナワクチンの接種が本格化している状況だが、新たなコロナウイルスの変異も懸念されている。
医療機関の崩壊が心配される中、羽田雄一郎衆議院が、新型コロナウイルスに感染し、発熱から3日で急変、糖尿病などの基礎疾患があったとしてもまだ53歳の若さで急死した。
発熱からわずか3日で死に至るのは、春さんの時と同じだが、春さんは高血圧に加え高齢者というネックがあって死に至った。やはり新型コロナウイルスは怖い。

大晦日、年超しも初詣の前倒しなど例年と一変した。政府は人々の不要不急の外出を要望し、市中感染を警戒して終夜運転なしを実施した。
感染者が急増の東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県は国に「緊急事態宣言」発令を促すが、政府は経済回復を優先「緊急事態宣言」を発令しない。アンケート調査で国民の約60%が発令すべきと回答しているのに何故なんだろうか?
仮に「緊急事態宣言」が発令されても、4月の時と日本の感染状況は劇的に変化している。スマホ世代、若者のスマホ信仰により、テレビも持たず、見なくなってコロナ情報伝達が得られない。一種のコロナ慣れで自粛しない若者から年寄りへと感染拡大していくのだ。
年末の大掃除も昨年とは違って自宅にいる時間が多かったからゆっくりとできた。春さんが居ないから淋しい年末になりそうだ。おせち料理も独りでは味気ない。
去年の年末は、春さんとスーパーへ買い出しに行って、大きな「荒引き鮭」を一匹買って、私と春さんの家で半分ずつに分けて食べた。
今年は私一人なので、辛口の鮭の切り身を買って来て寂しい正月を迎えるのだ。私の田舎では、大晦日に塩引き鮭を焼いて食べる習慣があり、日持ちする塩引き鮭を食べると、一つ年を取ると父親の昭平から教えられていた。白色トレイに入った甘口鮭の切り身で、私は重い年を取りたくないと思う。

2021年は、どう変わって行くのだろうか?ワクチン接種は、いつできるのか?果たしてオリンピックは開催されるのだろうか?日本経済の回復は可能だろうか?人々の普通の日常はいつ取り戻せるのだろうか?
日本では2月末から医療従事者にワクチン接種が始まり、65歳以上の高齢者は4月から、一般の人にワクチンが接種されるのは早くても5月以降になるらしい。
国民すべてのワクチン接種が完了するのには、下手をすれば今年一杯かかる予定だ。だが、それはあくまでも予測であって、様々な問題点が発生すればワクチン接種がずれ込むだろう。それまでに果たして、何人の死者が出てしまうのだろうか?解らない。
個人のできることは、マスク着用、手洗いを行い、不要不急の外出を控えて自粛生活する以外に手立てはない。後手に回っている政府、菅内閣には何も期待はできないし、時間は待ってくれそうもない。   

作詞家で直木賞作家のなかにし礼さん82歳が12月の23日に亡くなった。
「僕は昭和という時代への思いを歌に託していた。その時代が終わり、歌を作る土台を失った」と語っていたという。手がけた曲は約4,000曲にもなるという。また一つ昭和の時代を見事に表現してくれた惜しい人が去ってしまった。

今年もたくさんの有名人、社会に貢献した文化人たちが亡くなった。筒美京平(80歳)、中村泰士(81歳)、なかにし礼(82歳)と特に音楽関係の人の死が気になった。ほとんどが80歳代で高齢と言えるからしょうがないのかも知れない。
文学界でも「日本のいちばん長い日」の作者、半藤一利(90歳)を始め、古井由吉(82歳)、堺屋太一(80歳)、ドナルド・キーン(90歳)など多くの作家が亡くなった。
世界では、新型コロナウイルス感染の感染者数と死者数が増加し続けている。一体、日本はどうなってしまうのだろうか?
例年のように除夜の鐘は鳴り響き、2021年への一刻を刻み続けて行く。108の煩悩の鐘の音、2020年が今、まさに過ぎ去ろうとしている。
26/08/25 17:08更新 / 河志摩 運
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