■ ファンタジー(第2部) - (4)
(4)
ユーミンはプールの部屋で倒れて以来、ずっと眠りつづけていた。意識はないが、健康状態は正常のようだ。
城の医者が診察したが、ユーミンを目覚めさせることはできなかった。町中の医者や薬剤師、はては魔法使いや祈祷師が城に呼び寄せられた。
しかし誰一人として、ユーミンの病は治せなかった。
最後にひとりの老婆が、彼を診察したあと言った。
「これは気を使いすぎた症状じゃ。前に見たことがある。これを治すにはムーングラスという薬草が必要じゃ」
「ムーングラス?」
「ああ、ムーングラスじゃ。その根を煎じて飲ませるんじゃ」
「で、その薬草はどこに行けば手に入るんです?」
「ミサキの村にハーブという名の漁師がいる。以前、その男がムーングラスの煎じ薬を持っていた。海ツバメが巣を作る高い崖でしか取れない、貴重な薬草だと聞いている」
ウータンは老婆の話を聞くと、すぐにでもミサキの村に出かけようとした。
ケインが聞いた。
「ユーミンはここに置いていくのか?」
「いや、一緒に連れて行く。薬が手に入れば、すぐ彼に飲ませたい。それに、ミサキの村はアラバ山脈に行く途中にある」
「じゃあ、馬車がいるな。わしが用意させよう。ほかに準備することもあるだろう。今夜は城に泊まって、明日の朝、出発すればいい」
トマ王が言った。王はすっかり往年の元気を取り戻して、その顔色は、ばら色につやつやと輝いている。
「ありがとうございます、王さま。いろいろとお世話になりました」
「わしこそおまえたちに、礼を言わなければならん。わしの命の恩人だからな」
トマ王は無邪気に笑った。そこでウータンの顔をじっと見ながら言った。
「ウータン、明日はお別れだ。今夜はわしにつきあってくれ」
その夜、ウータンは王さまと共に過ごした。湯浴み場で体を洗い、そのあとトマ王の寝室に行った。部屋はいい香りがしていた。
ふたりは天蓋付きの大きなベッドの縁に腰かけ、とりとめもない話をした。話が付きかけたところで、トマ王は言った。
「じつは、わしはお前の父親、マリンに惚れておったのじゃ」
ウータンはえっと思ったが、黙っていた。
王は話をつづけた。
「今はすっかり歳を取ってしまったが、わしは女の道を選ぼうとした。マリンの子供を産みたかったのじゃ」
ウータンは奇妙な心境だった。自分は父さんと母さんの間に出来た子なのに、王さまと父さんの間に子供ができるなんて――。
彼の心を読みとったように、トマ王はふっと微笑んだ。
「安心しろ。そうはならなかった。マリンは、最愛の妻がいるのに、そんなことは出来ない、と固く断った。そしてわしは、あきらめざるを得なかった」
いつのまにかトマ王の手が伸びて、ウータンの分身を触っていた。ふっくらとした指の柔らかい感触に、彼の肉根はみるみる硬く、大きくなっていった。
「ほんとにお前のおチンチンは、マリンとそっくりだ。太くて長くて、逞しい――」
「ああ――王さま――」
ウータンは王の手から逃れようとしたが、あまりの気持ち良さに、拒むことができなかった。
「わしは歳を取って、もう子供は宿せぬかも知れんが――ウータン、おまえの父親の代わりに、わしの中に入れてくれぬか」
「――」
王の誘惑は抗しがたかったが、ウータンは迷っていた。
「あの眠っているホーリー族の王子――ユーミンと言ったか。あれが目を覚ました時、いずれはお前と結ばれるかも知れん」
「王さま、そんなことはありえません。身分が違いますし、種族も違います」
ウータンが異を唱えようとすると、トマ王は強く否定した。
「それは関係ない。同じヒトの仲間だ。いいか、そのときに備えて、今夜はわしがじっくりと手ほどきしてやる。まずは前技からじゃ」
トマ王はベッドの上にあがると、うつ伏せになって膝を立て、尻を高く掲げた。そして言った。
「まずは、舌を使って舐めるのじゃ」
奇妙な眺めだった。染みひとつないまん丸の双丘、その狭間にしわを集めた小さな肛門としわの寄った割れ目があった。その下には可愛らしいタマタマがぶらさがっている。
ウータンは王の指示に従って、舌を使った。やわらかい狭間全体に舌を這わせ、肛門のくぼみや割れ目の襞を舐めまわした。多少しょっぱくて、奇妙な味だった。ときおりトマ王が気持ち良さそうな呻き声をあげた。その内、割れ目がしっとりと潤ってきた。
「よし、今度は指をつかって撫でてくれ。いいか、そこはデリケートじゃから、優しくやるんだぞ」
ウータンは指の腹で狭間を撫で、指の先を湿った割れ目に侵入させた。ぬるっとした感触、指の先が奥の方にのみこまれていく。
「ああっ――いい」
王さまが背中を反らせて、気持ち良さそうに喘いだ。
(こうやれば、王さまが悦ぶんだ)
ウータンは湿った粘膜の穴に、指を抽送させた。それから王の指示どおり、粘液にまみれた指を、肛門に差し入れた。こんどのほうが狭かった。指をキュッと締め付けてくる。
「ああっ!ゆっくり入れてくれ!」
王が痛そうに叫んだ。
それでも指を出し入れしていると、だいぶ弛んできた。
しばらくして、トマ王は仰向けになり、膝を立てて足を開いた。
「ウータン、そろそろお前のおチンチンを入れてくれ」
王さまの体は、ふっくらとして手足が短く、そのうえ体毛が無いので、太った子供のようだった。ウータンはやり方を知らなかった。それにどちらの穴に入れるのかも――。
しかし本能のまま、王の開かれた足の間に下腹部を近づけた。それから自分でもびっくりするほど硬く大きくなった肉根を握り、王のタマタマの後ろに見当をつけて押しつけた。
先端がヌルッとしたものに触れ、そのまま力を加えると、ヌヌーッと入っていった。
「はあっ!あああ――」
トマ王があごをのけ反らせた。
ウータンはあわてて動きを止めた。
「王さま!だいじょうぶですか?」
「構わぬ。奥まで入れてくれ」
ウータンは気を取り直して、じんわりと突き進んだ。はちきれそうに膨らんだ肉根の先端が、やわらかい粘膜を押し開いていく感触に、もうそれだけで爆発しそうだった。
ようやく奥まで完入した。
「どうじゃ、ウータン。気持ちいいか」
「はい、王さま。すごく気持ちいいです」
ウータンは息を弾ませて答えた。この息詰まるような快感は、偽トマ王の罠にかかったときも経験していたが、あのときは快感と共に、なにか冷たい恐怖のようなものがあった。ところが今は、うっとりとするような暖かさがあるだけだった。
ウータンは本能のおもむくまま、腰をうねらせた。すぐに切羽詰まった気分になってきた。
「ああっ、王さま!何かが出そうです!」
「何っ、もう出すのか。仕方ない、初めてだからな。出していいぞ」
トマ王の言葉を聞くや否や、ウータンは一気に昇り詰めた。
「うっ!ああっ!あああっ――」
トマ王の体内に大量の男の精を吐き出したあとも、なおウータンの肉根はドキドキと脈打っていた。
しかし、それで終わりではなかった。トマ王はずぼっと濡れた音を立ててウータンから離れると、今度はうつ伏せになって尻を掲げた。
「さあ、つぎは尻の穴だ。今度は狭いから、じっくりと時間をかけて広げながら、やさしく入れるんだぞ」
今度は入れるのに苦労した。狭いうえに、割れ目にあるようなぬるっとした湿り気が無かった。ウータンは割れ目の粘液を指で掬って、後ろの門に塗りつけながら挿入した。
硬直した肉杭が、じりっ、じりっ、と呑み込まれていく。
「ああっ!ウータンゆっくり――ゆっくり入れてくれ」
王さまは苦しそうにシーツにしがみついて、喘いでいた。
根元まで入った時、トマ王が訊いた。
「どうじゃ、ウータン。今度は?」
「はい、今度も気持ちいいです。でも、ちょっときつすぎて」
「普通は、男のおチンチンを入れるところじゃないからな。じゃが、子供を作りたくなければ、この穴を使うんじゃ」
「はい、王さま。ああ、また出そうです」
「ああ、今夜は何度でも、好きなだけ出せばいい」
翌朝、ウータンは王のベッドから抜け出して、旅の身支度をととのえた。
別れ際にトマ王のところに挨拶に行くと、王はすっかりウータンが気に入ったのか、名残惜しそうに言った。
「ウータン、わしに約束してくれ。おまえの旅が無事に終わったら、わしのもとに戻ってくると」
ウータンは躊躇した。トマ王の純真な瞳が、期待を込めて彼をじっと見守っている。
彼は肩をすくめた。それから、ちいさくうなずいた。「はい、王さま」