連載小説
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初戦
 アパートの住人はほとんど仕事に出かけ、駐車場には軽自動車1台だけだった。6月半ばの蒸し暑い日だったが、窓を開ければ心地よい風が入り込んだ。
 2階の1号室の窓は閉められていた。テレビの音がドアを通して外に漏れていた。
 部屋のベッドが時折、ギシッギシッと音を立てて軋んだ。
 60代半ばの白髪交じりのがっちりした体格のじいさんと少し若い50代の素裸の親父がベッドで絡み合っていた。
 禿げでメタボな若い親父が四つん這いで肉づきの良い尻を突き出し、「あーん、うーん」と、喘ぎ声をあげていた。
 大柄な爺さんが男の尻に乗ってゆっくりと腰を前後に振っていた。
「ああー、うーんっ」
 背中にうっすらと汗を光らせた親父が、かすれ声で後ろの爺さんに促す。
 爺さんが、上半身を被せ、ほらほらとズンズン突く。
「どうだ、良いか!」
「ああーっ、良いーっ」
 と、若い親父は応えるのだった。
 繋がってからそれほど時間はかからなかった。
「ああっ、いくっ」と叫んで60半ばの爺さんが、ひと回りほど若い親父の中に種汁を放出した。
 仰向けになって喘ぐ親父の種汁まみれの尻穴を指でまさぐりながら、爺さんは男の竿をしゃぶった。
 耐えきれなくなった親父は、じいさんを見上げて許しを請うように、
「もうダメ、イキそう……あっ、イクっ」
 と、叫びながら鈴口から白濁した液体をドクドクと溢れさせた。
 2人は、汗ばんだお互いの背中を撫でながら唇を重ね、余韻を楽しんだ。

 白髪の佐田誠の職場に10歳ほど若いハゲ頭の吉野が勤めるようになってまだ3カ月ほどしか経ってなかった。
 佐田は定年後に駐車場管理の職場に入って3年経っていた。
 吉野は会社を早期退職し、故郷に近いこの市に腰を落ち着けたのだった。
 佐田には孫もいたが、吉野は独り者だった。
 佐田が、新入りの吉野が自分と同類の趣味を持つことに気付くまで時間は掛からなかった。
 たまたま、暑い日があって仕事終わりに更衣室で褌を取り換えている時に佐田は視線を感じたのだった。
 吉野が鏡越しに佐田のイチモツを凝視していた。
 あとは、機会を見計らって誘いの声を掛けるだけでよかった。
 この日の吉野のアパートでの情事が2人の初戦だった。
 地元に長く暮らす佐田は数カ月ぶりだったが、吉野にとっては1年ぶりのセックスだった。
 吉野は、この地のゲイバーとかにも行ってはみたものの、地方独特の閉鎖的な空間になじむのに時間がかかっていた。東京のように会って直ぐ出来るというものでもなかった。
 そんな吉野に、地元に詳しい佐田は次の相手を紹介してやった。

 井上顕造は70歳を過ぎてもすこぶる健康だった。家業の工務店は息子に譲ったものの時折現場にも顔を見せていた。暇な日中は温泉巡りや健康ランドでぶらぶらすることが多かった。
 知り合いの佐田から連絡が入り、井上は指定の日時に待ち合わせ場所の道の駅に向かった。佐田と吉野が睦合った日から1カ月後の事だった。
 道の駅のベンチであいさつと他愛もない会話を交わした3人は車でモーテルに向かった。
 仕事明けでのんびりと風呂で疲れを癒していた佐田が部屋に戻ると、ベッドでは既に絡みが始まっていた。ハゲで太めの似たような体格の男2人が舌を絡めながらお互いの体をまさぐっていた。
 佐田はソファーに腰掛けて、タバコをくゆらしながら眺めることにした。
 2人は体を重ねながら互い違いの格好でお互いの男根を舐め合っていた。
「あーっ、うーんっ」と、時折唸るような快楽の喘ぎを漏らしながら。
 3人の中で一番恰幅がよい井上がベッドで四つん這いになり大きな尻を突き出した。吉野が狙いを定めて尻穴に入れた。
 井上の腰を両手で掴んだ吉野が、硬直をもう一段深く挿入すると、
「ああーっ」と、井上が歓びの声を漏らした。
 佐田の出番だった。
 四つん這いで吉野と繋がってる井上の前にひざまづいて、その口に己の男根を含ませた。
 熟練の井上の舌遣いを楽しんで硬直した男根を、佐田は吉野の尻に突き刺した。
 吉野は、
「はあっ、ああーっ」と、切なげな快楽の喘ぎを漏らした。吉野にとっても久々の「3P」だった。
3人の宴は続いた。
 佐田は吉野と井上の体内に1回ずつ、吉野は井上の中に2回、井上は佐田の口に1回、それぞれ放出していた。
 休憩を挟んだこともあり、3人がモーテルのゲートを出るころには日が暮れ始めていた。
 吉野はこの日、この地で生きていく自信が湧いた気がした。
25/01/18 10:04更新 / ハゲ爺
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